印刷に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、その社会的意義と役割を理解させるとともに、情報化社会の一端を担う印刷技術の向上と発展を図る能力と実践的な態度を育てる。
印刷の原理や沿革と応用分野に関する基礎的な知識を習得させ、印刷の文化的価値を認識させる。
(1)沿革
ア 印刷の歴史
イ 印刷のディジタル化
(2)各種版式
ア 印刷の機能と方法
イ DTP
(3)製版及び印刷の概要
ア 製版方法
イ 写真製版
ウ 校正
エ CTP
(4)企画・編集
ア 印刷物の企画と設計
イ 原稿作成
ウ ディジタルデータ
(5)製本
ア 製本の基礎
イ 出版の実際
(6)印刷商品
ア 印刷商品の形態と機能
イ 電子出版
(7)印刷技術の利用
ア 産業分野での印刷
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、印刷に関する教科の基礎科目であることを踏まえ、視聴覚教材・教具の活用及び産業現場の見学等により、生徒の学習意欲の向上に努めること。
イ 内容の(5)については、「印刷総合実習」と関連させながら扱うこと。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については、時代の進展とともに、情報や伝達の手段が変化していくことを理解させ、印刷の文化的な役割の担い手としての態度の育成に努めること。
イ 内容の(3)については、製版及び印刷の作業手順、コンピュータを利用した印刷物の製作等について触れること。
ウ 内容の(6)については、印刷商品の生産流通、消費などの生活環境の変化についてその概要を扱うこと。
エ 内容の(7)については、生徒の実態に応じて、特殊印刷や高品位印刷などについて触れること。
写真及びコンピュータを応用した製版及び印刷の技術に関する基礎的な知識を習得させ、これを印刷に応用する能力と態度を育てる。
(1)写真製版の概要
ア 製版カメラの機能と操作
イ モノクロ製版とカラー製版
ウ コンピュータ製版
(2)平版製版
ア 平版製版の種類
イ 製版工程と製版材料
(3)凸版製版
ア 凸版製版の種類
イ 製版工程と製版材料
(4)凹版製版
ア 凹版製版の種類
イ 製版工程と製版材料
(5)電子製版
ア スキャナの機能
イ 色分解と色再現
(6)その他の製版
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、「印刷概論」、「写真化学・光学」、「画像技術」及び「印刷総合実習」と関連させながら取り扱い、写真製版の基礎的・基本的な知識や技術の習得を促すよう留意すること。
イ 内容の(5)については、スキャナによる電子製版に関して、「印刷総合実習」と関連させながら扱うこと。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については、コンピュータを活用し、イメージセッタにより製版する方法について具体的に扱うこと。
イ 内容の(2)については、生徒の実態に応じて、オフセット印刷における最新の技術について触れること。
ウ 内容の(6)については、写真製版を応用した技術やCTP、DTP等の製版方法に触れること。
製版及び印刷に用いられる機械・器具及び材料等に関する基礎的な知識を習得させ、その適切な選択と使用及び保守・管理を行う能力と態度を育てる。
(1)各種印刷機械の構造と分類
ア 構造と機能
イ コンピュータと印刷関連機器
(2)製本機械、紙器加工機械及びその他の製版印刷機器類
ア 製本機械
イ 紙器加工機械
ウ 製版印刷機
エ オンデマンドプリンタ
(3)印刷用紙
ア 製紙工程
イ 紙の種類、特性、規格
(4)印刷用インキ類
(5)印刷写真用材料・薬品
ア 写真感光材料
イ 現像処理材料
ウ 製版印刷材料
エ 磁気記録材料
(6)その他の製版印刷用材料
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、実験・実習を通して、実際的、具体的に理解させるようにすること。
イ 内容の(6)については、材料相互の関連を考えさせながら、製版印刷用材料を活用する能力の育成に努めること。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)及び(2)については、各種機械・機器の扱い方、整備、保守等について具体的に扱うこと。
イ 内容の(3)については、紙とインキのトラブルやその対応策に触れること。
ウ 内容の(4)については、印刷用のインキの組成と特徴について具体的に扱うこと。
エ 内容の(5)については、それぞれの材料に関して、その特徴や用途を重点的に扱うこと。
グラフィックデザイン分野における図案・製図に関する基礎的な知識と技術を習得させ、これを印刷に応用する能力と感性を養う。
(1)色の体系
ア 色の三属性
イ 感情効果
ウ 配色
エ 混色と知覚
(2)フィニッシュワークの基礎
(3)構成の原理
ア ハーモニー
イ バランス
ウ リズム
(4)レタリング
ア 書体の役割
イ 文字の基本と書き方
ウ バランス
(5)ポスター
ア 伝達の内容
イ 造形的な表現
(6)コンピュータによる画像構成
ア コンピュータグラフィックスの意義と技法
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、特に生徒の感性を養い、芸術性を考慮した表現ができるよう留意すること。
イ 内容の(1)及び(2)については、実習を通して、実際的、具体的に理解させるようにすること。
ウ 内容の(3)については、平面構成を中心に、デザイン制作に役立つよう指導すること。
エ 内容の(4)から(6)までについては、具体的な資料の活用や作品の鑑賞などを通して、生徒が意欲的に作品制作を行うことができるようにすること。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については、ポスターカラー、カラーインキ、色紙など多様な種類の材料の使用に留意すること。
イ 内容の(2)については、生徒の実態に応じて、製図機器が適切に使用できるようにすること。
ウ 内容の(4)については、生徒の実態に応じて、レタリングの活用の実際についても触れること。
一般写真の化学及び光学に関する基礎的な知識を習得させ、これを印刷に応用する能力と態度を育てる。
(1)光及び色彩
ア 光学的な理論と実験
イ 色彩理論
(2)カメラ原理
ア カメラの構造
イ カメラの選択と使用、管理
(3)一般写真用感光材料
ア 各種感光物質
イ 光化学反応
(4)現像処理
ア 各種薬品の性質と使用法
イ 現像液の調合
(5)製版用光源
ア 特性
イ 使用と管理
(6)製版カメラ
ア 構造と特性
イ 操作と管理
(7)製版用感光材料
ア 特性
イ 使用と管理
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、実験・実習、観察等を通して、一般写真の化学及び光学に関する基礎的・基本的な知識や技術が習得されるよう留意すること。
イ 内容の(3)については、カラー写真に関して、「写真製版」と関連させながら扱うこと。
ウ 内容の(5)及び(7)については、各種製版用光源の特性と使用感光材料の性質とを関連させながら扱うこと。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(3)については、各種感光物質の組成や光化学反応の理論等の概要を扱うこと。
イ 内容の(6)については、内容の(2)との関連を図り、製版カメラの構造、特性等を重点的に扱うこと。
文書処理・管理に関する知識と技術を習得させ、これを印刷に応用する能力と態度を育てる。
(1)各種文書
ア 種類と形態
(2)文書構成
ア 構成要素の配置
イ 文書作成の要領
(3)ワードプロセッサ等の機能と活用
ア ワードプロセッサの構造と機能
イ 応用文書の作成
(4)機器の管理
ア 使用機器の管理
イ 周辺装置の管理
(5)文書の整理と保管
ア 文書情報の活用
イ 機密保持
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、ワードプロセッサ等の操作に習熟するとともに、文書の作成や管理についての実践的な態度の育成や能力の向上に留意すること。
イ 内容の(1)から(3)までについては、相互に関連付けながら指導し、ワードプロセッサ等を使用して、適切に文書が作成できるようにすること。
ウ 内容の(5)については、情報の活用や整理方法及び機密保持などの観点から、文書管理の意義が理解できるようにすること。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(5)については、文書ファイリングの必要性と方法、各種記憶媒体による文書管理や文書交換の概要を扱うこと。
社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとともに、情報処理に関する知識と技術を習得させ、印刷の分野で情報及び情報手段を活用する能力と態度を育てる。
(1)情報社会とコンピュータ
ア 生活と情報処理
イ コンピュータの利用分野
ウ 情報の価値とモラル
(2)コンピュータによる情報処理
ア コンピュータの仕組み
イ プログラミング
ウ コンピュータの活用
エ 情報通信ネットワーク
(3)印刷とコンピュータの活用
ア 印刷におけるコンピュータ利用の目的と意義
イ 印刷におけるコンピュータ活用の実際
ウ 個人情報の管理
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、コンピュータを印刷に応用するための基礎的・基本的な知識と技術の習得を図ること。また、実習を通して、実践的・体験的に理解させるよう留意すること。
イ 内容の(1)及び(2)については、印刷に関する題材やデータを用いることなどにより、印刷との関連を考慮した指導を行うよう留意すること。
ウ 内容の(3)については、「画像技術」及び「印刷総合実習」と関連させながら扱うこと。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については、生活における情報の意義や役割及びコンピュータの利用分野の概要について理解させるとともに、情報を扱う者の責任や基本的なルールについて扱うこと。
イ 内容の(2)のイについては、基本的な各種プログラム言語の機能とその利用方法について扱うこと。ウについては、生徒の実態に応じてアプリケーションソフトウェアを選択し、その基本操作を扱うこと。エについては、情報通信ネットワークを活用した情報の収集、処理、発信について体験的に理解させること。
ウ 内容の(3)については、生徒の実態に応じて、印刷に関する分野における最新のコンピュータ利用についても触れること。
コンピュータを利用した画像技術に関する知識と技術を習得させ、印刷の技術革新に対応できる能力と態度を育てる。
(1)画像技術の基礎
ア 文字と画像
イ 2進法
ウ
加法混色、減法混色
(2)画像の記憶と再現
ア 文字や画像と電気信号
イ ビットの意味
(3)コンピュータによる画像処理
ア 文字や図形の処理
イ スキャナの原理
(4)画像の伝送
ア 画像伝送の原理
イ 伝送法
ウ 圧縮技術とインフラストラクチャー
(5)印刷における画像技術
ア 文字と画像の処理システム
イ トータルスキャナシステム
ウ 入力機器と出力機器
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、「印刷概論」、「印刷機械・材料」、「印刷情報技術基礎」及び「印刷総合実習」と関連させながら、コンピュータを活用し画像処理の基礎的・基本的な知識と技術を習得させること。また、産業現場の見学や実習等指導方法の工夫に努めること。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(1)については、文字と画像をコンピュータ上で扱う際の基礎的な知識、技術、印刷における画像処理に必要な加法混色、減法混色の概要について扱うこと。
イ 内容の(3)については、各種機器を活用したコンピュータにおける画像表現の概要について扱うこと。
ウ 内容の(4)については、ファクシミリ等のアナログ伝送の原理、データのディジタル伝送の原理等、画像伝送の基礎的事項を扱うこと。
エ 内容の(5)については、生徒の実態に応じて、DTP等の文字と画像の処理システムについて扱うこと。
印刷に関する知識と技術を総合的に習得させ、これを実際の印刷において活用する能力と態度を育てる。
(1)組版実習
ア 文字組版実習
イ 電子組版実習
ウ 作図作業実習
(2)製版実習
ア 平版実習
イ 写真製版実習
ウ 刷版製版実習
(3)印刷実習
ア オフセット印刷実習
イ 凸版印刷実習
ウ グラビア印刷実習
エ 孔版印刷実習
オ 特殊印刷実習
(4)文書処理実習
(5)情報技術実習
ア プログラミング実習
イ 制御、通信に関する実習
ウ 印刷の応用に関する実習
(6)画像技術実習
ア カラースキャナに関する実習
イ 色再現に関する実習
(7)その他印刷に関する実習
ア 製本や加工に関する実習
イ コンピュータによる製版印刷に関する実習
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 指導に当たっては、他の印刷に関する科目との関連を図り、企画から納品までの流れを総合的に理解できるよう留意すること。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(2)については、写真製版やコンピュータによる製版に重点を置いて行うこと。
イ 内容の(3)については、平版印刷のうちオフセット印刷を中心に行うこと。
ウ 内容の(4)については、文書の作成、受信、発信、整理、保管等文書処理に関する課題を設定した実習を中心に行うこと。
エ 内容の(6)については、電子的に色分解する技術と知識を養うとともに、適切なカラー原稿の見方や各種色再現について扱うこと。
印刷に関する課題を設定し、その課題の解決を図る学習を通して、専門的な知識と技術の深化、総合化を図るとともに、問題解決の能力や自発的、創造的な学習態度を育てる。
(1)調査、研究、実験
(2)作品製作
(3)産業現場等における実習
(4)職業資格の取得
(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 生徒の興味・関心、進路希望等に応じて、内容の(1)から(4)までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。なお、課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたがる課題を設定することができること。
イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。
1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)各科目の指導に当たっては、できるだけ実験・実習を通して、実際的、具体的に理解させるようにすること。
(2)「課題研究」については、年間指導計画に定めるところに従い、必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。
(3)地域や産業界との連携を図り、就業体験を積極的に取り入れるとともに、社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。
2 内容の取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)各科目の内容については、技術革新の進展に対応し、新技術を導入することが大切であるが、必要以上に高度なものを取り扱うことは避けるとともに、生徒の実態に応じた指導内容の精選に努めること。
(2)各科目の指導に当たっては、コンピュータや情報通信ネットワーク等の活用を図り、学習の効果を高めるようにすること。
3 実験・実習を行うに当たっては、施設・設備の安全管理に配慮し、学習環境を整えるとともに、事故防止の指導を徹底し、安全と衛生に十分留意するものとする。
初等中等教育局教育課程課
-- 登録:平成21年以前 --