令和2年6月18日(木)14時00分~16時00分
web開催(※文部科学省5階5F2会議室)
石川 尚人 |
国立大学法人 富山大学都市デザイン学部地球システム科学科 教授 |
江淵 直人 |
国立大学法人 北海道大学低温科学研究所 教授 |
神沢 博 |
国立大学法人 名古屋大学 名誉教授 |
神田 穣太 |
国立大学法人 東京海洋大学副学長・学術研究院長 |
坂野井 和代 |
駒澤大学総合教育研究部 教授 |
都留 康子 |
上智大学 総合グローバル学部 教授 |
松岡 彩子 |
国立研究開発法人 京都大学理学研究科附属 |
山口 一 |
国立大学法人 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授 |
横山 広美 |
国立大学法人 東京大学国際高等研究所 |
横山 祐典 |
国立大学法人東京大学大気海洋研究所高解像度環境解析研究センター 教授 |
野尻 琢也 |
国土地理院企画部 国際連携調整推進官 |
田中 恵信 |
気象庁観測部計画課 南極観測事務室長 |
鐘尾 誠 |
海上保安庁海洋情報部沿岸調査課 課長補佐 |
五十嵐 壮雄 |
総務省国際戦略局技術政策課 専門職 |
前野 英生 |
国立研究開発法人情報通信研究機構 |
岩崎 敦志 |
外務省国際協力局地球環境課上席専門官 |
伊豫田 望 |
環境省自然環境局自然環境計画課課長補佐 |
中村 卓司 |
国立極地研究所 所長 |
野木 義史 |
国立極地研究所 総括副所長 |
伊村 智 |
国立極地研究所 副所長 |
堤 雅基 |
第60次南極地域観測隊隊長(兼越冬隊長) |
青木 茂 |
第61次南極地域観測隊隊長(兼夏隊長) |
熊谷 宏靖 |
第61次南極地域観測隊副隊長(兼夏隊長) |
橋田 元 |
国立極地研究所南極観測センター副センター長(観測担当) |
阿保 敏広 |
第62次南極地域観測隊副隊長(兼越冬隊長) |
金子 宗一郎 |
第62次南極地域観測隊副隊長(兼夏副隊長) |
福井 俊英 |
文部科学省研究開発局海洋地球課長 |
河野 広幸 |
文部科学省研究開発局海洋地球課 極域科学企画官 |
小野寺 多映子 |
文部科学省研究開発局海洋地球課 課長補佐 |
《報告事項》
1.前回議事について
2.第60次越冬隊・第61次観測隊の活動結果及び現況について
3.令和元年度外国基地派遣報告について
4.令和2年度南極地域観測事業予算の概要について
《審議事項》
5.第62次南極地域観測の基本的な考え方及び対応方針(案)について
6.第63次南極地域観測計画の概要(素案)等について
7.南極条約第7条5に基づく事前通告のための電子情報交換システム(EIES)(案)について
8.南極地域観測第Ⅹ期6か年計画メインテーマ(案)について
9.その他
主な意見は以下のとおり。
【神沢委員】 4月16日に実施した重点研究の特殊ゾンデ観測は機器トラブルによりデータ取得ができなかったとあるが、ゾンデの種類、機器トラブルの内容、61次越冬隊では何回を予定しているか。
【橋田副センター長】 ゾンデの種類は水蒸気ゾンデ。原因の特定には至っていない。ゾンデ本体ではなく、アンテナ・受信機などハードウェアおよび、観測ソフトを中心に原因究明を実施中である。61次越冬隊では各季節に1回、計4~5回程度を予定している。
【横山(広)委員】 オプションプランを実施する場合の判断基準はどのようになるか。
【野木総括副所長】 オーストラリアの入国等の制限が緩和され、寄港して十分に燃料補給、人員交代ができるということが条件になる。
【石川委員】 COVID-19に関する対策案として船内で感染者が確認された場合について記載があるが、感染しているということを調べるためのいわゆるPCR検査のできる状況にしていくという意味か。
【野木総括副所長】 PCR検査ができればよいが、現状では難しいであろうという点で、抗原検査であるとか、そういったもので判断したいと考えている。
【江淵主査】 教員派遣プログラムも中止ということか。
【野木総括副所長】 今回はかなり人数を絞ることとなるため、教員派遣も難しいと考えている。
【神沢委員】 61次隊でのトッテン氷河の観測で非常に素晴らしい観測ができたということだが、62次隊、63次隊でトッテン氷河の観測をフォローするような計画はあるのか。またその計画は新型コロナウイルスの影響を受けるか。
【野木総括副所長】 62次隊に関しては、オプションプランの実施が可能になった場合には、可能な範囲でトッテン氷河沖での観測を実施したい。63次に関しては、機動的に「しらせ」使うことはないが、復路でのトッテン氷河沖での観測を継続して実施したいと考えている。今後は、南極地域観測第Ⅹ期6か年計画でどのように展開していくかということに焦点が絞られていくかと考えている。
【神沢委員】 その場合62次隊でオプションプランの観測が実施できなかった場合、研究成果として、本来予定していた成果に至らない可能性があるということか。
【野木総括副所長】 トッテン氷河沖に関しては、61次隊で非常に画期的な成果が出た。1年ブランクが空くということは非常に痛手ではあるが、62次、それから先の計画に持っていければと考えている。
【神沢委員】 係留系の回収はないのか。
【野木総括副所長】 係留系の回収もあるため、可能な限り実施したいが、バッテリーは2年持つようにもしてあるため、それで何とか継続できればと考えている。
【横山(祐)主査代理】 海水準の部分に関して、特にIPCCに関連して、2100年までの海水準の予測で一番重要なのは南極であるというところが書いてあるが、その中で特に西南極、その後トッテンといった海洋に着底している氷床の変化が1番重要になってくる。もし2100年までの文脈で捉えるということであれば、特にサブテーマ2にトッテン氷河周辺での観測に着手というよりも、そこを重点的に実施するというようにアクセントを置いてもいいのではないか。というのは、その後、GIAについて記載があり、これも大事なことではあるが、それよりも早い時間スケールで動くのが海洋に着底したトッテン周辺の氷床変動というのがコンセンサスだと思うため、それを前面に出すと次の期での新しい取組という点で、社会的にも重要な貢献であるというところを推せるのではないかと感じる。
【野木総括副所長】 このような観点を含めながら、一方でアイスコアの掘削等もあるため、その兼ね合いでどのような観測にしていくかというのが次のポイントになる。どのようにまとめていくか、今後の検討材料にさせていただきたい。
【江淵主査】 先ほどのⅨ期、Ⅷ期などその前のテーマから見ると、割と時系列的、時間的なイメージの強くなるテーマ案が3つ並んでるというのが私の理解。それまでは割と空間的な、南極から地球全体にとか、極域からというイメージだったのが、もう一歩踏み込んで、過去と現在とそして将来へという話になっているように思う。
【松岡委員】 案の1と案の2には「将来」ということが入っており、宇宙天気の話もあったが、宇宙天気で将来の予測をするというのは、現在のところ物理的に理解することよりもちょっとひとつハードルが上がるというか、イコールではない。
資料では、将来を精度よく予言するということまでは踏み込まれていないと思うが、このテーマを見たときに、そういったことまで期待してしまう人もいるということに気を付けてテーマ設定した方がよいかと思う。
【江淵主査】 案の1と案の2では「探る」という言葉になっており、第Ⅸ期では「迫る」となっている。一度「迫る」としたものが「探る」に戻るということは後ろに戻るイメージがないこともないが、将来予測はやはりそれぐらい難しいことであり、将来予測をやるという確証ではないと理解している。
【神田委員】 江淵主査の整理されたとおり、「将来」という言葉が入るため、「探る」とした方が安全だというのが案の1、案の2の話だと理解した。「将来」を入れずにいくと、「解き明かす」までいかなくてはいけない話だろうから、それが案の3だと思うため、まずはその両者の選択をするのがよいのではないか。「将来」を入れて「探る」のがよいかなというのが個人的な意見である。
【神沢委員】 英語の題名でだったらどのようになるかということを考えながら議論するといいかと思う。案の1が、英語ではThe future global environment system as inferred from past and present Antarcticとなり、よいのではないかと考えている。形式的なことになるが、案の2では南極の過去、現在、それから地球の環境システムの将来となってしまうため、過去と現在の南極、将来の地球環境と言う方が平仄も合っているのではないか。
【江淵主査】 確かに整合性では、過去と現在があり、南極があって、将来の地球環境システムの方が、順番が整合しているというところだと思う。逆にいえば、やはり南極というのをとにかく一番最初に出したいということとどちらがいいかという話かと思う。
【横山(広)委員】 案1、案2どちらもよいと思うが、先ほど英語にした感触としても案1の方が整合がとれているということであれば案1でよいかと思う。
【江淵主査】 1と2は順番の違いであるので、それでは案1で進めることとしたい。
── 了 ──
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