第4章 特別活動

第1 目標

 望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てるとともに、人間としての在り方生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を養う。

第2 内容

A ホームルーム活動

 ホームルーム活動においては、学校における生徒の基礎的な生活集団として編成したホームルームを単位として、ホームルームや学校の生活への適応を図るとともに、その充実と向上、生徒が当面する諸課題への対応及び健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。

(1)ホームルームや学校の生活の充実と向上に関すること。

 ホームルームや学校における生活上の諸問題の解決、ホームルーム内の組織づくりと自主的な活動、学校における多様な集団の生活の向上など

(2)個人及び社会の一員としての在り方生き方、健康や安全に関すること。

 ア 青年期の悩みや課題とその解決、自己及び他者の個性の理解と尊重、社会生活における役割の自覚と自己責任、男女相互の理解と協力、コミュニケーション能力の育成と人間関係の確立、ボランティア活動の意義の理解、国際理解と国際交流など

 イ 心身の健康と健全な生活態度や習慣の確立、生命の尊重と安全な生活態度や習慣の確立など

(3)学業生活の充実、将来の生き方と進路の適切な選択決定に関すること。

 学ぶことの意義の理解、主体的な学習態度の確立と学校図書館の利用、教科・科目の適切な選択、進路適性の理解と進路情報の活用、望ましい職業観・勤労観の確立、主体的な進路の選択決定と将来設計など

B 生徒会活動

 生徒会活動においては、学校の全生徒をもって組織する生徒会において、学校生活の充実や改善向上を図る活動、生徒の諸活動についての連絡調整に関する活動、学校行事への協力に関する活動、ボランティア活動などを行うこと。

C 学校行事

 学校行事においては、全校若しくは学年又はそれらに準ずる集団を単位として、学校生活に秩序と変化を与え、集団への所属感を深め、学校生活の充実と発展に資する体験的な活動を行うこと。

(1)儀式的行事

 学校生活に有意義な変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなるような活動を行うこと。

(2)学芸的行事

 平素の学習活動の成果を総合的に生かし、その向上の意欲を一層高めるような活動を行うこと。

(3)健康安全・体育的行事

 心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵(かん)養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。

(4)旅行・集団宿泊的行事

 平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。

(5)勤労生産・奉仕的行事

 勤労の尊さや創造することの喜びを体得し、職業観の形成や進路の選択決定などに資する体験が得られるようにするとともに、ボランティア活動など社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うこと。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)学校の創意工夫を生かすとともに、学校の実態や生徒の発達段階及び特性等を考慮し、教師の適切な指導の下に、生徒による自主的、実践的な活動が助長されるようにすること。その際、ボランティア活動や、就業体験など勤労にかかわる体験的な活動の機会をできるだけ取り入れるとともに、家庭や地域の人々との連携、社会教育施設等の活用などを工夫すること。
(2)生徒指導の機能を十分に生かすとともに、教育相談(進路相談を含む。)についても、生徒の家庭との連絡を密にし、適切に実施できるようにすること。
(3)学校生活への適応や人間関係の形成、教科・科目や進路の選択などの指導に当たっては、ガイダンスの機能を充実するようホームルーム活動等の指導を工夫すること。
(4)人間としての在り方生き方の指導がホームルーム活動を中心として、特別活動の全体を通じて行われるようにすること。その際、他の教科、特に公民科との関連を図ること。

2 内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。
(1)ホームルーム活動については、学校や生徒の実態に応じて取り上げる指導内容の重点化を図るようにすること。また、個々の生徒についての理解を深め、信頼関係を基礎に指導を行うとともに、指導内容の特質に応じて、教師の適切な指導の下に、生徒の自発的、自治的な活動が助長されるようにすること。
(2)生徒会活動については、教師の適切な指導の下に、生徒の自発的、自治的な活動が展開されるようにすること。
(3)学校行事については、学校や地域及び生徒の実態に応じて、各種類ごとに、行事及びその内容を重点化するとともに、行事間の関連や統合を図るなど精選して実施すること。また、実施に当たっては、幼児、高齢者、障害のある人々などとの触れ合い、自然体験や社会体験などを充実するよう工夫すること。
(4)特別活動の一環として学校給食を実施する場合には、適切な指導を行うこと。

3 入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする。

4 ホームルーム活動については、主としてホームルームごとにホームルーム担任の教師が指導することを原則とし、活動の内容によっては他の教師などの協力を得ることとする。

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初等中等教育局教育課程課

-- 登録:平成21年以前 --