第2款 各科目 第15 微生物基礎

1 目標

 食品に関連する微生物の利用に必要な知識と技術を習得させ、微生物の特性と培養を理解させるとともに、農業の各分野で微生物を利用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)微生物利用の意義と分野

 ア 微生物利用の意義
 イ 食品と微生物利用

(2)微生物の形態と生理

 ア 微生物の形態
 イ 微生物の栄養
 ウ 微生物の増殖と環境

(3)微生物の分離と培養

 ア 微生物実験の基本操作
 イ かびの分離と培養
 ウ 酵母の分離と培養
 エ 細菌の分離と培養

(4)微生物の作用とその利用

 ア 微生物の代謝
 イ 微生物の酵素
 ウ アルコール発酵
 エ 有機酸発酵
 オ アミノ酸発酵
 カ バイオリアクターと物質生産

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。

 ア 内容の(2)については、観察、実験を通して、微生物の形態的特徴と生理的特性を具体的に理解させること。
 イ 内容の(2)から(4)までについては、微生物の特性を理解させ、微生物の活動を制御し、利用する実践力を育てるよう留意すること。なお、地域の食品産業の実態や学科の特色に応じて、発酵や代謝に用いるかび、酵母、細菌のうちから、題材として適切な菌種を選定すること。また、有害微生物の扱いなど安全の指導に留意すること。
 ウ 内容の(4)のウからカまでについては、学科の特色や地域の実態に応じて、選択して扱うことができること。

(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。

 ア 内容の(1)については、食品や医薬品製造における微生物利用の状況、自然界の物質循環における微生物の役割並びに発酵食品などの食品の製造と保存及び食品の品質の劣化と微生物の関係について基本的な内容を扱うこと。
 イ 内容の(2)については、食品製造における有用微生物と有害微生物の種類と生理・生態及び微生物の増殖の過程の測定と制御の基本的な内容を扱うこと。
 ウ 内容の(2)から(4)までについては、微生物の学名や英名及び化学式や構造式については必要最小限の扱いとすること。
 エ 内容の(3)については、微生物の生育条件、培地の種類と調製、器具の殺菌など、かび、酵母と細菌の純粋分離と純粋培養の基本的な内容を扱うこと。
 オ 内容の(4)については、糖質に重点を置いた微生物の代謝、酵素の生化学反応、発酵機構と代謝産物及び生体触媒の固定化の基本的な内容を扱うこと。なお、微生物の酵素については、羅列的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。

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-- 登録:平成21年以前 --