学校施設の換気設備に関する調査研究報告書 参考資料[1]-(1)

1. 関連する法令・基準等について

(1)建築基準法関連

1)ホルムアルデヒド発散建材の分類について

 第3種ホルムアルデヒド発散建材が旧JIS、JASのE0、FCO、第2種ホルムアルデヒド発散建材が旧JIS、JASのE1、FC1、第1種ホルムアルデヒド発散建材が旧JIS、JASのE2、F2に相当している。なお、上記のラベリングがなされる建材は、JIS、JAS認定品のほかに、大臣認定品、JIS、JAS認定品をノンホルム系の接着剤で貼り合わせたものを事業者団体等が自主表示している場合がある。
 規制対象となる建材は国土交通省告示第1113号~第1115号に制限列挙方式で指定されている。
 告示で指定されている建材種は、表2に示す17種類であり、これ以外の建築材料は規制対象とはならない。

表1 ホルムアルデヒド発散建材の分類
  • 規制対象外建材 (記号:F☆☆☆☆): 5(マイクログラム毎平方メートル毎時)以下
  • 第3種ホルムアルデヒド発散建材(F☆☆☆):5~20(マイクログラム毎平方メートル毎時)
  • 第2種ホルムアルデヒド発散建材(F☆☆):20~120(マイクログラム毎平方メートル毎時)
  • 第1種ホルムアルデヒド発散建材(F☆):120~(マイクログラム毎平方メートル毎時)
表2 規制対象となる建材
  1. 合板
  2. 木質系フローリング
  3. 構造用パネル
  4. 集成材
  5. 単板積層材(LVL)
  6. MDF、
  7. パーティクルボード
  8. その他の木質建材
  9. ユリア樹脂板
  10. 壁紙、
  11. 接着剤(現場施工、工場の二次加工)
  12. 保温材
  13. 緩衝材
  14. 断熱材
  15. 塗料(現場施工)、
  16. 仕上げ塗料(現場施工)
  17. 接着剤(現場施工)

2)ホルムアルデヒド発散建材の使用制限について

 規制対象外建材(F☆☆☆☆)以外の建材にあっても、建築物に用いられた状態で5年以上経過したものは、規制対象外建材とみなされる。従って、竣工後5年を経過した建築物を構成している建築材料は、建築基準法上はホルムアルデヒド発散がないものとして扱われる。

3)その他の建築基準法の運用について

1.空気浄化装置(令20条の6第1項第一号ロ)

 ホルムアルデヒド除去に有効な空気清浄機を設けた場合は、その除去効率をφとして、Qφ+V(Q:空気清浄機処理風量、V:有効換気量)を換気量に読み替えることが可能となる。例えば学校の場合にQφが0.3回毎時の換気量以上となる場合には、法規上換気設備は不要となる。
 但し、空気浄化装置による有効換気量の低減を図る場合は、性能評価が要求される。また、性能評価を行う上で、検証実験の再現性があり、設計条件との関連が明確であること、空気浄化のメカニズムの中で最も安全サイドの評価が行われること、原則として6ヶ月以上所要性能が持続することが要求される。
 このルートで換気量の低減を図ったものについては、ホルムアルデヒド以外の汚染源によって室内空気が汚染される恐れがあることにも留意する必要がある。

2.換気設備の性能規定(令20条の6第2項)

 仕様規定の定める機械換気の有効換気量が、自然換気その他の利用により低減可能であることが証明された場合には、仕様規定で定める有効換気量の機械換気設備の設置義務が免除される。
 これは設備容量が仕様規定を下回っているかどうかを問題にしているため、いわゆるハイブリッド換気方式で無風条件に対応できるものについては性能評価を要しない。現状では、30分平均で有効換気量の確保が事実上求められている。

3.性能規定(令20条の7)

 一旦放散されたホルムアルデヒドを吸着分解等により、1年を通じて空気1立方メートルにつきおおむね0.1ミリグラム以下に保つことができるものとして、国土交通大臣の認定を受けた場合は、換気量の低減もしくは、第2、3種ホルムアルデヒド発散建材の使用面積を増加させることができる。
 このルートで換気量の低減を図ったものについては、ホルムアルデヒド以外の汚染源によって室内空気が汚染される恐れがあることにも留意する必要がある。

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-- 登録:平成21年以前 --