第2章 各教科 第1節 盲学校、聾(ろう)学校及び肢体不自由者又は病弱者を教育する養護学校 第3款 調律

第1 目標

 調律に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、調律の意義と役割を理解させるとともに、音楽文化の発展に寄与する能力と態度を育てる。

第2 各科目

[調律概論]

1 目標

 調律、整調及び楽器の構造に関する知識を習得させ、これを調律に応用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)調律法、整音法
 ア 音響に関する基礎理論
 イ 調律法に関する基礎理論
 ウ 整音法に関する基礎理論

(2)整調法、楽器修理法
 ア 整調法に関する基礎理論
 イ  楽器構造の基礎及び楽器修理法

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
 ア 指導に当たっては、ピアノを中心に取り扱い、実習を伴う科目との関連を図ること。
 イ 音響に関する基礎理論との関連に十分配慮して指導すること。

(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
 ア 内容の(2)のアについては、竪(たて)型ピアノ整調法と平型ピアノ整調法を扱うこと。イについては、鍵(けん)盤楽器を中心に楽器全般について扱うこと。

[調律実習]

1 目標

 調律に関する知識と技術を実験的、体験的かつ総合的に習得させ、調律を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内容

(1)校内実習
 ア 竪(たて)型ピアノ調律実習
 イ  平型ピアノ調律実習

(2)校外実習
 ア 竪(たて)型ピアノ調律実習
 イ 平型ピアノ調律実習

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
 ア 指導に当たっては、ピアノ調律に関する精度だけではなく、保持力や調律に要する適正時間についても理解できるようにすること。
 イ 内容の(1)については、アとイの相互の関連に留意して扱うこと。なお、アについては総合的な技術を習得できるようにし、イについては基本的な技術の習得に重点を置いて指導すること。

(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
 ア 内容の(1)については、竪(たて)型ピアノと平型ピアノを比較しながら、同音調律、割振調律、各音部調律、全体調律の順に、段階的に扱うこと。
 イ 内容の(2)については、楽器製造所等における見学や実習を通して、内容の(1)の知識と技術を総合的に習得できるように扱うこと。

[整調・修理実習]

1 目標

 打弦機構の動きと整調、楽器の修理に必要な知識と技術を習得させ、楽器の整調、修理を適切に行う基礎的な能力と態度を育てる。

2 内容

(1)整調実習
 ア 竪(たて)型ピアノ整調実習
 イ 平型ピアノ整調実習

(2)楽器修理
 ア 部分補修
 イ 分解修理

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
 ア 実践的な経験を積ませるために、校内実習のほかに、楽器製造所等における見学や実習を取り入れて指導すること。
 イ 指導に当たっては、特に楽器の保全管理に留意すること。
 ウ 内容の(1)については、アとイの相互の関連に留意して扱うこと。なお、アについては総合的な技術を習得できるようにし、イについては基本的な技術の習得に重点を置いて指導すること。

(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
 ア 内容の(1)については、竪(たて)型ピアノと平型ピアノを比較しながら、基本整調、総合実践整調の順に、段階的に扱うこと。
 イ 内容の(2)については、ピアノ及び身近な楽器等を構成するそれぞれの機構の関連性に重点を置いて指導すること。

[課題研究]

1 目標

 調律に関する課題を設定し、その課題の解決を図る学習を通して、専門的な知識と技術の深化、総合化を図るとともに、問題解決の能力や自発的、創造的な学習態度を育てる。

2 内容

(1)調査、研究、実験

(2)産業現場等における実習

(3)職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
 ア 生徒の興味・関心、進路希望等に応じて、内容の(1)から(3)までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお、課題は内容の(1)から(3)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
 イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)各科目の指導に当たっては、できるだけ実験・実習を通して、実際的、具体的に理解させるようにすること。
(2)「課題研究」については、年間指導計画に定めるところに従い、必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。
(3)地域や産業界との連携を図り、就業体験を積極的に取り入れるとともに、社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)「調律実習」及び「整調・修理実習」については、校内実習と校外実習の授業時数の配当を工夫するとともに、計画的に行い、知識と技術が総合的に習得できるようにすること。
(2)各科目の指導に当たっては、コンピュータや情報通信ネットワーク等の活用を図り、学習の効果を高めるようにすること。

3 実験・実習を行うに当たっては、施設・設備の安全管理に配慮し、学習環境を整えるとともに、事故防止の指導を徹底し、安全と衛生に十分留意するものとする。

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-- 登録:平成21年以前 --