第2款 各科目 第20 森林科学

1 目標

 森林の育成、保全と利用に必要な知識と技術を習得させ、森林生態系と林木の生育特性を理解させるとともに、森林を総合的に利用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)森林と育林

 ア 森林の役割
 イ 育林の意義

(2)森林の生態と分布

 ア 森林生態系
 イ 森林の分布

(3)林木の生育と環境

 ア 主な樹種の性状
 イ 林木の生育特性
 ウ 林木の生育と環境要因 

(4)育苗と造林

 ア 林木の育苗と育種
 イ 苗畑の管理
 ウ 人工更新と天然更新
 エ 主な林木の造林法

(5)森林の保育と山地の保全

 ア 林木と林地の保育
 イ 森林の保護
 ウ 治山
 エ 林道

(6)木材の利用

 ア 林木の伐採
 イ 造材と集材
 ウ 木材の運搬

(7)森林の総合的利用

 ア 森林の総合的利用の展開
 イ 持続可能な森林経営

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。

 ア 指導に当たっては、学校林や地域の森林における実習を通して、森林の生態系及び林業の意義と役割について具体的に理解を深めさせるよう留意すること。
 イ 内容の(3)から(5)までについては、観察や実験・実習を通して、林木の生育特性と環境要因を理解させ、長期の森林造成を図る計画的な実践力を育てるよう留意すること。
 ウ 内容の(3)から(6)までについては、我が国の森林・林業の状況、地域の実態や学科の特色に応じて、題材として適切な林木を選定すること。

(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。

 ア 内容の(1)については、我が国の森林を中心に扱い、有機物の蓄積をはじめとする森林の機能を維持するための育林の意義を扱うこと。
 イ 内容の(2)については、森林生態系での物質循環と遷移及び森林植生の分布と気候の関係について基本的な内容を扱うこと。
 ウ 内容の(3)については、我が国の有用林木の細胞組織などの性状、耐陰性などの生育特性及び環境要因が林木の生育に及ぼす影響を扱うが、樹種の性状については詳細に深入りしないこと。
 エ 内容の(4)については、実生苗や挿し木苗の養成及び造林の基本的な内容を扱い、人工更新については詳細に深入りしないこと。
 オ 内容の(5)については、人工林の維持増進、林木と林地の保育作業、森林の災害からの保護及び治山と林道について基本的な内容を扱うこと。
 カ 内容の(7)については、生産機能や環境保全機能などの森林の多様な機能の総合的な利用と生物の多様性の保全などを図る持続可能な森林経営の概要を扱うこと。

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初等中等教育局教育課程課

-- 登録:平成21年以前 --