全国学力・学習状況調査等を活用した学校改善の推進に係る実践研究成果報告書 はしがき

 平成21年4月、文部科学省では、小学校第6学年及び中学校第3学年の全児童生徒を対象に、全国規模の悉皆調査として第3回目にあたる、平成21年度全国学力・学習状況調査を実施しました。
 本調査は、1.国が、全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学力や学習状況をきめ細かく把握・分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ること、2.各教育委員会、学校等が、全国的な状況との関係において自らの教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図るとともに、そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立すること、3.各学校が、各児童生徒の学力や学習状況を把握し、児童生徒への教育指導や学習状況の改善等に役立てることを目的としています。

 これらの調査の目的を踏まえ、全国各地における全国学力・学習状況調査の結果を活用し、教育や教育施策等の改善につなげる取組を積極的に支援するとともに、その成果の普及展開を図るため、平成19年度事業として、「学力調査に結果に基づく検証改善サイクルの確立に向けた実践研究」(以下「検証改善サイクル事業」)を実施し、平成20年度は、「全国学力・学習状況調査等を活用した学校改善の推進に係る実践研究」(以下「学校改善推進事業」)を実施しました。
 この「学校改善推進事業」は、平成19年度事業の「検証改善サイクル事業」において、全国学力・学習状況調査の結果等の詳細な分析とその分析結果を踏まえた改善方策等の提言として作成された「学校改善支援プラン」等を踏まえ、学力や学習状況等に課題の見られる学校の改善に向けた具体的な取組に関する実践研究として実施しました。

 本報告書は、昨年度の検証改善サイクル事業成果報告書(平成20年6月)と同様に、各教育委員会・調査活用協力校等のご協力をいただき、これらの実践研究事業を概括し、実践研究の実施体制や、全国学力・学習状況調査の分析結果と多面的な分析・検証の工夫の状況、学校改善支援プランにおける改善に向けた提言の内容とその取り組み状況などについて掲載したものです。
 各教育委員会や学校等におかれては、本報告書を活用して多種多様な取組の状況を俯瞰する中から、今後の改善に向けた取組のヒントを得たり、自らの状況と類似する事例を見出し、お互いに情報を交換すること等により取組の一層の推進を図るなど、それぞれの教育や教育施策の改善に積極的につなげていただくことを期待しております。

 文部科学省としては、今後とも教育委員会、学校等における全国学力・学習状況調査の調査結果等を活用した改善に向けた取組を支援・推進していくこととしており、その一環として、平成21年度においては、全国学力・学習状況調査の結果等を活用・分析して明らかになった課題のうち、地域内の学校が共通に有しており、地域的に解決が求められている課題や、地域的な事情等から個々の学校のみでは解決が困難な課題等の改善を図るため、アクションプランに基づき、教育委員会、学校等が連携しながら地域として学校の教育活動等の改善に取り組む実践研究を「学力調査活用アクションプラン推進事業」として実施しております。

 最後に、本実践研究事業の実施に当たりご尽力、ご協力いただきました教育委員会、学校等の関係者の皆様に心から御礼申し上げます。

平成21年8月
 文部科学省初等中等教育局参事官
岩本健吾

お問合せ先

初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)

-- 登録:平成22年03月 --