「公共事業コスト構造改革」平成17年度の実施状況とりまとめについて

平成18年10月16日
行政効率化
関係省庁連絡会議

これまでの取り組み

    公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議により平成9年1月に策定された行動指針に続き、平成12年9月に「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」(以下「新行動指針」)が策定され、工事コストの低減、工事の時間的コストの低減、施設のライフサイクルコストの低減等総合的なコスト縮減に取り組んできた。
  この結果、平成14年度までに、平成8年度と比較してのコスト縮減率は12.9パーセントとなり、物価、労務費等の下落を考慮した実際の工事コストは20.6パーセントの低減となった。
  さらに、平成15年度からは、新行動指針に加え、公共事業のすべてのプロセスをコストの観点から見直す、「コスト構造改革」に取り組むこととし、その施策プログラムである「公共事業コスト構造改革プログラム」(以下「プログラム」)を策定し、平成15年度から平成19年度までの5年間で、平成14年度と比較して、15パーセントの総合コスト縮減率を達成することを目標としている。
  新行動指針およびプログラムでは、「実施状況については、具体的施策の着実な推進を図る観点から、適切にフォローアップし、その結果を公表する。」こととしており、今回、平成17年度の実施状況をとりまとめ、報告するものである。

1.総合コスト縮減率

  -平成14年度の標準的な公共事業コストと比較して9.6パーセントの縮減

  平成17年度は、政府全体(全府省・全公団等)で、新行動指針に基づく30施策、さらにコスト構造改革プログラムに基づく10施策についてコスト縮減施策を実施(別紙-1-1、1-2)。その結果、平成14年度の標準的な公共事業コストと比較して、総合コスト縮減率は9.6パーセントとなった。また、物価や労務費等の下落を考慮した実際のコスト縮減率は、10.1パーセントとなった(別紙-2)。
  これらの縮減額は、新行動指針及びプログラムの本来の目的に準拠し、社会資本整備の推進に充当し、公共事業全体の進捗を図っている。

全府省・全公団等の平成17年度実績

  総合コスト縮減率等:縮減率:9.6パーセント 縮減額:4,577億円
物価の下落等を含めた縮減率等:縮減率:10.1パーセント 縮減額:4,790億円

  • 注)
    1. コスト縮減実績は、全省庁が共通の考え方で算定作業を実施しており、平成14年度における標準的な公共事業のコストと比較しています。
    2. 総合コスト縮減率とは、従来からの工事コストの縮減に加え、規格の見直しによるコスト縮減、事業の迅速化が図られることによる便益の向上、将来の維持管理費の縮減及び建設資材・建設機械の技術開発や調達改革に伴う生産・流通コストの縮減効果を評価するものです。
    3. 物価の下落等とは、労務単価の低減及び物価変動要因(企業物価指数の変動)です。

2.施策実施事例

  (以下(  )内は対応する新行動指針又はプログラムの施策項目(<参考1>参照)。また、各施策の詳細は<参考2>参照。)

1)公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針 関連施策

工事コストの低減

コスト縮減に資する設計方法の普及(3.設計方法の見直し)
  • 国立公園内の木道の基礎を、現場打ちコンクリートから軟弱地盤新基礎へ変更。
  • 地形改変が小規模で済み、重機を使う必要がなく、人力の施工で済むことで、建設コストを約15パーセント縮減。(環境省)

コスト縮減に資する設計方法の普及(3.設計方法の見直し)

濃縮槽・貯留槽を省略した下水汚泥脱水機の導入(3.設計方法の見直し)
  • 新型汚泥脱水機の使用により、汚泥処理を小規模処理場において可能とした。
  • 汚泥処理工程に貯留槽、濃縮槽が不要となり、建築物規模の縮小化が図れることで、建設コストを約10パーセント縮減。(日本下水道事業団)

濃縮槽・貯留槽を省略した下水汚泥脱水機の導入(3.設計方法の見直し)

「ハット型鋼矢板900工法」の採用によりコスト縮減(4.技術開発の推進)
  • 従来製品と比較し、幅の広い鋼矢板を用いるため施工枚数が2/3に減少
  • 施工の省力化がなされ工期短縮が可能になるとともに、建設コストを約17パーセント縮減。(国土交通省)

「ハット型鋼矢板900工法」の採用によりコスト縮減(4.技術開発の推進)

2)公共事業コスト構造改革プログラム 関連施策

計画・設計から管理までの各段階における最適化

シールド工で二次覆工を省略し、用水路工事のコスト縮減(3.新技術の活用)
  • 新技術を活用して二次覆工一体型セグメントを使用することにより構造・工程を簡略化。
  • 内径は一定であるが、外径が小さくなるため、掘削量や産業廃棄物処理量が減少することで、建設コストを約29パーセント縮減。(農林水産省)

シールド工で二次覆工を省略し、用水路工事のコスト縮減(3.新技術の活用)

防錆剤を用いたライフサイクルのコスト縮減(3.新技術の活用)
  • 桟橋上部コンクリートに防錆剤を使用することで鉄筋の耐久性が2倍になり、20~30年後の改良工事費の縮減が可能になることで、ライフサイクルコストを約50パーセント縮減。(国土交通省)

防錆剤を用いたライフサイクルのコスト縮減(3.新技術の活用)

調達の迅速化

リバースオークションを活用した建設資材の直接調達(1.入札・契約の見直し)
  • 建設資材を自らが直接調達し、発注工事へ支給。
  • 参加企業は、現在の最低入札価格などをインターネットでリアルタイムに把握しながら、一定の時間内で何度でも応札が可能となるため、価格競争の促進が図られる。(予定資材価格を約19パーセント縮減。)(都市再生機構)

リバースオークションを活用した建設資材の直接調達(1.入札・契約の見直し)

お問合せ先

内閣官房副長官補室

内閣参事官 小滝 晃、主査 末満 章悟
電話番号:03‐5253‐2111(内線82415)、03‐5253‐2111(内線82448)、03‐3581‐2528(直通)

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