2章 機械ボーリング

2.1.1 適用

 この章は,土質及び岩盤を調査して地層構造や地下水位を確認するとともに,土質試験に使用する試料の採取及び原位置試験を行うための機械ボーリングに適用する。

2.1.2 調査

 機械ボーリングは,「地盤調査の方法と解説(社団法人地盤工学会)」によるほか,次による。

(1) ボーリングの位置,方向,深度,孔径及び数量は,特記による。なお,調査に先立ち,その位置及び標高などを実測する。

(2) ボーリング機械は,特記のない限り,ロータリー式ボーリングを標準とし,所定の方向,深度に対して十分余裕のある能力をもつものとする。

(3) 足場,やぐら等は作業の完了までボーリング機械及び各種試験器具を安定に保つため,十分に堅固なものを使用する。

(4) 掘削は,地下水位の確認が出来る深さまで,原則として無水堀りとする。

(5) 孔口は,ケーシングパイプ又はドライブパイプで保護する。

(6) 孔壁の崩壊する恐れがある場合は,泥水又はケーシングパイプにより崩壊を防止する。ただし,乱さない試料の採取又は標準貫入試験,孔内水平載荷試験を行う場合は,ケーシングパイプの下端を採取位置もしくは試験位置より1m以上離して止める。

(7) 掘進中は,掘進速度,湧排水量,スライムの状態に注意し,変化の状態を記録する。

(8) 孔内水位は,調査期間中の作業開始前に観測し,記録する。

(9) 原位置試験,サンプリングを行う場合は,孔底のスライムを除去して行う。

(10) 未固結土で乱れの少ない試料採取を行う場合には、土質及び締まり具合に応じたサンプラーを用い,採取率を高めるように努めなければならない。

(11) 計画深度まで掘進を完了しても調査の目的を達しない場合,又は計画深度の掘進を完了する以前に調査の目的を達した場合は,速やかに監督職員と協議する。

(12) 岩盤ボーリングを行う場合は,原則として岩質に応じたダブルコアチューブを用いるものとし,コアチューブはコアの採取ごとに水洗いし,スライムを残さないようにする。

(13) 掘進中は,孔曲がりが生じないように注意するとともに,岩質,割れ目,断層破砕帯,湧水,漏水等について状況を記録する。

2.1.3 検尺

 ボーリング延長の検測は,調査目的をすべて完了後,原則として監督職員の立会いのうえ,ロッドを孔内に挿入して行う。

2.1.4 埋戻し

 調査完了後のボーリング孔は,それを観測孔や計器設置孔として利用する場合をのぞいて排出土,購入砂又はセメントミルクなどの材料で埋戻す。

2.1.5 成果品

 成果品は,次のものを作成し,提出する。

(1) 調査の位置を示した案内図,平面図,該当するボーリング柱状図,地層 ごとに色分けした地層断面図,及びその他関係図面等

(2) 作業時の記録及びコアの観察によって得られた事項をボーリング柱状図 表に整理したもの

(3) 採取したコアの標本箱及び全コアをカラー撮影した写真を,次のア)か らウ)により整理したもの

ア) 標本箱及びコア写真は,調査件名,調査年月日,ボーリング番号, 深 度,土質名等を記入する。なお,標本箱及びコア写真が複数となる場合 は,地表に近いものから順に整理番号を付す。

イ) コアは透明なビニールシート又はビニール袋に密閉して標本箱に保管 する。

ウ) 未固結な試料は,1mごと又は地層ごとにプラスチック製の標本ビン に密封して標本箱に保管する。

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-- 登録:平成23年05月 --