札幌市検証改善委員会
札幌市においては、平成16年「札幌市教育推進計画」を策定し、札幌市の子どもたちに生涯にわたって生きていくための確かな学力や豊かな人間性をはぐくむことを目指しているところである。
その中においては、『学びの充実』を一つの柱と位置付け、札幌市独自で「札幌市学習実現状況調査」を実施して、子どもたちの学力等の状況を把握し、具体的な指導方法等の改善策を各学校に示してきた。
平成19年度、国により全国学力・学習状況調査が実施されることとなったことから、その調査に参加して結果等の分析を行った上で学校改善支援プランを作成し、これまでの改善策と併せて、指導方法等の改善を進め、札幌市の子どもたちの「生きる力」の一層の充実を図ることが重要であると考えた。
札幌市検証改善委員会は、北翔大学教授である西村光弘氏を委員長として、市内の小学校校長2名(国語1名、算数1名)、小学校教諭8名(国語4名、算数4名)、中学校校長2名(国語1名、数学1名)、中学校教諭(国語4名、数学4名)の計21名から構成される委員会であり、その他に、札幌市教育委員会の指導主事6名が事務局として参加した。
本委員会においては、目的に応じて、全体会と教科部会を随時開催し、検討を行った。
7月に第1回の検証改善委員会を開催し、事務局から本委員会の趣旨等について説明が行われた後、3月までに10回程度(教科により異なる)の委員会を開催し、調査結果の分析、札幌市の概要、実施報告書、学校改善支援プラン、家庭向けリーフレットをまとめた。
検証改善委員会では、本市の全国学力・学習状況調査の結果について、今回の学力に関する調査に関しては、全国と比べほぼ同程度であると考えられるが、一部教科や領域等においては、課題がみられたこと。また、質問紙調査においても、全国と同様の傾向ではあるが、一部設問について、指導方法等の充実が必要なことが明らかにされた。
これらを受けて、札幌市検証改善委員会としては、教育委員会、学校、家庭が連携をとり、それぞれの立場から、以下の3点をポイントとして、札幌市の学校改善に取り組むことが必要と考えた。
札幌市検証改善委員会において、本市の全国学力・学習状況調査の結果を分析し、教科に関して、概要を以下のようにまとめた。
また、児童生徒に対する質問紙調査では、全体的に全国とほぼ同様の傾向がみられたが、「家で学校の授業の予習をしていますか。」等の質問で、肯定的な回答をした児童生徒が全国平均を上回っている一方、「今住んでいる地域の行事に参加していますか。」等の質問では、下回っているなど、いくつかの点で課題が明らかになった。
3に述べた分析結果を受け、札幌市検証改善委員会として、教育委員会、学校、家庭が連携した取組が必要であると考え、以下の3点をポイントとしながら、それぞれに対して学校改善支援プランを示した。
【3つのポイント】
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札幌市としては、この学校改善支援プランを踏まえ、札幌市教育推進計画を着実に実行していくことで、札幌市の児童生徒が確実に「生きる力」を身に付けていくことができるよう努めていくことが、今まで以上に求められる。
学校改善支援プラン等については、平成20年度の教育課程の編成や指導方法の工夫改善に活用されるよう、平成20年3月、「実施報告書」「家庭向けリーフレット」とともに、各学校に配付した。
【学校改善支援プラン】 |
【実施報告書】 |
【家庭向けリーフレット】 |
また、4月には、市立小中学校すべての校長を集めた説明会を開催し、学校改善支援プラン等の趣旨について、理解を深めるとともに、各学校において具体的な取組を進めるよう働きかけたところである。
学校改善支援プランを受けた具体的な取組として、現在、予定しているのは、以下のものである。
今後、これらの取組を積極的に進めるとともに、学校改善を進めるための具体的な施策を検討し、順次実行に移していく予定である。
先に述べたように、札幌市としては、これまで、独自で「札幌市学習実現状況調査」を実施し、児童生徒の確かな学力や豊かな心など「生きる力」の育成に取り組んできた。
全国学力・学習状況調査については、本調査により測定できるのは学力の特定の一部分であり、学校における教育活動の一側面であることに留意しながら、本市としての課題については、真摯に受け止め、本市の独自調査の分析と併せて、各学校における教育課程や指導方法の工夫改善に役立てていくことが必要であると考えている。
「札幌市の学力調査の結果の概要」
(※札幌市教育委員会ホームページへリンク)
-- 登録:平成21年以前 --