8文科初第644号
令和8年5月29日
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各都道府県知事
小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄する構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長
附属学校を置く各国公立大学法人の長 殿
各公私立高等専門学校長
独立行政法人国立高等専門学校機構理事長
独立行政法人海技教育機構理事長
厚生労働省社会・援護局長
文部科学省初等中等教育局長
望月 禎
文部科学省総合教育政策局長
塩見 みづ枝
文部科学省高等教育局長
合田 哲雄
高等学校等就学支援金制度等及び高等教育の修学支援新制度の周知について(通知)
文部科学省では、義務教育段階修了後も、家庭の経済状況にかかわらず、すべての意志ある者が安心して教育を受けることができるよう、下記1のとおり、高校段階及び大学等の高等教育段階における修学支援策を実施しております。
とりわけ、高校段階においては、本年4月から高等学校等就学支援金及び高校生等奨学給付金による支援を拡充しました。
また、高等教育段階においては、令和7年度から高等教育の修学支援新制度の対象を拡充し、多子世帯の学生について、所得制限なく、大学等の授業料及び入学金を国が定める一定の額まで減免することとしております。
他方で、高校生等奨学給付金や高等教育の修学支援新制度については、支援の対象でありながら制度を利用していない方が一定程度いる状況にあります。
その要因として、制度の認知が十分でないことも考えられることから、経済的理由によって児童生徒等が進学をあきらめたり、将来の選択肢を狭めたりすることがないよう、下記2のとおり、高校段階及び高等教育段階のみならず、初等中等教育段階においても、きめ細かに周知をいただくようお願いします。
本件について、各都道府県教育委員会におかれては、所管の学校(高等課程を置く専修学校を含む。以下同じ。)及び域内の市区町村教育委員会(指定都市教育委員会を除く。)に対し、各指定都市教育委員会におかれては所管の学校に対して、各都道府県知事におかれては、所管の学校等に対し、小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄する構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては、所轄の学校設置会社に対して、各国公立大学法人の長におかれては、その附属学校に対して、独立行政法人国立高等専門学校機構理事長におかれては、その設置する学校に対して、独立行政法人海技教育機構理事長におかれては、その設置する海上技術学校に対して、厚生労働省社会・援護局長におかれては所管の高等課程を置く専修学校に対して本件を周知くださいますようお願いします。
なお、学校の負担軽減を図る視点から、同時期に他の通知等がある場合には、所管の学校に対してまとめて送付いただくなど、設置者等において必要に応じて対応をご検討いただけますと幸いです。
記
高校段階では、高校生等の授業料の負担を軽減する「高等学校等就学支援金」による支援、低所得世帯から中所得世帯の家庭を対象に授業料以外の教育費の負担を軽減する「高校生等奨学給付金」による支援を実施しています。
高等学校等就学支援金については、第221回国会において成立した「高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律」(令和8年法律第8号)などに基づき、令和8年4月から、受給資格に係る収入要件が撤廃されたほか、支給限度額が引き上げられるなど、支援を拡充しました。
なお、新たな制度においては、国籍及び在留資格等による支給対象者の見直しも行いましたが、法律上の支援の対象外となる外国籍生徒、外国人学校の生徒に関しても、在校生については、法令の経過措置により昨年度までと同等の水準での支援が継続されるとともに、新入生については、世帯の収入に応じて、今年度から新たに実施する「高校生等・新修学支援」による支援の対象となります。
加えて、高校生等奨学給付金については、令和8年度から、対象となる世帯を年収約490万円未満の世帯まで拡充しました。
このほか、各自治体等においても、国の支援に上乗せする形で地域の実情に応じた独自の支援を実施いただいており、国と自治体の支援が一体となって高校生等の教育費負担の軽減が行われています。
高等教育段階(大学(学部)・短期大学・高等専門学校(4、5年生)・専門学校)では、低所得世帯の学生を対象として返還不要の給付型奨学金と授業料・入学金の減額・免除を併せて実施する「高等教育の修学支援新制度」を行っており、令和7年度には約71万人に対して支援を実施しました。
また、本制度については、令和7年度から、扶養する子供が3人以上の多子世帯の学生については、所得制限なく、大学等の授業料及び入学金を国が定める一定の額まで減免することとしています。
住民税非課税世帯に属する者の大学等への進学率は、制度開始前の平成30年度には約40%と推計されていたところ、令和7年度には約73%と上昇していますが、引き続き早期の情報提供を求める声が寄せられていることから、大学等への進学を選択していない生徒も含め、義務教育段階からの情報提供のニーズは更に大きいと考えられます。こうしたことを踏まえ、生徒等一人一人が、各種支援制度を十分に認識した上で、経済的な理由により進学を断念せず、希望する進路選択ができるよう、下記の観点から、きめ細かな情報提供に努めていただくよう願います。
別添1及び別添2の資料等を用いて、初等中等教育段階においても、高校段階及び高等教育段階の修学支援制度について、積極的に周知すること。
その際、住民税非課税世帯など経済的な支援を必要とする者、特に、就学援助制度や高校生等奨学給付金制度の受給対象者などに対して、児童生徒等及び保護者の心情やプライバシーにも配慮しながら、丁寧な周知を行うこと。
また、これらの修学支援制度については、入学の時期のみではなく、家計急変が生じた場合等も支援を開始することが可能であり、特に高校段階の学校においては、通常の申請期間を過ぎていた場合や、家計急変が生じる以前には受給資格が認められなかった場合も含めて、年度の途中であっても申請ができることについて、丁寧に案内をいただきたいこと。
加えて、高等教育の修学支援新制度は、高校3年生4月時点における申込(予約採用)により、生徒等及びその保護者があらかじめ必要な学費に係る見通しをもって進路を検討できること、また、大学等への進学後すみやかな支援開始が可能となることから、文部科学省では予約採用の活用を推奨しており、大学等への進学後の支援を円滑に始められるよう積極的に予約採用の案内をお願いしたいこと。
別添3については、小学校段階から大学段階までの修学支援策をまとめて周知する際の参考例としていただきたいこと。また、実際に活用する場合には、各都道府県等において実施している独自の修学支援の取組を追記の上、市町村教育委員会等に配布いただくなど、都道府県と市町村で協力して、切れ目のない周知を実施していただきたいこと。なお、別添3は、支援策の周知にあたり工夫・留意すべき点等に関して、こども家庭庁が実施する「こども若者★いけんぷらす」事業において聴取した、こども若者の意見を反映し作成したものであるが、都道府県等の今後の周知等にあたっては、参考4も参照していただきたいこと。
上記の修学支援制度は、児童生徒等の進路選択にも関わる事項であることから、高校段階及び高等教育段階のみならず、義務教育段階の管理職や進路指導主事、キャリア教育担当者等に対しても、高校・高等教育段階の修学支援制度を十分に周知すること。
特に高等教育の修学支援新制度の予約採用について、上記のとおり生徒等及びその保護者における学費負担の予見性が高まることや生徒等の進学後の支援を円滑に始められる等の利点を併せて周知すること。なお、予約採用手続は、原則として生徒等本人から独立行政法人日本学生支援機構に対して直接申し込むことが可能となっており、高等学校等の教職員の負担軽減を図っていること。
加えて、扶養する子供が3人以上の多子世帯の学生については、所得制限なく支援が可能となるため、周知について留意すること。
また経済的な支援を必要とする児童生徒等やその保護者と関わる機会の多いスクールソーシャルワーカー等に対しても、各種支援制度を十分に周知し、必要に応じて、生徒等や保護者に助言を行うことができるような体制を構築すること。とりわけ中学校段階で就学援助を受けている世帯に対しては、例えば、スクールソーシャルワーカーから高等学校等就学支援金を含めた高校段階及び高等教育段階の修学支援制度についてプッシュ型で紹介するなどの方法により、周知の充実を図ること。
〇高等学校等就学支援金制度及び高校生等奨学給付金制度について
文部科学省初等中等教育局高等学校振興課高校修学支援室
〇高等教育の修学支援新制度について
文部科学省高等教育局学生支援課高等教育修学支援室
(うち公立大学・短期大学・高等専門学校、国立・公立・私立専門学校関係)
※総合教育政策局生涯学習推進課
※各学校からはまず都道府県にお問い合わせください。