第2款 各科目 第16 植物バイオテクノロジー

1 目標

 植物に関するバイオテクノロジーの知識と技術を習得させ、植物体の特性とバイオテクノロジーの特質を理解させるとともに、農業の各分野で応用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)バイオテクノロジーの意義と役割

 ア バイオテクノロジーの意義
 イ 産業社会とバイオテクノロジー

(2)バイオテクノロジーの特質と基本操作

 ア 植物の構造と機能
 イ 無菌操作の基本

(3)植物の増殖能の利用

 ア 組織培養の目的と技術体系
 イ 培地の組成と調製
 ウ 培養植物体の生育と環境
 エ 野菜、草花への応用
 オ 果樹、作物等への応用 

(4)植物の遺伝情報の利用

 ア 遺伝子組換えの仕組み
 イ 細胞融合の仕組み

(5)バイオマス・エネルギーの利用

 ア 栽培植物の利用
 イ 有機廃棄物の利用

(6)植物バイオテクノロジーの展望

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。

 ア 内容の(2)及び(3)については、観察や実験・実習を通して、植物の分化全能性とその利用について理解させ、組織培養技術を応用する実践力を育てるよう留意すること。
 イ 内容の(2)から(4)までについては、地域農業の実態、学科の特色等に応じて、題材として適切な植物を選定すること。また、雑菌による機器、施設などの汚染防止に留意すること。

(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。

 ア 内容の(1)については、植物の繁殖などの機能を利用するバイオテクノロジーの技術体系及び農業等の産業各分野での利用の概要を扱うこと。
 イ 内容の(2)については、茎頂など植物の組織・器官の構造と機能、植物ホルモンの作用及び器具の殺菌など無菌的条件の設定を中心に扱うこと。
 ウ 内容の(3)については、植物細胞の分化全能性、培地の調製、組織培養及び培養植物体の順化、育成を中心に扱うこと。
 エ 内容の(4)については、遺伝子の構造、植物のもつ遺伝情報の伝達機能並びに遺伝子組換え及び細胞融合の仕組みについて基本的な内容を扱うこと。
 オ 内容の(5)については、バイオテクノロジーを活用して、セルロースなどの木材成分やもみがらなどの有機廃棄物を変換利用する技術を扱うこと。
 カ 内容の(6)については、組換え植物の利用などバイオテクノロジーに関する今後の動向、課題及び可能性について基本的な内容を扱うこと。

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