第2款 各科目 第2 環境科学基礎

1 目標

 環境の保全、創造と農業生物の育成についての体験的、探究的な学習を通して、環境と農業に関する基礎的な知識と技術を習得させ、環境及び環境学習についての興味・関心を高めるとともに、科学的思考力と問題解決能力を伸ばし、農業における環境の分野の発展を図る能力と態度を育てる。

2 内容

(1)環境と人間生活

 ア 森林、河川、耕地の生態系
 イ 地域環境と人間生活
 ウ 地球環境と人間生活

(2)環境の調査

 ア 植生調査
 イ 水質調査
 ウ その他の調査

(3)環境の保全、創造

 ア 森林と環境保全
 イ 緑地と景観創造

(4)農業生物の育成

 ア 農業生物の特性
 イ 栽培環境の要素
 ウ 農業生物の栽培

(5)環境学習と学校農業クラブ活動

 ア 環境学習の特質
 イ プロジェクト学習
 ウ 学校農業クラブ活動

3 内容の取扱い

(1)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。

 ア 内容の(1)については、地域環境の観察や統計資料を用いた具体的な学習を通して、環境と人間生活の相互関係及び生態系における物質循環について理解させ、環境と環境学習に関心をもたせること。
 イ 内容の(2)については、観察や調査などを通して、地域の環境要因と環境調査の方法を体験的に理解させること。
 ウ 内容の(2)及び(3)については、地域の実態や学科の特色に応じて、いずれかを選択して扱うことができること。
 エ 内容の(3)については、観察や実習などを通して、森林による国土・環境の保全及び都市や農村の緑地による景観創造の機能を体験的に理解させること。
 オ 内容の(4)については、農業生物の育成に関する実験・実習やプロジェクト学習を通して、作物などの特性と栽培環境の関係について理解させ、科学的な見方と実践力を育てるよう留意すること。なお、地域農業の実態や学科の特色に応じて、題材として適切な農業生物を選定すること。

(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。

 ア 内容の(1)については、森林、河川や耕地の生態系、生態系における物質循環及び地域環境や地球環境と人間生活との相互関係について基本的な内容を扱うこと。
 イ 内容の(2)のア及びイについては、植物の種類や生態などの植生調査及び水の透明度や水素イオン濃度などの水質調査を扱うこと。ウについては、地域の実態や学科の特色に応じて、土壌調査などを扱うこと。
 ウ 内容の(3)については、森林による大気浄化や土砂の流出防止などの環境保全機能及び緑地による景観の保全や形成などの機能を扱うこと。
 エ 内容の(4)については、作物などの栽培方法や生理・生態的な特性、気象などの栽培環境の要素及びそれらの相互関係を扱うこと。なお、肥料や農薬については、網羅的な扱いをしたり詳細に深入りしたりしないこと。
 オ 内容の(5)については、環境の保全など環境学習の特質、プロジェクト学習の進め方並びに学校農業クラブ活動の目標、内容、組織及び実践方法を扱うこと。

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-- 登録:平成21年以前 --