前期採択課題の取組の概要

名称 代表者職名 代表者氏名 事業概要
福島県検証改善委員会 福島大学特任教授 宮前 貢

1.実施内容

  • 1学力調査結果の詳細な分析と優れた実践をしている教師への聞き取り調査
    • 全国学力・学習状況調査の問題と結果の分析やこれまで実施してきた「福島県学力調査」結果との比較等により、より詳細な分析を行い課題を明確にする。
    • 優れた実践をしている教師の授業観について聞き取り調査を行い、本県の教師の「授業観」の振り返りの指針となるようにする。
  • 2データ分析支援ソフトの開発
    • 各学校、各学級毎の実態や課題を把握できるようにするためにデータ分析支援ソフトを開発し、各小・中学校に配付する。
  • 3県版「活用力向上のための指導資料」の作成
    • 「知識」と「活用」問題の関連を視野に入れた日々の授業改善に生かすことのできる具体的な指導資料を開発する。
  • 4「知識」の習得と「活用」との学びの関連を図った「提案授業・授業研究会」の各学校への同時配信
    • 小・中学校の教師や大学教授等様々な立場の授業者が「提案授業・授業研究会」(5校予定)を行う。その映像を県内の小・中学校にWeb配信するとともに、DVDに収録して配付し、各学校の校内研修での具体的な授業改善の協議の活性化を促す。
  • 5「授業改善サポートブック」の開発
    • 学力調査の分析及び開発した教材・資料等を「授業改善サポートブック」としてまとめ、県内の小中学校教師全員に配付し、校内研修での活用を促す。

2.成果の普及

  • 1県内7つの教育事務所毎に各市町村教育委員会、小・中学校が参加する「授業改善検討会」を開催し、上記1-134の成果を踏まえ、子どもの学びの質的向上に関する取組みを普及したり、共に考えたりする機会を持ち、各学校における日常的な授業改善サイクルの確立を目指す。
  • 2学力調査分析等を踏まえた県版「学びのすすめ」を児童生徒全員に配付する。また、学校での学力向上に関する取組みを伝えるリーフレットの保護者への配付、県民だよりやホームページでの広報を行う。これにより,共に子どもをはぐくんでいこうとする意識の高揚を図り、本県の取組み、各学校の努力について広く理解を得るようにする。
  • 3保護者、地域の方々も参加できる「授業フォーラム」(2か所予定)を開催し、本事業の成果を他教科、各校、各地域に広げるようにする。また、学校や地域のPTAの学習会に検証改善委員会委員を派遣し(4か所予定)、保護者と共に学力向上について考える機会を持つ。
富山県検証改善委員会 富山県教育委員会
教育参事・小中学校課長
氷見 哲正

1.学力調査結果に基づく分析

  • 1「学び合い」と学力との相関についての分析
    • 学校や学級の人間関係の満足度と学力の定着の状況等について分析し、具体的な改善支援策に生かす。
  • 2「体験」と学力との相関についての分析
    • 体験の頻度と学力の定着の状況等について分析し、具体的な改善支援策に生かす。
  • 3各学校、各地域の分析への支援
    • 検証改善委員会が独自に作成した学力調査結果の分析支援ソフトを各市町村教育委員会や各学校に配付し、詳細な課題の分析を行い、指導法等の改善を推進する。

2.「とやま型学力向上プログラム」の創造と発展

  • 1課題別指導ヒント集「授業改善のためのかくし味」(学び合い編)による改善
    • 学び合う学習活動によって指導の成果が認められた実践事例を収集し、授業改善の手がかりを学力調査によって明らかになった課題について調査研究する。それをまとめ課題別ヒント集として全学級に配付し、児童生徒相互が教え合い、認め合い、支え合う学習活動の推進を図る。
  • 2指導教材「美しいことばで伝え合おう」(話し合いDVD・音読CD)による改善
    • 意見発表の仕方の指導や友達の考えの聞き方の指導について、優れた成果がみられる学校を取材して、学び合う人間関係を醸成する学習指導の在り方を研究する。それをまとめて、コミュニケーション能力の向上を目指した指導教材として各学校に配付し、自分の考えを伝え合う学習活動の推進を図る。
  • 3課題別指導ヒント集「授業改善のためのかくし味」(体験編)による改善
    • 体験を通して知識・技能等を活用する力を伸ばす実践事例についても調査研究する。それらをまとめて、課題別ヒント集として全学級に配付し、知識・技能等の習得と体験での活用の効果的な関連付けを目指す指導の推進を図る。
  • 4指導教材「豊かな体験パワーアップシート」による改善
    • 学力・学習状況調査結果の分析から、体験と教科等での学習の関連を深めたり、体験の価値を高めたりする学習シートを指導教材として各学校に配付し、課題に応じて授業等での活用を推進し、知識・技能等を活用する力の育成を図る。
静岡県検証改善委員会 静岡県教育委員会
事務局参事兼義務教育課長
風間 忠純

1.実施内容

  • 1データ分析支援ソフトを研究開発し、CD-ROMとして市町教育委員会、学校に配付する。
    • 国から提供された自校(市町)の結果を入力すれば、県独自の項目で全国的な状況や県全体の状況との比較が容易にでき、自らの調査結果の把握が早く、わかりやすくなる。
    • 調査結果がグラフ等でビジュアルに示され、必要に応じた説明資料としても活用できる。
  • 2「データ分析支援ソフト活用マニュアル本」の作成
    • 「データ分析支援ソフト」を活用するためのわかりやすいマニュアルを作成し、市町教育委員会、学校に配付する。
  • 3「データ分析支援ソフト」の活用方法、データの見方についての講習会開催
    • 各教育事務所別に「ソフトの活用」と「結果の解釈」のための講習会を開催し、担当者を講師として派遣する。
    • 希望のある地域・学校等に対し可能な範囲で担当者を派遣したり、業者による電話・メールサポートをする。

2.成果の普及

  • 1「データ分析支援ソフト」等を活用し明らかになった各学校の課題に対する改善のための支援として、県内外の先進的な取組や効果的な実践事例を調査し、「学校改善支援サイト」としてネットワーク上で情報発信する。
京都府検証改善委員会 京都府
学校教育課長
桐村 幸雄

 教育系・教員養成系の学部を有する三つの大学から学識経験者の参画を得て、調査に基づく研究と実践を一体的に捉えた活動を展開し、各学校や市町村教育委員会等が今後行うべき取組を、明確にイメージできるよう具体的なメッセージを発信する。

1.委員会、小委員会(作業部会)による取組

  • 学力の指標づくりについて検討しまとめていく。
  • 活用型問題に係る学習指導と評価について検討し冊子にまとめフォーラムで提言する。
  • 成果を上げている学校からのヒアリングや現地取材を行いその成果の普及に努める。
  • 学力と生活習慣に係る分析資料について検討し冊子にまとめフォーラムで提言する。

2.地域検証改善委員会等への再委託

府内各地域における結果等に基づいた取組について、「地域検証改善委員会」を設け、京の学力向上検討委員会(京都府検証改善委員会)と連携して事業を推進する。

  • 1山城学力向上検討委員会(山城地方)
    • 学力向上プラン集及びパンフレットの作成
  • 2南丹学力向上検討委員会(南丹地方)
    • 学力向上フォーラムの開催、授業改善ハンドブックの作成
  • 3未来につながる学力充実会議(中丹地方)
    • 指導資料の発行、研究会の実施
  • 4丹後地域検証改善委員会(丹後地方)
    • 授業改善指導資料の発行、学力の育成に係る懇談会開催

3.検証改善サイクルの普及

  • 1京の学力向上フォーラムの開催(北部会場・中部会場・南部会場、各200名程度の参加を予定)
  • 2学校改善支援促進事業冊子の発行(全教員配付のリーフレットと各学校配付の冊子を予定)
岡山県検証改善委員会 岡山大学
教育学部教授
森 熊男

1.実施内容

  • (1)学校が,授業改善に主体的に取り組むために
    • 1学力・学習状況調査中間報告の作成と説明会(県下4地区)の実施
    • 2学校の授業改善プラン及び市町村の学校改善支援プランの取りまとめ
      • 県内児童生徒の学力の課題と授業改善のポイント,実践例を掲載した中間報告を作成し,県下4地区で教科指導推進部会の委員が説明する。
  • (2)県や市町村が,学校支援を展開するために
    • 1大学教官や指導主事による継続的なモデル校(県下3校)の公募
    • 2モデル校を拠点とした研究会の開催
      • 優れた授業改善プランを作成している学校の取組を重点的に支援し,その成果を研究会で報告するとともに,教科指導の改善充実に向けて協議する。
  • (3)家庭が,家庭の在り方や家庭学習に対する認識を深めるために
    • 1家庭向けリーフレットの作成・配付(対象学年全家庭)
    • 2自学自習を支援する教材の配付(県下小中全校)
  • (4)県民が,家庭・地域で確かな学力を育てる気運を高めるために
    • 1学力向上健やかフォーラム2008inおかやまの開催(500名参加予定)

2.成果の普及

  • (1)学力・学習状況調査中間報告を全教員に配付するとともに,県下4ブロックで説明会を実施する。
  • (2)優れた授業改善プランに取り組む学校を拠点に研究会を開催し,その成果を基に研究協議を行う。
広島県検証改善委員会 広島大学大学院
教育学研究科教授
角屋 重樹

1.実施内容

  • (1)専門部会の設置・運営
     行政関係者,学校教育関係者,学識経験者から構成される検証改善委員会専門部会を設置し,学力調査の結果等を分析,考察し,指導内容及び指導方法の開発を行う。
    • 1全国学力・学習状況調査と「基礎・基本」定着状況調査の結果に基づいた比較分析
    • 2課題解決のための指導内容及び指導方法の開発
      (指導計画,指導案,教材等作成)
    • 3授業研究会開催(8回程度)
    • 4DVD,パンフレット及び冊子の作成
      思考力,表現力を育成する有効な指導方法を明らかにし,それを取り入れたエキスパート教員等のモデル授業を収録したDVD,パンフレット,冊子を作成する。県内公立各小・中学校(小・中学部)へ配付する。
  • (2)学力向上のための実践交流会における研究発表
    • 1全国学力・学習状況調査結果の分析についての発表
    • 2DVD及びパンフレットの配付による学力向上の取組み等の情報発信

2.成果の普及

  • (1)DVD,リーフレット及び冊子を全県へ配付
  • (2)学力向上のための実践交流会の開催
    • 研究発表,対談,児童生徒による意見発表,演習等
      〔開催時期〕1月12日,〔参集範囲〕県内教員,県内教育関係者,保護者(午後)〔参集予定人員〕1,200人程度
香川県検証改善委員会 香川大学
教育学部長
新見 治

1.調査結果を踏まえた指導方法の検証・改善を図る取組の促進

  • 1市町教育委員会や学校の個々の実情に応じて具体的な指導方法の検証・改善を図るサイクルを構築し、教員の指導力の向上を図る。
    • 全国学力・学習状況調査等の結果を踏まえ、市町教育委員会や学校が行う、児童生徒の学力学習意欲・生活習慣の状況や課題等の把握・分析、明らかとなった課題に対する改善策についての検討、具体的な改善に向けた取組に対し、市町教育委員会の要請に応じて、大学教員や指導主事を市町教育委員会に派遣する。
      必要に応じて学校訪問も行う。
  • 2市町教育委員会及び学校における継続的な検証改善サイクルの確立に寄与する。
    • 各学校における児童生徒一人一人の改善につなげられるよう、派遣を通して得られた成果や効果的な取組を、県内全ての市町教育委員会及び学校に普及する。

2.「考える力」や「読む力」の育成を図るための指導方法の研究

主として、「活用」に関する問題の分析を踏まえ、知識・技能を活用し考える過程を重視した指導法を研究する。

  • 観察・実験、調査など実生活と関連付けた指導の在り方、様々な文章や資料を読んで、自分の意見を述べたり書いたりする指導の在り方など、知識や技能を活用する力の育成を図る教材を、国語、算数・数学、理科、社会の各教科毎に、小中学校で各1教材作成する。
  • 指導法の改善に役立てる評価問題を、国調査や県調査の対象教科となっていない社会科の小学校第6学年と中学校第3学年用で作成する。

3.家庭学習の支援の在り方の研究

児童生徒に家庭学習・基本的な生活習慣の改善を図るために、各学校の取組から効果をあげている児童生徒向け「学習の手引き」や保護者向け「学校だより」などの啓発資料を収集し提供する。

4.教育課程のPDCAサイクルの確立の支援

  • 1市町教育委員会や各学校において、提供されたデータを効果的に活用できるよう、データの加工やグラフ作成等を支援するプログラムを開発する。
  • 2プログラムの活用方法や、調査結果等の分析に基づく改善計画等の作成に関する研修会を開催する。
福岡県検証改善委員会 福岡県教育委員会
義務教育課主幹指導主事
家宇治 正幸

1.福岡県学力向上パワーアップ事業実施内容

学力向上を図る主体的な事業運営として、課題に応じた次の四つの事業を、学校が選択・実施できるようにする。

  • 1小学校における専門的、組織的指導の充実を図るため、市町村教育委員会と協力し、小学校低・中学年の少人数指導、高学年の専科指導員の派遣する事業。
  • 2国語科、算数・数学科における読解力、表現力、思考力に特化して、各学校の学習指導の充実を図るため、市町村教育委員会と協力し、各学校のリーダーとなるべき教員へ指導技術等を提供する研修会を開催する事業。
  • 3学力に関して課題をもつ市町村教育委員会に対して、授業での補充的な学習や発展的な学習など、市町村教育委員会と協力し、きめ細かな指導のための支援を行うためのサポート指導員を派遣する事業。
  • 4児童生徒の学ぶ意欲や学習習慣の定着、進路意識の向上、生活習慣の改善等を図るために、児童生徒を対象にし、大学生、保護者等を活用した土曜日セミナー等を開催する。

2.成果普及の方法

  • 1各学校、市町村教育委員会での教育施策に役立てられるように、各事業の成果を取りまとめ、冊子として配付する。
  • 2成果の普及を広めるために、各地区での教職員研修会や校長・教頭研修会、教科等研修会でその冊子を活用する。
仙台市検証改善委員会 宮城教育大学学長 高橋 孝助

1.実施内容

  • 1教科指導のエキスパートを、課題のある学校へ長期的に派遣
    • 全国学力・学習状況調査と仙台市標準学力検査の結果とその分析により、教科指導に課題がある学校に教科指導のエキスパート(有識者:退職校長や大学退官者など)を長期的に派遣し、教員の指導改善のための支援と助言を行う。
  • 2全国学力・学習状況調査と仙台市標準学力検査の分析結果に基づく教材開発
    • これらの分析結果に基づき学習ドリル教材と学習ソフトを作成し、基礎基本の定着を目指すものだけでなく、思考力や判断力、表現力と知識活用能力の育成を図る教材を開発する。
  • 3学校診断カルテ&処方箋〔仮称〕を学校に提供
    • 学習方略や学習環境、友人や教員との関係性などからる調査紙を作成し、学力調査との相関に基づき学習意欲等を因子分析などの分析手法により分析することで、学習方法や指導法の効果的で的確な改善策を提供する。

2.成果の普及

  • 1全国学力・学習状況調査と仙台市標準学力検査の結果を踏まえた学校改善支援プランの実施状況の調査・分析とその成果等の検証と広報
    • 学力向上に関するフォーラムを開催し、全国学力・学習状況調査や仙台市の学力検査の結果について、著名な方による講演や討論会により、学校関係者のみならず保護者・市民等を含めた参加者に広報を図る。
    • 調査・分析とその成果等の検証に基づいて、近年の教育実践に有効な心理系の理論研究を研修する機会を設ける。
  • 2提案授業の公開
    • 検証改善委員である小・中学校の教員が、全国や本市の学力調査の分析結果等に基づいて提案授業を実施し、学力・学習改善等のための授業を市立学校の教員等に提供する。
  • 3学校の学力向上担当者会の開催
    • 学校は調査結果を分析して成果や課題、対策等にまとめ、この会を通じて情報交換を図り、より良い対策に改善することを目的として開催する。
新潟市検証改善委員会 新潟市教育委員会
学校支援課長
中山 真

1.実施内容

  • 1指導主事によるパイロット授業&大学教官等の講師招聘(「授業改善フォーラム」の開催)
    • 新潟市の喫緊の課題である「思考力・判断力・表現力」の向上をねらった学習指導案を検証改善委員会で提案・作成する。その学習指導案に沿って,指導主事がパイロット授業を実施する。(学校改善支援プラン作成等事業)
    • 「授業改善フォーラム」の際,中央から大学教官や先進校等の講師を招聘し,指導主事による国語・算数(数学)のパイロット授業について,大学教官等がコンサルテーションする場を設定する。授業参観及びコンサルテーションを基に,全小・中学校の研究主任等が自校の授業改善に生かせるようにする。
  • 2パイロット授業を基にした全小・中学校の公開授業&報告書の作成(公開授業報告書の作成)
    • 「授業改善フォーラム」で提案した国語・算数(数学)の学習指導案に沿って,全市一斉に全小・中学校で公開授業を行い,報告書を作成する。
  • 3「PISA型読解力向上」先進校視察
    • 横浜国立大学附属横浜中学校が「PISA型読解力向上」について先進的な取組をし,「読解力向上のための指導事例集」を作成している。教育実践総合センター及び横浜中学校を視察し,次年度予定している「新潟市版PISA型読解力向上ブックレット」作成の準備を進める。

2.成果の普及

  • 1「授業改善フォーラム」の際,参観者として,全小・中学校の研究主任等を参加させ,指導案のねらい,高める力について解説をし,共通理解を図る。
  • 2各小・中学校の公開授業の際,保護者のみならず広く地域住民にも呼び掛け,授業参観を促す。授業後,各学校で協議会を開催し,意見を出し合い,それらを報告書としてまとめ,次年度からの授業改善に生かすようにする。報告書の観点は,各学校の授業改善にどう生かすか指導案の優れている点・改善すべき点・今後の学習指導にどう生かすか等の観点から報告書を執筆することとする。
静岡市検証改善委員会 静岡市教育委員会
事務局学校教育課
主席指導主事
望月 和彦

1.学力調査の結果を踏まえて、検証改善のモデルとなる学校の分析・改善の手法及び内容の収集

  • 1静岡市教育委員会は、学力調査を活用した改善を推進するため、各学校に、検証改善のモデルとなる学校(改善支援対象校)を公募する。
    • 各学校は、静岡市検証改善委員会が提案する分析手法例(児童生徒による分析例、地域保護者による分析例、大学による分析例、校内における分析例)を参考に、必要に応じて応募する。これにより、各学校の組織を構築(校内検証改善委員会の設置)し、日常の教育活動とつなげた各校の分析・検証計画を整える。
  • 2静岡市検証改善委員会は、分析・改善の調査研究を行うため、「校内検証改善委員会の独自の分析手法が明確であること、学力調査の結果等を踏まえた課題が明確であること、学校の地域的な特徴のバランスをとること」を基準に改善支援対象校を小学校・中学校併せて13校を選定する。これにより、分析手法例、改善対象校の課題を把握する。
  • 3静岡市検証改善委員会は、事業を周知し人材を活用するともに具体的な支援を実施するため、市広報誌を利用し、「学力向上チームスタッフ」として専任指導員(原則として、教員免許を有する者)を登録公募し、40人程度を任用し研修を実施する。これにより指導の向上を図り、人的側面の支援を充実させる。
  • 4静岡市検証改善委員会は、改善支援対象校の課題に応じた改善を充実させるため、専任指導員を派遣するとともに、指導主事による指導助言を実施する。専任指導員は、家庭学習支援(2校)、放課後学習支援(9校)、少人数指導支援(5校)、在宅学習支援(1校)、合宿支援(2校)、体力向上支援(1校)、読書力向上支援(1校)を実施する。これにより、効果の見られる改善事例の収集に努める。

2.調査研究成果の普及・展開方策

  • 1静岡市検証改善委員会は、学校における学力調査の分析手法、課題、改善手法の成果と課題を明確にするため、報告会を開催し検証改善対象校が互いに事業を評価する。
  • 2改善支援対象校における調査研究成果を全校に普及させるため、学校改善支援プラン(改善事例集)を冊子として作成し、行政関係者、学校関係者及び全教職員等に配付する。これにより、次年度、各学校の学力調査の活用を推進する。特に、教育委員会が実施する教育課程ヒアリングにおいて教育課程への確かな反映を確認するとともに、学校訪問時の年間計画、実際の授業改善を見届ける。
  • 3次年度、効果が見られた改善事例を学校評価システムをはじめとする他の事業との相乗効果を図りながら実施することを検討する。
京都市検証改善委員会 兵庫教育大学
特任教授
小寺 正一

1.実施内容

  • 1学力向上フォローアップシステムの構築
    • 「教育指導計画」「学力向上プラン」の内容や「全国学力・学習状況調査」「学力定着調査」「学習確認プログラム」などの分析をもとにした「学校経営目標・支援シート」を学校毎に作成し,よりきめ細やかな分析と必要な支援内容を学校と教育委員会が共有・共通認識し,総体として取り組む「学力向上フォローアップシステム」を構築する。
  • 2学校支援策の成果分析・フィードバック
    • 「学力向上フォローアップシステム」による学校現状評価・分析をもとに,課題別・グループ別の学校支援(カリキュラムマネジメント,教科指導の改善,学習指導ボランティアの活用等)を講じるとともに,その成果を分析し,次年度以降の効果的な支援策の再構築につなげる。
  • 3新たな学習教材の開発
    • 「全国学力・学習状況調査」等の結果分析をもとに,新たな学習教材の開発も含めた義務教育9年間を繋ぐ基礎基本の定着に向けたシステムの構築を検討する。

2.成果の普及

  • 1課題別・グループ別に講じた学校支援策の成果について学校毎に分析・検証し,全小中学校を対象とした研修会等で報告する。
  • 2学校の特色を生かすことのできる取組について研究指定を行い,効果的な実践を報告書にまとめる。
  • 3家庭学習にも効果的な「学習確認プログラム」や新たに開発を進める学習教材などの保護者啓発パンフレットを作成し,保護者の自覚や協力を求めるなど,子どもたちの自学自習の環境を整える。
北九州市検証改善委員会 北九州市立中央図書館館長
(元北九州市教育委員会教育次長)
西岡 幸則

1.実施内容

  • 1学力調査の結果を踏まえて課題が見られる学校、地域の改善事例の収集・分析
    • 課題のある学校が策定した「学力向上プラン」の内容を精査し、必要に応じて指導主事が学校訪問し、指導・助言に当たる。学力向上の取組の効果を確認するために、観点別到達度学力検査を希望校に対して年度末に追加実施する。
  • 2学力向上のための教材及び指導の参考となる冊子の作成
    • 本市が独自に取り組んでいる「学びチャレンジプラン」の一層の充実を図り、各校の「学力向上プラン」を効果的に進めるために、教師の指導力を高め、授業改善につながる資料を作成し、各学校に配付する。
    • 学力向上検証改善委員会の「学校改善支援プラン」の一環として、すべての小学校に低・中学年用の「学びチャレンジプログラム・日本語大好き音読暗唱ブック(仮称)」を配付し、朝の活動等を利用して、音読や暗唱など子どもの学力の基盤となる言語活動の充実に努める。
  • 3北九州市学力向上推進事業の充実
    • 学力向上推進事業における研究内容の充実のために、学力向上策の成果を挙げている先進地域や学校等に教員を派遣し、幅広く質の高い情報を得ることで、指定校の研究の厚みを増し、市立学校全体の質の向上に資する。
  • 4教科等教育推進の核となる拠点校づくり
    • 教科等教育における実践研究の推進と専門性の高い指導力のある教師の育成を図るために、本市小・中学校における教科等教育の研究拠点形成事業(学校大好きオンリーワン事業:10校)を推進する。このことで、各教科のセンター校として、実際の教育現場に直結した各教科等の具体的な学校改善支援プランを長期的な展望に立って進めていく。

2.成果の普及

  • 1具体的な課題解決のための方策を普及するための研修会の実施
    • 学力向上推進事業実践交流会の成果を周知するとともに、次年度に取り組む各学校の学力向上プランに生かすため講習会(参加予定人数:各校2名程度 計500名程度)を実施する。
  • 2学習習慣の定着のための家庭との連携
    • 保護者向けのリーフレット「家庭学習のススメ(第2集)」を作成し、生活習慣の改善について保護者への啓発を図ることで、教育委員会、学校、家庭が一体となって学力向上に努める。
福岡市検証改善委員会 福岡教育大学教授 小泉 令三

1.実施概要

 指定モデル校(8地域)において,「日々の授業改善」プログラム・家庭学習サポートプログラム・学校改善サポートプログラムの3つのプログラムからなる,福岡市「学び」総合プログラムによる,学校・地域(家庭)・行政との連携を一層強めた学力向上の取組についての実践研究を行い,その成果についての全市普及を図る。

2.実施内容(モデル校での実践研究)

  • 1「日々の授業改善プログラム(検証改善サイクルを位置付けた授業改善)
    • 「授業改善の手引き」等を作成(検証改善委員会)して,教材や指導法・指導体制の工夫についての実践研究に取り組む。
    • 採点等の授業に伴う事務処理を行う授業サポーターをモデル校に設置し,教員が授業改善に一層専念できるようにする。
    • 妥当性・信頼性のある定期テストや家庭学習とも連動した教材を導入して,検証改善サイクルを確立させる。
  • 2家庭学習サポートプログラム(宿題及び自学等の学習習慣を育む地域の支援体制づくり)
    • 学校の空き教室や公民館・集会所等に家庭学習サポート教室を設置して,家庭での習慣作りが困難な児童生徒に対して,家庭学習サポーターによる2段階(宿題を必ず仕上げる習慣づくりから自学力育成サポート)の学習支援をする。
  • 3学校改善サポートプログラム
    • モデル校で使用する教材及びテスト等を検討・選定するとともに,授業サポーター,家庭学習サポーターへの研修を行う。
    • 学校改善アドバイザーによる学校訪問(各地域2回)を実施して,実践研究の進捗状況の確認と指導助言を行う。
    • 家庭学習教材の提供と,家庭学習サポーターの地域への設置,支援体制確立のための研修会を開催する。
    • 実践研究の成果や課題を集約し,関係機関等を含め全市への啓発を図るための資料を作成する。

3.成果の普及

  • 1全市の報告会及び各区やブロックごとの実践公開研修を開催して,モデル校の実践研究成果の普及を図る。
  • 2モデル校で開発・使用した教材やテスト等を,モデル校外の学校にも無償提供して,実践研究成果を活用させる。
  • 3授業改善の手引きや支援体制づくり等のノウハウ等と各モデル校の実践事例をまとめた,PRパンフレットを作成し,学力向上への取組についての情報発信を行い,全市への普及を図るとともに,家庭や地域社会の理解と協力を得る。

-- 登録:平成21年以前 --