令和2年6月30日
文部科学省及び経済産業省は、新たな価値の創造を志向した「組織」対「組織」の本格的な連携を更に進めるため、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン【追補版】―産学官連携を通じた価値創造に向けて―」を取りまとめました。
産学官の連携がイノベーションの創出に貢献していくためには、従来の研究者同士の個人的な連携ではなく、互いをパートナーとして認識し、新たな価値の創造を志向した「組織」対「組織」の本格的な連携を行う必要があります。
文部科学省及び経済産業省では、2016年に「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」(以下、「2016ガイドライン」)を策定し、「組織」対「組織」の本格的な連携体制の構築を促してきました。
本取組を一層加速させるため、2016ガイドラインに基づく体制構築に向けて大学等においてボトルネックとなっている課題への処方箋や、産業界における課題とそれに対する処方箋を「追補版」として取りまとめ、公開しました。
2016ガイドラインに基づく産学連携体制の構築に向けてボトルネックとなっている課題への処方箋と、社会情勢の変化に伴う新たな課題への処方箋を提示するとともに、産業界向けの記載を新たに体系化し、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン【追補版】」(以下、「2020追補版」)として取りまとめました。
2020追補版の主な特徴は以下の通りです。
1.産学官連携を「コスト」ではなく「価値」への投資としてとらえ、「知」を価値付け(値付け)する手法(常勤研究者や学生の関与時間に対する報酬、成功報酬等)を整理
2. 「組織」から大学発ベンチャーを含む「エコシステム」へと視点を拡大(大学による大学発ベンチャーの株式・新株予約権の取得等)
3. 大学等と産業界の両者を対等なパートナーとして、産業界向けの記載を新たに体系化
2016ガイドライン及び2020追補版の理解に資するため、実務者にとって実効性が高い具体的な手法や解釈をFAQとして整理しました。
2016ガイドライン及び2020追補版の一層の活用に資するため、大学や企業等の取組事例等を補足するとともに、記載内容へのアクセス性を向上させるため、「ガイドライン検索ツール」としてデータベース化しました。
2016ガイドライン、2020追補版/FAQの考え方を踏まえ、大学等の「知」の価値を評価・算出する方法を実務的な水準まで整理した「産学協創の充実に向けた大学等の「知」の評価・算出のためのハンドブック」を取りまとめました。
内閣府、文部科学省及び経済産業省は、「大学知財ガバナンスガイドライン(大学知財GGL)」を取りまとめました。大学知財GGLは、大学が有する多くのミッションの中でも、大学知財の社会実装機会の最大化及び資金の好循環を達成しようとする場合に必要となる、大学における知財マネジメント及び知財ガバナンスに関する考え方を示すものであり、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」の附属資料として、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」と一体として大学において活用されることが期待されます。
電話番号:03-5253-4111(内線5715)