平成28年3月9日
平成28年度科学研究費助成事業「新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』」の採択事業計画が決定しましたので、お知らせいたします。
文部科学省では、平成22年度より「新学術領域研究(研究領域提案型)『生命科学系3分野支援活動』」(以下、「旧制度」という)を実施し、研究者の自由な発想に基づく個々の学術研究に対して研究支援、リソース・技術開発支援を行うことにより、がん、ゲノム、脳の3分野の学術研究の推進に資する研究支援基盤形成を図ってきました。旧制度における課題を踏まえ、科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会において審議を行い、平成28年度より、旧制度を「新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』」(以下、「本制度」という)として発展強化させ、実施することとしました。
本制度では、「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を助成する科学研究費助成事業により実施されている個々の研究課題に関し、研究者の多様なニーズに効果的に対応するため、大学共同利用機関、共同利用・共同研究拠点を中核機関とする関係機関の緊密な連携の下、学術研究支援基盤(以下、「プラットフォーム」という)の形成を図る制度です。本制度は、こうしたプラットフォームの形成により、科学研究費助成事業に係る個々の研究課題への技術支援等※を実施し、研究者に対して問題解決への先進的な手法を提供するとともに、研究者間の連携、異分野融合や人材育成を一体的に推進し、我が国の学術研究の更なる発展に資することを目的としています。
※「技術支援等」とは、幅広い研究分野・領域の研究者への設備の共用による技術支援のほか、リソース(資料・データ、実験用の試料、標本等)についての収集・保存・提供や保存技術等の支援をいう。
本制度は、研究活動に係る経費を助成するものではなく、研究支援に係る経費(プラットフォームの運営に係る業務実施費、人件費、装置の運転・維持管理費等)を助成するものです。
本制度は、次の2つのプログラムで構成されています。
(1)複数の施設や設備を組み合わせることにより、先端性又は学術的価値を有し、幅広い研究分野・領域の研究者への設備の共用、技術支援を行う「先端技術基盤支援プログラム」
(2)研究の基礎・基盤となるリソース(資料・データ、実験用の試料、標本等)についての収集・保存・提供や保存技術等の支援を行う「研究基盤リソース支援プログラム」
(1)公募
公募期間:平成27年10月1日から11月18日
公募方法:文部科学省ホームページへの掲載
審査対象件数:「先端技術基盤支援プログラム」4件、「研究基盤リソース支援プログラム」10件
(2)審査の方法
外部有識者により構成される「学術研究支援基盤形成委員会」(委員の氏名等については任期終了まで非公開)において、書面審査及びヒアリング審査を実施しました。
「先端技術基盤支援プログラム」3件、「研究基盤リソース支援プログラム」3件
区分 |
プラットフォーム名 |
中核機関 |
研究支援代表者 |
支援機能 |
実施期間 |
研究基盤リソース支援プログラム |
地域研究に関する学術写真・動画資料情報の統合と高度化 |
国立民族学博物館 |
吉田 憲司 |
地域研究画像デジタルライブラリ |
平成28~30年度 |
大阪大学・核物理研究センター |
中野 貴志 |
研究用の短寿命RIを加速器を用いて製造し供給する。 |
平成28~30年度 |
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東京大学・医科学研究所 |
今井 浩三 |
生体試料支援・コホート・臨床検体・一般健常人・大規模ゲノム解析・オミックス解析 |
平成28~33年度 |
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先端技術基盤支援プログラム |
生理学研究所 |
狩野 方伸 |
光学顕微鏡技術支援、電子顕微鏡技術支援、磁気共鳴画像技術支援、画像解析技術支援 |
平成28~33年度 |
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東京大学・医科学研究所 |
今井 浩三 |
モデル動物技術講習、若手育成、国際交流、モデル動物作製、遺伝子改変、ゲノム編集、病理形態解析、行動解析、薬物感受性、光遺伝学、多機能電極、ゼブラフィッシュ、分子探索・プロファイリング(細胞表現型、化合物ライブラリー、機能ゲノミクス、バイオインフォマティクス) |
平成28~33年度 |
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国立遺伝学研究所 |
小原 雄治 |
先進ゲノム解析 |
平成28~33年度 |
※がついている4事業計画については、連携促進・調整・情報共有を図ることが有用と判断されたため、「連携推進協議会」を設置する。
研究振興局学術研究助成課科学研究費第二係
-- 登録:平成28年03月 --