日本人若手英語教員米国派遣事業 研修成果活用事例3(中学校)

(1)発音指導

特にrとlを区別して発音することは、日本語話者にとってたいへん難しいことを、講義で学んだ。また実際に、研修期間中に私自身が語学学校でも繰り返し発音練習をし、その発音を区別することは日本語話者にとっては本当に意識が必要であることを実感した。そこで、rとlについては、ことあるごとに生徒には練習させ、その時には舌先の位置を意識するよう促している。また英語の歌には、rとlのみならず、fとvなど、日本語話者には難しい発音がたくさん含まれているものもあるので、歌なども用いて、楽しみながら発音練習ができるようにも心掛けている。ALTとの授業では、rとlの単語の発音ができているかを生徒1人1人について、チェックする時間をとるようにも心掛けている。生徒たちも、rとlの発音を意識するようになってきた。またrとlの発音を意識することもとに、「英語らしい発音」ということを意識できる生徒も増えてきたように感じられる。

(2)ゴールを明確に示すこと

 評価をするために、ルーブリックが活用されていた。ルーブリックにより、明確なゴールを示すことで、生徒のモチベーションを高めることができること、また、評価の基準となる実例を示すとさらに効果的であることを学んだ。そこで、スピーチなどの発表をさせる場面では、教師がよい手本を示すだけでなく、過去の先輩が行ったスピーチのDVDを事前に見せた。すると、英語らしい発音やジェスチャー、視線の配り方など、すばらしい先輩の姿に刺激を受けた生徒もおり、よりよいスピーチ発表となった。今後の課題としては、スピーチなどの評価基準をより具体的に示し、生徒のやる気をさらに引き出していくことである。

(3)ペアやグループの活用

これまでも、授業ではペアやグループを用いていたが、研修を通して、ペアやグループ活動のよさ(生徒同士の結びつきを強められ、学習に対しても強力で前向きな力となり得ること。学びに対して積極的になれ、生徒自身が学習に自ら取り組めているとより感じられること)を再認識した。授業でも日頃からペアやグループで取り組む時間を設定し、教師の説明は最小限にし、生徒が実際に英語を使う活動ができる時間をより多く持てるように心掛けている。特にグループ活動では、「~ができたら合格」というようにゴールを明確に示すように心がけている。生徒たちはペアやグループで取り組むことにも慣れてきて、英語があまり得意ではない生徒も一緒になって活動することができるようになっている。

(4)チャンツの活用

特別支援学級ではチャンツを積極的に活用している。チャンツはリズムに合わせて繰り返し楽しく英語の発音練習とフレーズを覚える練習ができる。文字を読んだり書いたりすることが苦手な生徒たちは、チャンツを通して、基本的な英会話の型やフレーズを覚えることができている。これまでに、曜日、好き/嫌い、場所についての聞き方と答え方などを練習している。

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-- 登録:平成26年04月 --