よくある質問と回答(FAQ)

学習指導要領について

 「学習指導要領」とはどのようなものですか。

 全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。
 「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。また、これとは別に、学校教育法施行規則で、それぞれの教科等の年間の標準授業時数等が定められています。
 各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。

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 これまでの学習指導要領の変遷について教えてください。

 「学習指導要領」は、戦後すぐに試案として作られましたが、現在のような大臣告示の形で定められたのは昭和33年のことであり、それ以来、ほぼ10年毎に改訂されてきました。
 それぞれの改訂における、主なねらいと特徴は、以下のとおりです。
   
昭和33〜35年改訂   教育課程の基準としての性格の明確化
道徳の時間の新設、系統的な学習を重視、基礎学力の充実、科学技術教育の向上等)
   
昭和43〜45年改訂   教育内容の一層の向上(「教育内容の現代化」)
時代の進展に対応した教育内容の導入(算数における集合の導入等))
   
昭和52〜53年改訂   ゆとりのある充実した学校生活の実現
=学習負担の適正化
各教科等の目標・内容を中核的事項にしぼる)
   
平成元年改訂   社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成
生活科の新設、道徳教育の充実等)
   
平成10〜11年改訂   基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」の育成
教育内容の厳選、「総合的な学習の時間」の新設等)

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新学習指導要領について

 現在の学習指導要領はどのような内容ですか。

 現在の学習指導要領は、平成10年、11年に全面改訂が行われ、小学校・中学校にでは平成14年度から全ての学年で実施されており、高等学校では平成15年度入学者から、順次実施されています。
 この「学習指導要領」では、子どもたちに基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「確かな学力」、「豊かな人間性」、「健康や体力」などの「生きる力」を育むことをねらいとしています。
 このため、具体的には、
  1 教育内容を厳選し、習熟度別指導など一人一人の子どもに応じた「わかる授業」を行うことにより、基礎・基本を確実に習得させる、
  2 「総合的な学習の時間」などを通じた体験的・問題解決的な学習を行う、
  3 中・高等学校では、選択学習の幅を一層拡大し、生徒の興味・関心等に応じて、発展的な学習などを行う、
などの見直しが行われています。

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 「生きる力」とはどのような力ですか。

 これからの変化の激しい社会においては、学校で学んだ知識のみで社会生活を営むのではなく、子どもたち一人一人が自ら個性を発揮し、困難な場面に立ち向かい、未来を切り拓いていく力が求められます。
 このために必要となるのは、自ら学び自ら考える力などの「確かな学力」、他人を思いやる心や感動する心などの「豊かな人間性」、たくましく生きるための「健康や体力」などの「生きる力」です。
 子どもたちの「生きる力」は、学校だけでなく、家庭や地域と一緒になって育むものですが、学校では、これからの生涯学習社会の中で、社会に出た後も生涯学び続けることができる基礎的な資質や能力を育むことを重視しています。
 このような「生きる力」を育成の重要性は、平成8年の中央教育審議会答申で提唱されたものであり、現在の「学習指導要領」のねらいとなっています。

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 「確かな学力」とはどのような力ですか。

 これからの子どもたちには、基礎的・基本的な「知識や技能」はもちろんですが、これに加えて、「学ぶ意欲」や「思考力・判断力・表現力など」を含めた幅広い学力を育てることが必要です。これを「確かな学力」といいます。
 大学や企業の人事担当者も、今の子どもについて論理的思考力や問題発見力、行動力・実行力などについて課題があると指摘しています。また、全国的・国際的な学力調査では、今の日本の子どもたちは、学ぶ意欲や判断力、表現力に課題があることが指摘されています。
 各学校では、子どもたち一人一人に応じて指導するなど「わかる授業」を行い、「確かな学力」を育むことができるように努めています。

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 現在の学習指導要領では、教育内容がかなり削減されましたが、子どもたちの学力が低下しないでしょうか。

 現在の「学習指導要領」では、各学校でより効果的な指導を行うことができるように、各教科の間で重複する内容をまとめたり、高度になりがちな内容を上の学年や学校段階の内容と移行・統合し、体系的にわかりやすくするなど、すべての子どもに共通に指導する教育内容を厳選しています。
 小・中学校では、これにより生じる時間的・精神的な「余裕(ゆとり)」を活用して、「個に応じた指導」を実施し、基礎・基本を確実に習得させるように努めています。
 また、中・高等学校では、「選択学習の幅の拡大」や「個に応じた指導」により、生徒の興味・関心等に応じて、発展的・補充的な学習ができるようになっています。
 これにより、小・中・高等学校を通じて、子どもたちに「確かな学力」を育むことを目指しています。

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評価について

 指導要録とは何ですか。通信簿(通知表)や調査書(いわゆる内申書)とは何が違うのですか。

 指導要録は、児童生徒の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し、その後の指導に役立たせるとともに、外部に対する証明等の際の原簿となるものであり、どこの学校でも必ず作成しなければならない書類です。指導要録における評価方法や観点等は、日頃の学習指導と評価において基盤となる考え方や方法を示すものであり、重要な役割を果たしています。新学習指導要領の下での指導要録については、平成13年4月に、指導要録に記載すべき事項や参考様式等を、文部科学省から各教育委員会等に通知しています。各教育委員会等においては、これを基に、所管の学校の指導要録の様式等を定めています。
 一方、通信簿(通知表)は、各学校において、子ども自身や保護者に学習状況を伝え、その後の学習を支援することに役立たせるために作成されているものであり、その扱い、記載内容や方法、様式などは各学校の判断で適宜工夫されています。
 また、調査書(いわゆる内申書)は、高等学校等の入学者選抜のための資料として作成されるものであり、生徒の平素の学習状況等を評価し、学力検査で把握できない学力や学力以外の生徒の個性を多面的にとらえたり、生徒の優れている点や長所を積極的に評価しこれを活用していくという趣旨のものです。調査書は、各都道府県教育委員会等において、その様式や記載事項が定められています。 
 このように、指導要録、通信簿、調査書は、それぞれ作成の目的や機能が異なっているものです。

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 子どもの評価が「相対評価」から「絶対評価」に変わったと聞きましたが、どう変わったのですか、また、その理由は何ですか。

 新学習指導要領においては、基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することを重視していることから、評価についても、学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価を一層重視することが重要となります。このため、指導要録においても、これまでの考え方を更に発展させ、従来から「目標に準拠した評価」による「観点別学習状況の評価」に加え、「評定」(各教科の学習状況を総括的に評価するもの)についても、「集団に準拠した評価」(いわゆる相対評価)から、「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)に改めたところです。
 その主な理由は以下のとおりです。
ア. 児童生徒一人一人の進歩の状況や教科の目標の実現状況を的確に把握し、学習指導の改善に生かすことが重要であるが、そのためには、目標に準拠した評価が適当であること。
イ. 学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容の確実な定着を図る観点から、児童生徒が学習指導要領に示す内容を確実に習得したかどうかの評価を一層徹底する必要があり、そのためには、目標に準拠した評価が優れていること。
ウ. 各学校段階において、児童生徒がその学校段階の目標を実現しているかどうかを評価することが、上級の学校段階の教育との円滑な接続に資する観点から、重要となっていること。
エ. 新学習指導要領では、習熟の程度に応じた指導など個に応じた指導を一層重視しており、学習集団の編成も多様となることが考えられるため、指導に生かす評価の観点からは、目標に準拠した評価を常に行うことが重要となること。
オ. 少子化等により、かなり広範囲の学校で、学年、学級の児童生徒数が減少してきており、評価の客観性や信頼性を確保する上でも、集団に準拠した評価によるよりも、目標に準拠した評価の客観性を高める努力をし、それへの転換を図ることが必要となっていること。


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 「目標に準拠した評価」「集団に準拠した評価」「個人内評価」について、それぞれどのようなものか教えてください。

 「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)は、学習指導要領に示す目標がどの程度実現したか、その実現状況を見る評価のことを指します。一方、「集団に準拠した評価」(いわゆる「相対評価」)は、学年や学級などの集団においてどのような位置にあるかを見る評価のことを指します。また、「個人内評価」は、児童生徒ごとのよい点や可能性、進歩の状況などを積極的に評価しようとするものです。
 各学校においては、目標に準拠した評価を一層重視するとともに、個人内評価を工夫することが求められます。

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 子どもの成績を「観点別学習状況の評価」と「評定」で評価していると聞きましたが、どのようなものなのでしょうか。

 これからの社会を生きる児童生徒にとって身に付ける必要がある学力は、知識・技能のみならず、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを含む幅広い学力です。このような学力がどの程度身に付いているかを的確に把握するため、学校においては、従来から、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の4つの観点から見た学習状況の評価(観点別学習状況の評価)を基本としています。(観点の数は教科によって異なっているものもありますが、観点別学習状況の評価の考え方は各教科共通です。) 「観点別学習状況の評価」は、各教科の学習状況を分析的に評価するものであり、学習指導要領に示す目標に照らして、その実現状況を観点ごとにA、B、Cの3段階で評価するものです。
 「評定」は、観点別学習状況を基本として、各教科の学習状況を総括的に評価するものであり、小学校(第3学年以上)では3、2、1の3段階、中学校では5、4、3、2、1の5段階で評価するものです。従来は、「集団に準拠した評価」によっていましたが、今回の指導要録の改善により、評定についても「目標に準拠した評価」を行うこととなったところです。

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 「指導と評価の一体化」という言葉がよく聞かれますが、これはどういう意味ですか。

 学校においては、計画、実践、評価という一連の活動が繰り返されながら、児童生徒のよりよい成長を目指した指導が展開されています。すなわち、指導と評価とは別物ではなく、評価の結果によって後の指導を改善し、さらに新しい指導の成果を再度評価するという、指導に生かす評価を充実させることが重要です。このことを「指導と評価の一体化」と言います。
 このような「指導と評価の一体化」を進めるためには、評価活動を評価のための評価に終わらせることなく、指導の改善に生かすことによって指導の質を高めることが一層重要となります。また、学習の評価を、日常的に、通信簿や面談などを通じて、児童生徒や保護者に十分説明し、児童生徒や保護者と共有することなども大切です。

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学習指導要領の一部改正について

 なぜ学習指導要領を一部改正したのですか。学習指導要領の一部改正はどのような内容ですか。

 現在の「学習指導要領」については、各学校や教育委員会の熱心な取組で、そのねらいの実現に向けた取組が一定の成果を上げています。しかし一方で、一部の学校では、創意工夫が十分行われずに指導に必要な時間が確保されてなかったり、総合的な学習の時間で体験活動に偏っているなど、「学習指導要領」のねらいを十分に踏まえた指導がなされていない事例もみられました。
 そこで、「学習指導要領」のねらいの更なる定着を進め、その一層の実現を図るために、平成15年10月に出された中央教育審議会の答申を踏まえ、平成15年12月に現在の「学習指導要領」を一部改正しました。今回の一部改正は、現在の「学習指導要領」の記述をより分かりやすい形に改めることにより、その趣旨の理解をこれまで以上に浸透しようとするものです。
 そのポイントは以下のとおりです。
  1 各学校で学習指導要領に示している内容を確実な定着を図るための指導を行った上で、子どもの実態に応じて、必要に応じ、学習指導要領に示されていない内容を指導することができる性格(「学習指導要領の基準性」)をより明確化する。
  2 「総合的な学習の時間」の活動をそれぞれの教科と関連付け、各学校ごとに目標や内容を示す全体計画を作成する。
  3 習熟度別指導や補充・発展学習を取り入れた指導など、「個に応じた指導」を柔軟かつ多様に導入する。
  4 各学校で指導に必要な時間をきちんと確保する。
これにより、各学校で創意工夫を生かした取組が一層進み、「わかる授業」が行われることにより、子どもたちに「確かな学力」を育むことを期待しています。

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 「学習指導要領の基準性」とは何ですか。また、「はどめ規定」とは何ですか。

 「学習指導要領」には、すべての子どもに指導すべき内容が示されています。「学習指導要領の基準性」とは、各学校において、この「学習指導要領」に示されている共通に指導すべき内容を確実に指導した上で、子どもの実態を踏まえ、「学習指導要領」に示されていない内容を加えて指導することができるという性格のことを言います。
 このような「基準性」は、学習指導要領総則に示されており、昭和33年に「学習指導要領」が告示されて以来、変わっていません。
 また、「学習指導要領」では、それぞれの教科の内容について、共通に指導すべき内容の範囲や程度を明確にしたり、学習指導が網羅的・羅列的にならないようにするため、「〜は扱わない」などの「はどめ規定」が示されています。
 「はどめ規定」は、あくまで「学習指導要領」に示されている内容を全ての子どもに共通に指導する場合に留意事項であって、必要がある場合には、「はどめ規定」にかかわらず指導することも可能なものです。
 ただし、それぞれの教科等や学年等の目標や内容の趣旨を逸脱しないことや、子どもの負担過重にならない範囲内で行うことが大切です。
 今回の一部改正では、このことをより明確にするため、学習指導要領総則の記述をわかりやすい形に改めるとともに、各教科等でも留意事項を示しています。

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 学習指導要領に示されていない内容を指導する際には、どのような点に留意すればよいでしょうか。

 学習指導要領に示されている内容は、全国どこの学校でも子どもたちに共通に指導すべき内容です。各学校では、その内容を確実に指導する必要があります。
 その上で、子どもの実態に応じて、必要に応じ、学習指導要領に示されていない内容を加えて指導することも考えられ、学習指導要領に示されている内容を身に付けている子どもに対して、共通に指導した内容をさらに深めたり、思考力・判断力・表現力や学ぶ意欲をさらに高めることが期待されます。
 今回の一部改正では、このことをより明らかにするため、学習指導要領の総則の記述をよりわかりやすい形に改めました。
 なお、学習指導要領に示されていない指導を行う際には、それぞれの教科、学年の目標や内容の趣旨を逸脱しないことや、子どもの負担過重にならない範囲内で行うことが大切です。

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 「総合的な学習の時間」の取組を進めていく上で、どのような点に留意すればよいでしょうか。

 「総合的な学習の時間」の取組を進めていく上では、各教科や道徳、特別活動等との関連の中でどのように位置づけるのか、各学校でよく検討することが必要です。
 そのためには、学校としての「総合的な学習の時間」の「目標」や取り組む「内容」を設定するとともに、各学校で「総合的な学習の時間の全体計画」を作成し、学校の教育活動全体の中で計画的な指導を行うことが大切です。
 また、指導の際には、学習の場面や状況に応じて、教師が専門性を生かして行き届いた指導を行うとともに、学校図書館やそれぞれの地域の人材・教材、自然や産業などの学習環境を積極的に活用することも求められます。

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 「個に応じた指導」を充実するためには、どのように指導方法の工夫を行えばよいでしょうか。

 子どもたちが学習内容を確実に身に付けられるようにするためには、子どもの能力・適性、興味・関心等を十分に理解し、それに応じた指導方法を工夫することが求められます。
 そのためには、それぞれの指導の場面に応じて、従来からの一斉指導に加えて、個別指導やグループ別指導、学習内容の習熟の程度に応じた指導、補充・発展的な学習や課題学習、繰り返し学習など、効果的な方法を柔軟かつ多様に導入することが重要です。
 「習熟度別指導」を行う際には、子どもにいたずらに優越感や劣等感を生じさせたり、学習内容を学習集団によって分ける指導形態が固定化させたりするなど、子どもの学ぶ意欲を低下させないように十分留意して、指導方法を工夫することが必要です。
 また、子どもを学習集団に割り振る際には、児童の興味・関心等に配慮し、自分で学習集団を選ぶことができるように配慮することも重要ですが、児童が自分の適性に合っていない学習集団を選ぶようであれば、教師が適切な助言を行うことも大切です。
 さらに、保護者に対して、事前に、指導内容・指導方法の工夫を示した指導計画や期待される学習効果、導入の理由などについて説明することも求められるでしょう。

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 必要な指導時間は、どれくらい確保すればよいでしょうか。また標準時数との関係をどのように考えればよいでしょうか。

 教科等の年間の授業時数については、学校教育法施行規則で「標準」時数が定められています。この「標準」時数の許容範囲は具体的に示されていませんが、下限は学習指導要領に示されている内容を指導できる限度であり、上限は子どもの負担過重にならない限度であるとされています。
 したがって、学習指導要領のねらいが十分実現されていないと判断される場合には、指導方法などの質的な改善を行いながら、「標準」時数にとらわれないで、これを上回る指導時間を確保することも必要です。

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5 その他のよくある質問

 最近、子どもたちの学力が低下しているという指摘を聞きますが、本当ですか。

 文部科学省が実施・参加した全国的・国際的な学力調査によると、日本の子どもの成績は、国際的にみてトップクラスにあります。
 ただし、学力面での多くの課題も浮かび上がっており、
1 暗記や計算は得意だが、判断力や表現力が身についていない
2 勉強は大切だと思っているが必ずしも好きだと思っていないなど、子どもの学習意欲が低い
3 学校の授業以外に勉強を全く又はほとんどしない子どもがかなりいるなど、子どもに学習習慣が身に付いていない
4 子どもたちの学びを支える自然体験、社会体験、生活体験が不足し、人やものとかかわる力が低下している
ことなどがわかっています。
 これらの課題を克服するためには、今後とも、全国的な学力調査を通じて、子どもたちの学力の状況を継続的に検証するとともに、各学校で創意工夫を生かした「わかる授業」を行い、子どもたちに思考力・判断力・表現力や学ぶ意欲などの「確かな学力」を育むことが必要です。

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 「円周率は3」で教えていると聞きましたが、本当ですか。

 円周率を3で教えているというのは全くの誤解です。
 現在の「学習指導要領」でも、円周率は3.14で教えることとしており、これは以前から全く変わっていません。
 なお、学習指導要領では、以前から、「目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮する」と記述しています。これは、例えば、円の面積の見積りをする場合などに、およその面積を素早く見積もることができるなど、目的に応じて適切に処理できるようにするためのものです。

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 「台形の面積」を求める学習はしなくなるのでしょうか。

 現在の「学習指導要領」では、全員が共通に学習する内容としては、「台形の面積の公式」は示していません。
 これは、「正方形、長方形、三角形、平行四辺形の面積の求め方」を身に付ければ、それ以外の台形のような形の面積も、これらの面積の求め方を活用して自分で工夫して求めることができるからです。
 したがって、三角形の面積などを組み合わせて自分で工夫して「台形の面積」を求め方を考えてみようとする学習は行われます。また、発展的な学習として、必要に応じて、「台形の面積の公式」について学ぶこともできます。

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 小学校で学習する「漢字の数」が減ったと聞きましたが、本当ですか。

 小学校で学習する漢字は1,006字であり、以前と全く変わりません。
 ただし、漢字の「読み」と「書き」とを比べると、「書き」の定着の方が時間がかかることから、新学習指導要領では「読み」の学習はこれまで通りとし、「書き」の学習は2年かけて、確実に書き、使えるよう指導することにしました。
 これにより、小学校6年生までに、5年生までの漢字(825字)を確実に書けるように指導し、6年生の配当漢字(181字)は、中学校で確実に書けるように指導し、中学校卒業時点で「1,006字を確実に書く」ことは、以前と全く変わりません。
 どちらかと言えば、2年間かけて、確実に書けるように指導する点では、以前よりきめ細かく指導することができます。

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 中学校で「必修の英単語」が少なくなっていると聞きましたが、なぜですか。

 中学校3年間で学習する単語総数は900語程度で、以前と比べて100語減りました。
 これは学習する単語を繰り返し指導し、確実に身に付け、十分活用することができるようにするためです。
 また、現在の「学習指導要領」では、この900語に含める単語として100語を指定しています。これまでは、名詞や動詞なども含めて507語を指定していましたが、新学習指導要領では、代名詞や前置詞など文章を作る上で真に必要な基本的な100語に限定して指定することとしました。
 これは、実践的コミュニケーション能力を一層重視し、各学校で工夫して実際に英語を使用する場面を想定して指導することができるように、名詞や動詞を一律に決めないこととしたのです。

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