3.第42回南極条約協議国会議(ATCM)の概要

2019年7月1日から11日までプラハ(チェコ)において,第42回南極条約協議国会議(ATCM42)が開催されたところ,概要以下のとおり。なお,7月1日から5日まで第22回環境保護委員会(CEP22)が開催された。


1 南極条約体制の運用等

(1)2018年5月の第41回協議国会議以降,新たにスロベニアが南極条約を締結し,南極条約の締約国数は54となった。環境保護議定書については,新たに締結した国はなく,締約国数は40のままであった。
(2)ベラルーシより協議国資格の取得申請の意図表明が行われた。
(3)次回協議国会議(ATM43)は,2020年5月25日~6月4日,ヘルシンキで開催されることとなった。


2 南極条約60周年関連

(1)南極条約60周年を記念するプラハ宣言を採択した。
(2)南極条約60周年の機会を捉えて,仏,西が他の協議国とともに南極条約締約国で南極環境保護議定書が未締結の7か国に対して早期締結の働きかけを行った旨報告があった。
(3)南極条約署名以降の60年間の変化を踏まえ,今日,南極条約が取り組むべき課題について意見交換を行った。


3 南極観光等に係る議論

(1)2019年4月に開催された南極観光に関するワークショップについて報告があり,観光等を目的とする南極地域への渡航者の増加,南極観光の形態の多様化等の課題にどう取り組むかについて幅広い議論が行われた。
(2)近年の南極における航空機の運用の増加に伴う安全確保の問題について活発な議論が行われた。


4 環境保護に関する事項(第22回環境保護委員会)

(1)南極と南太平洋におけるプラスチック汚染を減らすための取組に関する勧告を採択した。同勧告は,南極地域に持ち込まれる個人使用のプラスチック製品,排水に含まれるマイクロプラスチック,人間の活動から生じるプラスチック汚染等への取組を内容としている。
(2)9件の南極特別保護地区(ASPA)の管理計画の改定,2件の南極特別管理地区(ASMA)の改定及び4件のサイトガイドラインの改定が承認された。

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