3.第35回南極研究科学委員会(SCAR)総会の概要

南極研究科学委員会(SCAR)と北極科学委員会(IASC)が合同でPOLAR2018を主催し、両極の研究関係者が一堂に会した。SCARはこの年、設立60周年を迎えた。


1.会期

2018年6月15日~6月26日(12日間)

6月15~18日:SCAR、IASCの各委員会やワーキンググループが開かれた。
6月19~23日:SCAR/IASC合同のオープンサイエンスシンポジウムが開かれた。
6月24~26日:SCAR 代表者会議(総会) & 北極観測サミット(AOS2018)が開かれた。


2.開催地

スイス(ダボス)


3.POLAR2018参加状況

参加国:46カ国  参加者:約2400名  日本人参加者:約60名


4.POLAR2018全般

内容

1.政策立案者との関係や、南極を巡る社会科学の位置付けなどに関する議論が行われた。
2.南極の生態系保護に関する議論の高まりを感じさせる局面が目立った。

日本が果たした役割

1.多くの研究者が会議に参加し、研究発表・討議に貢献した。
2.中村国立極地研究所長が、物理科学グループ総会にて日・米・英・豪・ブラジル・韓の南極大気重力波国際観測網のアクショングループ設置提案を行ったほか、金尾雅紀准教授(情報・システム研究機構)が南極データマネージメント委員会(SCADM)の副議長となり主導的役割を果たした。


5.SCAR総会出席者

中村 卓司

国立極地研究所長

日本学術会議地球惑星科学委員会国際対応分科会
SCAR小委員会委員、SCAR日本代表

伊村 智

国立極地研究所副所長

日本学術会議地球惑星科学委員会国際対応分科会
SCAR小委員会委員長、SCAR日本副代表


6.SCAR総会内容

1.副会長を務めたTerry Wilson(オハイオ州立大学、米)、Azizan Samah(マレーシア南極研究センター、MY)が任期満了、同じく副会長のKarin Lochte(アルフレッド・ウェゲナー研究所、独)が2年の任期を残しての交代となり投票を行った。結果、M. Ravichandran(NCPOR、印)とGary Wilson(オタゴ大学、NZ)が4年任期、Catherine Ritz(グルノーブル・アルプ大学、仏)が2年任期の副会長として選出された。
2.ウクライナの正会員への復帰、ポルトガルの正会員としての参加が認められた。また、ベラルーシの准会員としての参加が認められた。その他、2020年にベネズエラが准会員への申請を予定している。
3.Steven Chown会長(モナシュ大学、豪)より分野横断的なプログラムの提案推奨と外部資金獲得への努力が求められた。
4.次期計画グループとして、以下の3件の提案があり、認められた。
 ・Integrated Conservation Planning for Antarctica and the Southern Ocean (Ant-ICON)
 ・Near-term Variability and Prediction of the Antarctic Climate System (AntClimnow)
 ・Antarctic Ice sheet dynamics & Global see level
5.次回2020年は、7/31-8/11にオーストラリアのホバートで開催される。2022年は、8/19-8/28にインドのハイデラバードを予定している。

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

土井(ドイ)・小林(コバヤシ)・奥村(オクムラ)・樋口(ヒグチ)・岡村(オカムラ)
電話番号:03-5253-4111(内線4144)・03-6734-4144(直通)