第2章 各教科 第1節 盲学校、聾(ろう)学校及び肢体不自由者又は病弱者を教育する養護学校 第2款 各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱い

 各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱いについては、高等学校学習指導要領第2章及び第3章に示すものに準ずるほか、盲学校については第3款から第6款まで、聾(ろう)学校については第7款から第10款までに示すところによるものとするが、生徒の障害の状態や特性等を十分考慮するとともに、特に次の事項に配慮するものとする。

1 盲学校

(1)生徒の視覚障害の状態等に応じて、点字又は普通の文字による的確な理解と適切な表現の能力を一層養うこと。なお、点字を常用して学習する生徒に対しても、漢字・漢語の意味や構成等についての理解を一層促すため、各教科・科目にわたって適切な指導が行われるようにすること。

(2)視覚的なイメージを伴わないと理解が困難な事柄については、言葉の意味や用法の指導等を行い、理解を促すようにすること。

(3)生徒の視覚障害の状態等によって学習上困難を伴う内容については、基本の理解を促す事項に重点を置いて指導すること。

(4)触覚教材、拡大教材等の活用を図るとともに、生徒がコンピュータ等の情報機器を活用して容易に情報の収集や処理ができるようにするなど、生徒の視覚障害の状態等を考慮した指導方法を工夫すること。

(5)生徒が空間や時間の概念を活用して学習場面の状況を的確に把握できるようにし、見通しをもって積極的な学習活動を展開できるようにすること。

2 聾(ろう)学校

(1)生徒の積極的な言語活動を促すとともに、抽象的、論理的な思考力の伸長に努めること。

(2)生徒の言語力等に応じた読書指導を行い、適切な読書習慣の形成を図るとともに、主体的に情報を獲得し、適切に選択・活用する態度を養うようにすること。

(3)生徒の聴覚障害の状態等に応じて、指導内容を適切に精選し、基礎的・基本的な事項に重点を置いて指導すること。

(4)補聴器等の利用により、生徒の保有する聴覚を最大限に活用し、効果的な学習活動が展開できるようにすること。

(5)視覚的に情報を獲得しやすい教材・教具やコンピュータ等の情報機器を有効に活用し、指導の効果を高めるようにすること。

(6)生徒の聴覚障害の状態等に応じ、音声、文字、手話等のコミュニケーション手段の適切な活用を図り、意思の相互伝達が正確かつ効率的に行われるようにすること。

3 肢体不自由者を教育する養護学校

(1)生徒の身体の動きの状態や生活経験の程度等を考慮して、基礎的・基本的な事項に重点を置くなど指導内容を適切に精選するとともに、発展的、系統的な指導ができるようにすること。

(2)身体の動きやコミュニケーション等に関する内容の指導に当たっては、特に自立活動における指導との密接な関連を保つようにし、学習効果を一層高めるようにすること。

(3)生徒の身体の動きや意思の表出の状態等に応じて、適切な補助用具や補助的手段を工夫するとともに、コンピュータ等の情報機器などを有効に活用し、指導の効果を高めるようにすること。

4 病弱者を教育する養護学校

(1)生徒の授業時数の制約等の状況に応じて、指導内容を適切に精選し、基礎的・基本的な事項に重点を置くとともに、発展的、系統的な学習活動が展開できるよう各教科・科目等相互の関連を図るなどして、効果的な学習ができるようにすること。

(2)健康状態の改善等に関する内容の指導に当たっては、特に自立活動における指導との密接な関連を保つようにし、学習効果を一層高めるようにすること。

(3)生徒の身体活動の制限の状態等に応じて、教材・教具の工夫やコンピュータ等の情報機器の有効な活用を図るなどして、指導の効果を高めるようにすること。

(4)生徒の病気の状態等を考慮し、学習活動が負担過重とならないようにすること。

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