平成30年11月8日(木曜日)15時00分~17時00分
明治記念館1階「曙の間」
委員 |
青木 周司 |
国立大学法人東北大学大学院理学研究科 附属大気海洋変動観測研究センター長 |
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池島 大策 |
早稲田大学国際教養学部 教授 |
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石丸 隆 |
国立大学法人東京海洋大学放射性同位元素管理センター 特任教授 (東京海洋大学名誉教授) |
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江淵 直人 |
国立大学法人北海道大学低温科学研究所 教授 |
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大城 和恵 |
社会医療法人孝仁会 北海道大野記念病院 医師 |
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藤井 理行 |
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所 名誉教授 |
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佐伯 浩治 |
文部科学省研究開発局長 |
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川﨑 茂信 |
国土地理院長(代理:明野基本図情報部長) |
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橋田 俊彦 |
気象庁長官(代理:荻原計画課南極観測事務室長) |
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岩並 秀一 |
海上保安庁長官(代理:加藤海洋情報部長) |
幹事 |
中西 礎之 |
防衛省人事教育局人材育成課長 |
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坂中 靖志 |
総務省国際戦略局技術政策課長(代理:山野技術政策課企画官) |
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平 和昌 |
国立研究開発法人情報通信研究機構電磁波研究所長 |
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犬塚 隆志 |
日本学術会議事務局参事官(審議第二担当) |
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佐藤 正 |
外務省国際協力局地球環境課長(代理:保苅地球環境課長補佐) |
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阿蘇 隆之 |
文部科学省研究開発局海洋地球課長 |
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中村 卓司 |
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所長 |
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榎本 浩之 |
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所 副所長 |
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野木 義史 |
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所 副所長 |
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伊村 智 |
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所 副所長 |
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廣山 久志 |
水産庁増殖推進部研究指導課長(代理:藤本水産研究専門官) |
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飛田 幹男 |
国土地理院企画部長(代理:鵜生川企画部国際課長) |
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髙杉 典弘 |
海上保安庁総務部政務課長(代理:楠海洋情報部海洋調査課長) |
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植田 明浩 |
環境省自然環境局自然環境計画課長 |
オブザーバー |
堤 雅基 |
第60次南極地域観測隊長(兼越冬隊長) |
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原田 尚美 |
第60次南極地域観測隊副隊長(兼夏隊長) |
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橋田 元 |
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所 南極観測センター副センター長 |
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宮﨑 好司 |
「しらせ」艦長 |
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竹内 周作 |
防衛省運用支援課南極観測支援班長 |
事務局 |
小酒井 克也 |
文部科学省研究開発局海洋地球課 極域科学企画官 |
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土井 大輔 |
文部科学省研究開発局海洋地球課 課長補佐 |
1 各委員会等の審議状況について
2 第30回南極観測実施責任者評議会(COMNAP)の概要について
3 第59次越冬隊の現況について
4 平成30年度外国基地派遣について
5 30年度「しらせ」年次検査について
6 第60次南極地域観測隊員名簿について
7 平成31年度南極地域観測事業概算要求の概要について
1 第60次南極地域観測隊行動実施計画(案)について、国立極地研究所、事務局及び防衛省より説明があり、原案のとおり了承された。
2 南極条約第7条5に基づく事前通告のための電子情報交換システム(EIES)(案)について、外務省より説明があり、原案のとおり了承された。
3 第60次南極地域観測隊同行者候補者(案)について、国立極地研究所より説明があり、原案のとおり了承された。
4 第61次南極地域観測隊長・副隊長候補者(案)について、国立極地研究所より説明があり、原案のとおり了承された。
5 第61次南極地域観測隊同行者編成(教員南極派遣プログラム)(案)について、国立極地研究所より説明があり、原案のとおり了承された。
1 南極地域観測事業最近の成果について
2 南極地域観測将来構想 -2034年に向けたサイエンスとビジョン- 中間報告について
「審議事項」及び「その他」に係る主な意見は次のとおり。
【青木委員】
物資の輸送量、燃料に関して、全量が運べた場合には654トンになるが、海氷状況が悪く、越冬に必要な最低限の物資となると、560トンということになっているが、昭和基地の備蓄量というのは今どのくらいあるのか。備蓄量を考えずに運んだ場合にこの程度になるということか。もし全量を運べたとして、昭和基地で1年間で使う大体の量を考えた場合、全量運んだ場合の備蓄量として積算できる量というのはどの程度か。
【野木副所長】
備蓄量としては基本的には1年分は十分もつ備蓄量を確保しており、最低560トン運べれば必ず次の1年ももつぐらいになるので、そこは確保しながらやっていきたい。
【青木委員】
昭和基地で基本観測棟が作られて、新しく使えるようになるが、昭和基地は建物がたくさんあって、越冬の人数に比べてかなり多い。多ければ、維持管理にロードが掛かるが、基本観測棟の完成によってこれまで使っていた建物で、使わなくなる建物は何棟あるか。
【野木副所長】
基本観測棟に移る部分としては気象、地学系、電離層、環境科学棟の4棟分が集約されるという形になる。その後の建物解体等は順次行っていきたい。
【藤井委員】
隊長、副隊長候補者の3名について、性格、経験などを含めたリーダーとしての資質に3人とも大変優れている。この3人の候補に賛成する。
【池島委員】
今回の教員南極派遣プログラムについては期間を短縮するということで、1回になることは賛成だが、もし期間が元のように戻ればどうなるのか。
【野木副所長】
61次では、重点研究観測のサブテーマ2を集中的に実施するための時間を確保するために昭和基地の活動期間を短くすることにしている。62次は元の状態に戻す予定であり、定常的には2名としたい。
【藤井委員】
南極授業はアウトリーチとして非常に大事な活動である。62次以降戻るだろうという話だったが、基本的なアウトリーチ活動、南極観測事業から縮小するような方向で考えてほしくない。
【野木副所長】
縮小する方向では考えていない。今回は、こういう観測の期間をとるため、このような形で提起させていただいた。
【藤井委員】
4点ほど。1番目として、国際協力の観点が欠落しているのではないか。目次の中に国際協力というのが見えない。プラットフォームの船を含めた、あるいは観測基地を含めたプラットフォームの展開というのが盛んにこの中で言われている。例えばそのような国際協力プラットフォームやプロジェクト、研究者、技術者の一層の交流等も含めた国際協力の視点を目次のどこかに入れておくといいのではないか。
2番目は、2034年、15年後ぐらいだが、多分想像のつかない世界がかなりあると思われる。今で言われている革新的な技術、例えばAIはどのぐらい15年後に進歩しているか、ほとんど想像がつかない。エネルギー分野でも、特に低温関係で強いようなエネルギー技術の革新的な技術なんかも増えているし、衛星に関しても今では想像もつかないような技術が実現しているのではないかと思う。極地研究所は工学部門もあり技術者も結構いるが、こうした革新的な技術に関してはやはり民間が強い。将来に向けた民間との協力というか、極地研究所は昭和基地附属観測施設なので、そこを利用した低温環境を利用した開発実験なんかもできるというメリットがある。革新的技術をもっと積極的に導入していくような仕組みを取り入れたらどうか。
3番目は、こうした国家事業としての南極観測というのは国民の理解が極めて大事だと思う。アウトリーチ、それから、研究者が利用しているデータの一層の公開、それをもう少し分かりやすく、例えば中学高校の教育の現場でも使えるようなデータを積極的に出すとか、あるいは昭和基地から発信する等、国民の理解というのが目次に一言入っているぐらいのことが必要なのではないか。
4番目、「知のフロンティア」という言葉に若干抵抗がある。地球でもまだまだフロンティアは南極なんだという意味で地球の「地」にしたらどうか。両方言いたければ「地知のフロンティア」としてもいいかもしれない。また、図や、表、写真がほとんどなくて、最初に出てくるのがトウゾクカモメの写真である。もう少し読みやすい工夫をしてほしい。忙しい人にはゴシックのところだけ見てほしいというような工夫も中間報告をブラッシュアップするために必要ではないか。
【野木副所長】
1点目、国際協力に関しては、意識はしているものの、ここは日本としてどう進めていくかというのでまとめたので、その辺りは検討したい。
次の技術革新、確かに今のスマホは今の時代にこんなことになっているかというのは想像できなかったのと一緒だと思う。無人機、無人探査等も含めて、その話は出てはいるが、うまく主張が見えないところだと思う。その辺りはまた工夫したいと思う。特に民間とのコラボについて。
もう1点は、2034年ということで、例えばアウトリーチは今からでもずっとやっていかなければいけない部分ということで、今回はあえてそこには記載せず、もっと長期的なところだけをスポットしたというふうに御理解いただきたい。
それから、知のフロンティアのところは検討させていただきたい。
写真等について、今回は中間報告のため一部しか入れられないが、かなりしっかりしたものを作らなきゃいけないというイメージは持っている。最終的な形は見やすくて、スマートというかパンチのあるようなものにしたいと思っている。
【池島委員】
1点目は「しらせ」について。この砕氷船、また、観測船という位置付けとして、今後どのような形になるのか、かなり関心を持っている。基本的にはそれなりの予算と言うか、もちろん国民的な理解を基に具体的な日程に載せていくということだが、それについて今後の見通しは。例えばアメリカでは砕氷船をどうするというのはいつも出てきて、そのときに議会への予算申請とか、そういうことが必ずあるので、若干今後の見通しが出ればいいかと思った。
もう1点、南極地域観測ということなので、南極に特化された記述なのは分かりるが、北極との関係とか、極域という形での見方というものが今後出てこないか。どこか章立てを付けるなり、それとの関連というものを極域観測という形で捉える可能性というのは必要ないのか。
【野木副所長】
まず「しらせ」、砕氷船の必要性というのをしっかり国民の方にも御理解いただいてというステップを踏んでいくための取っ掛かりのような形というふうに考えていただきたい。
もう1点、全球的な視点というところで、実は両極をちゃんと扱わなきゃいけないという視点はしっかり含めましょうということは案に書いてあるが、コネクションの話も出てくるが、結局南極の方にフォーカスしたという形になっている。しかし、記載方法等でまた考えたい。
【藤井委員】
この極地研の将来構想を受けて、本部としてはこれを今後どういうふうに取り組んでいかれるか。
【小酒井極域科学企画官】
第Ⅹ期は、開始1年ぐらい前には策定されると思うので、少しでもこういったものが取り入れられるような形で進めていければと思っている。
事務局より、次回の総会は来年6月を予定しており、それまでの間、緊急を要する案件などについては
本部連絡会において御審議いただく旨の連絡があった。
土井(ドイ)・小林(コバヤシ)・奥村(オクムラ)・樋口(ヒグチ)・岡村(オカムラ)
電話番号:03-5253-4111(内線4144)・03-6734-4144(直通)