第2回目となる「全国学力・学習状況調査」が実施された。神戸市の結果は、小中学校とも全教科区分(8教科区分)において全国平均を上回り(昨年度は5教科区分で上回り、1教科区分で下回った)、特に中学校数学は良好であった。しかし、19年度と同様に、小中学校ともにA問題(主として知識に関する問題)に対してB問題(主として活用に関する問題)の平均正答率が12~18ポイント低く、全国の結果と同様に活用力に課題が見られた。国語では、昨年度課題のあった読む力を問う問題で、小中学校とも全国平均を上回る一方、記述式問題の無解答率は、中学校で全国より若干高くなった。小学校「算数」では、昨年度と比べ図形の問題で改善が見られた一方、グラフをもとに記述して答える問題は、全国同様正答率が低くなった。
神戸市では、昨年度に引き続き「神戸基礎学力向上推進委員会」で、結果の分析と課題の析出を行い、「神戸基礎学力向上推進プラン」を策定した。これは平成18年度より取り組んでいる「分かる授業推進プラン」の一環である。また10月には、結果と改善策をいち早く学校に周知し、改善に取り組んでもらうために、調査結果と改善策の概要をまとめたパンフレットを作成し全教員に配布した。
今後学校では、自校の調査結果を踏まえて策定された「改善プラン」に基づき、「分かる授業」の推進をさらに充実させていく。特に課題のある教科・領域を中心として、作成された様々な成果物を十分に活用し、PDCAサイクルに基づきながら指導の改善を図っていく。
平成19年度全国学力・学習状況調査の分析結果を基に策定した学校改善支援プラン(神戸基礎学力向上推進プラン)の推進に係る実践研究を、「神戸基礎学力向上推進委員会」を中心として「調査活用協力校」の連携協力の下で実施した。研究成果については、市内の全小中学校に対して周知・啓発を行った。
本市の学校改善の課題として指摘されている「授業のさらなる改善、読解力・言語力・活用力の向上、小中連携による学力向上、読書習慣の定着、家庭での生活・学習習慣改善」等について、実践的、モデル的な研究を行った。改善策や実践事例を全市研究成果報告会、各校の研究発表会、ホームページ等を通じて、情報発信することにより、他の学校へ普及・啓発を行った。
「神戸基礎学力向上推進委員会」では、20年度の調査結果及び検証改善策についても検討を行い、周知・普及に努めた。
学識経験者、調査活用協力校代表、教委事務局職員等からなる「神戸基礎学力向上推進委員会」を設置し、調査活用協力校を中心とした全市の取組(改善策の実践状況)や20年度の調査結果等の分析、検証改善策の検討などを実施した。
本事業を神戸市教育委員会と調査活用協力校の共同研究として位置づけ、調査活用協力校は、本市における学校改善支援プラン(神戸基礎学力向上推進プラン)に基づいた研究テーマを設定し、実践研究を実施するとともに、市教育委員会は調査活用協力校の校内研修、研究授業会等に指導主事を積極的に派遣した。
調査活用協力校の代表者は、「神戸基礎学力向上推進委員会」「調査活用協力校連絡会」に参加し、各学校の実践事例の提供、情報交換を行った。また、調査活用協力校の担当者を対象として、学力向上の成果が上がっている市外の先進的な学校や地域の視察研修を行い、各学校の取組に生かした。
本事業において設置した「神戸基礎学力向上委員会」との連携協力のもとに、調査活用協力校の実践研究により、「学校改善支援プラン」の推進に係る実践研究を進めることができた。実践研究の成果については、「神戸基礎学力向上委員会」での検証をもとに、全市校長研修会や教科別研修会、研究成果報告会、パンフレット・事例集の発行などにより、全市小中学校への普及啓発を行った。
各小中学校においては、これらの指針のもとに、20年度全国学力・学習状況調査結果の分析に基づく「検証改善計画書」を作成し、学校だより等で保護者に発信した。
「神戸基礎学力向上推進委員会」において「学校改善支援プラン」における実践研究の方向性や取組について助言を得るとともに、20年度全国学力・学習状況調査結果等の分析や検証改善策の検討を行った。また、「学校改善支援プラン(神戸基礎学力向上推進プラン)」に基づいた、1.授業の改善、2.教材の作成と活用、3.家庭学習支援に関して、以下の取組を実施した。
1.授業の改善:
全小中学校において、全国学力・学習状況調査結果等の客観的な実態把握に基づくPDCAサイクルを活用した授業改善の取組に広がりが見られた。
2.教材の作成と活用:
市教委独自開発教材として、読解力育成用教材「ことばひろがるよみときブック」(小学校3,4年用)の配布、活用を開始。昨年度開発の5,6年用教材とともに、教材を活用した授業改善が進んだ。また、小学校社会科での資料活用力を高めるための教師用指導書「資料活用マスターブック」、小学校理科の実験・観察能力の向上のための「実験・観察アシストカード」の開発を行った。(21年度より活用開始)
3.家庭学習支援:
小中学校での家庭学習習慣や読書習慣、基本的生活習慣の定着のためのリーフレット「学習のすすめ」(小学校低中高学年、中学生用)を作成し、全小中学校保護者に配布した。各校の実態に応じた「学習の手引き」等を発行する学校やリーフレットをもとに望ましい家庭学習のあり方について、保護者に啓発する学校が増えている。
調査活用協力校では、本市の「学校改善支援プラン」に基づく研究テーマを設定し、授業改善プランを各研究会等で発信した。市教委は、成果報告会等での実践発表や事例集で全市に発信した。
調査結果と今後の指導方法の工夫・改善方策について、リーフレット「神戸の子どもたちに確かな学力を(20年度全国学力・学習状況調査結果)」を作成し、全小中学校に配布するとともに、全市校長研修会や教科別研修会で周知・普及を図った。特に教科別研修会では、国研学力調査官等を招き、調査結果の分析、指導方法の改善方策について共通理解を図った。
区内での研究発表会(11~2月)や全市研究成果報告会を開催し、研究成果等を発表した。また調査活用協力校を含む小中学校の効果的な取組を実践事例集「分かる授業ハンドブック」にまとめ、学力向上に向けた授業改善モデルを多数紹介する等、研究成果を広く発信した。
■学習指導基準「神戸スタンダード」の策定
〇国の学習指導要領の改訂を受け、神戸らしい、特色ある充実した教育を進めるための学習指導基準「神戸スタンダード」を策定する。策定に向けては、学識経験者・保護者を含めた「神戸スタンダード策定委員会」を設置、3つの作業部会を設ける。
■各学校では、「分かる授業の推進」をさらに充実させるために、自校の調査結果を踏まえた「改善プラン」を策定し、特に課題のある教科・領域を中心にPDCAサイクルに基づいて指導の改善を図る。
■上記の取組を含め、1.授業の改善、2.教えるプロの育成、3.授業での新しい教材の活用、4.家庭学習支援・地域力の活用を4つの柱とする「分かる授業推進プラン」を着実に推進する。
■授業の改善
〇学力面での課題解決を図るための意欲的な実践活動を推進する42校を「学びの基礎力向上推進校」に指定、基礎学力向上に取り組む。
〇学力や生活習慣の向上などに先導的な取組を行う学校園を「神戸パイロットスクール」として15校園を指定、実践研究を進める。
〇授業改善等の効果的な事例を「分かる授業ハンドブック」や各種の報告会等により全市に発信する。
■知識・技能の確実な習得
〇「読み・書き・計算」を徹底する。
〇神戸市作成の教材を活用した反復学習(スパイラル学習)を推進する。
■活用する力の向上
〇国語科だけでなく全教科で「読んで考えて書く」指導を徹底する。
〇小学校社会科でのグラフ・図・表などを読みとる力をつけるための教師用指導資料「資料活用マスターブック」や小学校理科での実験・観察能力を高めるための「実験・観察アシストカード」を作成・配布する。
〇神戸市で作成した小学校読解力育成教材「ことばひろがるよみときブック」の活用を進める。
■生活習慣・学習習慣の改善
〇「学習のてびき」を発行する小中学校を拡大する。
〇小学校高学年用「学習のてびき」モデル案を作成・配布する。
〇家庭と連携して生活・学習習慣を改善する。
■小中連携・校種間連携の推進
〇「小中連携モデル地区」として11地区を指定、小中連携教育のモデル実践を進める。
■読書活動の充実
〇全小学校で「本とのふれ合い推進事業」を実施。読書活動重点推進校の効果的な取組をまとめる。
■学習規律のいっそうの確立
〇学習や学校生活の基盤となる学級の安定、学習規律の確立に向けての学級・学年経営を充実させる。
本校は、神戸市北部の自然に囲まれた農村地域にある、1年生28名、2年生30名、3年生30名の全校生88名の小規模校である。
地域には、養護施設など5か所の福祉施設があり、全校生のうち19%の生徒が養護施設から通学しているなど、細やかな配慮や特別な支援を必要とする生徒も数多い。小規模校独特の、互いを知り尽くした仲間であるが故の長所・短所はあるが、校訓「考えよやさしくて強くあれ」を基に、自ら考える力や思いやりの心を伸ばし、力強く生き抜いていける力を身に付けさせるべく、教育活動に取り組んでいる。
本調査活用協力校として実践研究を進めるとともに、神戸市が行う「分かる授業」の推進拠点校として平成18年度から3年間の指定をうけ、研究を進めてきた。「小規模校における学力アップを目指した効率的な指導法の研究」を課題に、「各教科における読解力の向上」「基本的な生活習慣の確立‐家庭学習の定着」を実践研究テーマにして取り組んでいる。
全国学力・学習状況調査の結果から、様々な課題が明らかになった。
国語:A問題は概ね良好であるが、言語事項の理解、特に漢字の読み書きや語句の適切な活用に課題がある。B問題では、読むこと領域に大きな課題がみられた。
数学:A問題・B問題ともに課題がある。正答分布をみる分散が大きく、問題文を読み取る力やグラフの意味を読み取る力に大きな課題がみられた。
質問紙調査:1.朝食を食べること 2.睡眠時間 3.テレビの視聴時間 4.学習時間 5.学校生活での楽しみ などの項目に、特徴的な課題がみられた。
また、本校独自に行っている「学習に対する意識・生活実態調査」や「標準学力検査(CRT)」の結果からも、同様の結果が明らかになった。特に、成績分布が台形または三こぶ型で、学力格差がどの学年においても大きいこと、家庭学習の習慣が十分に身に付いていないことなどが明らかになった。
そこで、すべての教科で「読んで考えて書き伝える」ことを意識した授業の創造による読解力の向上、および基礎学力の向上をめざした。また本校の環境から考え、学力の定着に欠かすことができない「基本的な生活習慣の確立」もめざしていった。
平成18年度より、兵庫教育大学大学院米田豊教授の指導を仰ぎ、PISA型読解力の解説、各教科での読解力の捉え方、授業評価、指導案の作成等についての研修、生徒の生活実態調査等からスタートした。さらに授業改善に向けて、校内研究授業週間の実施、公開研究発表会、「学習の手引き」の作成などを行った。
◆調査活動
1.全国学力・学習状況調査の実施
2.全学年標準学力検査(CRT)の実施
3.学習に対する意識・生活実態調査の実施
◆授業改善・学力向上の取組
1.数英技美における少人数授業の実施
2.パソコンの活用
デジタルコンテンツなど視聴覚教材の活用が進み、今年度はプロジェクター教室を設置、情報機器や視聴覚機器を活用し、生徒の理解を助ける授業が多く行われた。
3.朝の学習・朝の読書の実施
4.夏休み学習会全学年実施
夏季休業中の学習会を全学年・全職員による取組とした。前期(7月下旬5日間)と後期(8月下旬4日間)の期間に実施した。
5.「学習の手引き」の作成
授業の受け方やノートのとり方、家庭学習、テストへの取り組みなどを内容とする冊子を作成、全学年生徒へ配布・説明した。
6.家庭学習プリント
市教委作成教材や市販教材を活用、家庭学習の充実を図った。(3年:5教科、1・2年:3教科)
◆職員研修
1.校内授業研究週間の実施
全員授業公開とするとともに、授業評価シートを活用、授業改善に役立てた。また生徒にもアンケートをとり、グラフ化して改善の参考資料とした。
2.夏季職員研修
全教員が「授業における読解力向上のための工夫」に関するレポートを作成、報告を行うとともに、個人目標レポート「分かる授業推進に向けての具体的な取組」についても意見を交換した。
3.幼小中連携合同研修会
学力調査や生活調査の結果について中学校における生徒の実態や取組を伝え、情報を共有していった。
4.大学からの支援
兵庫教育大院米田豊教授を招き、「新学習指導要領における言語力の育成」を題材に講演、研究発表会においても指導をいただいた。
5.研究発表会
11月20日に全学級公開の研究発表会を開催、多数を招いて研究の成果を発表するとともに課題等について討議した。
これらの取組によって、着実に成果があらわれつつあるといえる。学習に対する意識・生活実態調査の経年比較においては、次のような伸びがみられた。
【勉強が好きですか】(%)
18年 | 19年 | 20年 | |
1年 | 33 | 58 | 60 |
2年 | 19 | 29 | 56 |
3年 | 9 | 16 | 19 |
全学年 | 19 | 33 | 45 |
(4段階評価:「そう思う」「どちらかいえばそう思う」の合計)
【勉強がどの程度分かりますか】(%)
18年 | 19年 | 20年 | |
1年 | 82 | 96 | 96 |
2年 | 88 | 75 | 84 |
3年 | 73 | 87 | 70 |
全学年 | 80 | 86 | 83 |
(4段階評価:「よく分かる」「だいたい分かる」の合計)
標準学力検査においても、平成20年度3年生の経年変化を見ると、全国平均との差において1年次からの伸びを見ると、国語で2.5ポイント程度,数学で4.3ポイント程度の学力の伸びが見られた。
生活実態調査においても、平成20年度3年生の2年次との比較においては、改善の傾向が見られた。例えば、平日の帰宅後の生活のうち、学習時間として使用した時間は、家庭学習・読書時間ともに増加しており、総時間の平均も、2年次71.0分から3年次91.5分と約20分増加していた。
これら生徒の変化とともに、教員の授業技術向上への意欲が高まり、教材や資料の活用に従来より工夫がみられ、「分かる授業」が創造されるようになってきたことも大きな成果であった。
上述の成果を来年度以降にも十分に生かしていかなければならない。特に取組の中で明らかになってきた「学力格差」の問題については、最重要課題として取り組んでいく。家庭復帰の難しい養護施設からの通学生徒にとって、公立高校への進学は切実な目標である。確実な学力を身に付けさせることは、本校の何よりの目標である。学力定着のための支援・指導をより充実させていくこととともに、望ましい生活習慣を一層身に付けさせていく必要がある。
さらに、少人数授業やチームティーチングにおける指導の工夫や学力に合わせた家庭学習プリントの作成なども今後の課題として検討している。「学習の手引き」のより一層の活用を図っていくことにより、自主的な学習の態度を育成し、学校のみならず家庭においても主体的に学び続ける姿を求めていきたい。
本校は、六甲山地を削り開発された須磨ニュータウンの中にある。20年度に開校30周年を迎えた、児童数286人、職員数29人の学校である。
本調査活用協力校として実践研究を進めるとともに、神戸市が行う「分かる授業」の推進拠点校として平成18年度から3年間の指定をうけ、研究を進めてきた。「分かる授業と学力づくり~授業を通した国語力の育成・読書習慣の定着~」を課題とし、「伝え合うことで分かり合う授業をめざして」を実践研究テーマにして取り組んでいった。
全国学力・学習状況調査の結果からは、日頃の継続的な教育活動の成果が表れ、全体的に良好な結果が示された。しかし、細かな分析の中から「言語知識に比べ読解力に課題がある。また読解力の個人差が大きい」ということが明らかになるとともに、テレビやゲームなどに費やす時間の長さに対し、家庭学習や読書の時間が短いなどの姿が見えてきた。本校独自で行ってきた生活実態調査からも、同様の結果が明らかになった。
そこで、実践研究を進める体制づくりとして、1.学力調査グループ2.学習意識調査グループ3.生活実態調査グループ4.子どもによる授業評価グループの4つのプロジェクトチームを立ち上げ、児童の実態をより細かく把握していった。当初の調査では、〇発表すること、表現することに苦手意識をもっている児童が多い〇読書時間・読書量が非常に少ない〇学年が上がるにつれて「好き」(意欲)が減っていくなどの傾向が明らかになった。そこで研究の方向として1.分かる授業の推進2.読書習慣の定着3.基礎・基本の定着を挙げ、4つのグループの調査を分析・検証するとともに、改善につなげていった。
研究を推進していくにあたり、平成18年度より兵庫県立大学藤原顕教授の指導をうけ、研究の方向を明確化していくとともに、教師の授業力を高めることに取り組んでいった。「伝え合うことで分かり合う授業」をめざす中で、全クラスが授業を公開し、事後研修に取り組んでいった。実践事例の共有化を図り、効果的だったと思われる事例を出し合う研修を行ったり、「子どもによる授業評価シート」を活用し、児童の立場に立って授業を振り返ったりすることも採り入れ、積極的に授業改善を図っていった。
自校調査では、家庭での読書時間が少ないことが課題として挙げられていた。読書量を増やすため、朝の10分間を「おはよう読書」の時間と位置づけ、年間を通して行った。また、学校とPTAが連携し「テレビを消して家読10分」というスローガンを掲げ、家でも読書をする習慣をつける取組を呼びかけ継続していった。また家での読書記録を「読書カレンダー」につけるようにしていった。
図書委員会の活動として「目指せ1万冊」という読書活動推進運動を推進し、貸し出し件数の伸びを図っていった。また、学校図書室を魅力的な場所にするために、授業で行う教材に関連した本をまとめたコーナーをつくったり、保護者から図書ボランティアを募り、図書室の充実を図っていったりすることにも取り組んだ。
学力向上のためには、基礎・基本の確実な定着が必須である。その一つの手立てとして、「金曜プリント」を実施した。一週間に学習した国語の漢字と算数の計算問題をプリントにして、毎週金曜日の5校時に継続的に実施するものである。新学習システムの教師が中心となって、プリントの採点と分析を行い、しっかりと定着していない部分を、次回に復習したり授業の中で取り入れたりして、基礎・基本の定着を進めていった。
言語事項、読解ともに個人差が大きく、特に言語事項が定着しにくい児童は読解も困難であるという傾向が見られた。一方、自己の考えを文に表す活動を日頃から授業に取り入れてきたことで、記述問題の結果は良好で、無答率も少なくなった。
次表は6年児童についての経年変化である。日頃の児童の姿から、学習が大切と考え、努力しようとする意識は強い。しかし、学年が上がるにつれ、自分に対するハードルも上がっていくので、数字からだけでは明確な成果が表れにくい。
【国語:学習意識調査】(%)
4年 | 5年 | 6年 | |
国語の勉強は好きですか | 73 | 70 | 49 |
発表しますか | 75 | 77 | 78 |
作文は好きですか | 75 | 93 | 53 |
漢字の学習は好きですか | 77 | 84 | 89 |
文法の学習は好きですか | 68 | 60 | 53 |
(4段階評価:「はい」「どちらかといえばはい」の合計)
睡眠、朝食、テレビ・ゲーム、読書、家庭学習の事項について調査を行った。家庭と連携した「目指せ1万冊」指導によって、読書量に大きな伸びが見られた。結果、貸し出し件数が年々増加していった。
(1万冊達成時期18年度:2月19年度:12月末20年度:11月)
児童が授業を「分かる」「楽しい」と感じるためには、教師自身が授業を振り返り改善することが大切である。そのための材料にするため、児童による授業評価を行った。児童の思いをとらえながら授業を構築していくことは、「指導と評価の一体化」を念頭に入れた重要な取組である。
【6年「やまなし」学習アンケート】(%)
授業は楽しかったですか | 95 |
授業はよく分かりましたか | 95 |
先生は分かりやすく説明してくれましたか | 100 |
先生は授業の中でがんばったことを認める 言葉がけをあなたにしてくれましたか | 100 |
分からなかったことや疑問に思ったことを 質問できましたか | 68 |
友だちと話し合って、自分の意見を 深めることができましたか | 91 |
(4段階評価:「とてもよい」「よい」の合計)
本校は、国語力を育成することが、児童のあらゆる学習の基盤づくりになると考え実践を進めてきた。その中で様々な成果があがってきた一方で、新たな課題も明らかになってきた。
生活と学習とは深い関係がある。テレビ視聴やゲーム時間を減らして、読書時間を確保したことは大きな成果であった。規則正しい生活リズムは、健全なくらしの基本であるが、就寝時刻の遅さを解消していくことは、これからの大きな課題である。保護者と連携することにより改善していきたい。
言語事項と読解力には強いつながりがある。さらに学力を高めるためには、言語事項に関する基本的な力を確かなものにし、長文や資料を読み取る力を養っていく必要がある。しかし、国語力は国語の授業のみで高めていくものではない。あらゆる授業の中で言語活動を充実させていかなければならない。そのための手立てを体系化すること、また豊かな言語活動を通した伝え合い学び合う授業を実践的に創造していくことを大切にしていく。
これら取組を通して、子どもたちが学ぶ喜びに満ち、保護者や地域の方々から信頼され、結び合う学校づくりを進めていきたい。
初等中等教育局参事官付学力調査室
-- 登録:平成22年03月 --