科学研究費補助金(基盤研究等)交付要綱

平成11年4月12日
文部大臣裁定
改正 平成13年4月 2日
(文部科学大臣決定)
改正 平成14年 4月 1日
改正 平成14年11月11日
改正 平成15年 9月 8日

(通則)

1条 科学研究費補助金(基盤研究等)(以下「補助金」という。)の交付については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号。以下「法」という。)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和30年政令第255号。以下「施行令」という。)及び科学研究費補助金取扱規程(昭和40年文部省告示第110号)に定めるもののほか、この要綱の定めるところによる。

(交付の目的)
2条 この補助金は、独立行政法人日本学術振興会(以下「振興会」という。)に対し、独立行政法人日本学術振興会法(平成14年法律第159号)第15条第1号に基づき振興会が行う事業に要する経費として補助し、振興会が行う業務の円滑な推進を図り、もって我が国の学術研究の進展に寄与することを目的とする。

(定 義)
3条 この要綱において科学研究費補助金(基盤研究等)とは、科学研究費補助金の研究種目のうち、次に掲げるものをいう。
(1) 科学研究費のうち基盤研究及び奨励研究に係るもの
(2) 研究成果公開促進費(研究成果公開発表に係るものを除く。)
(3) 審査・評価・分析経費
2 この要綱において「萌芽研究等」とは、科学研究費補助金の研究種目のうち、次に掲げるものをいう。
(1) 科学研究費のうち萌芽研究及び若手研究に係るもの

(2)

特別研究員奨励費
(3) 学術創成研究費

(交付の対象及び補助金の額)
4条 文部科学大臣は、次の各号に掲げる事業(以下「補助事業」という。)を対象に、 補助金を交付するものとする。
(1 )振興会がこの補助金を財源として行う前条第1項第1号及び第2号に規定する研究種目に係る事業で、次に掲げるものを対象とする補助金の交付
(イ)学術上重要な基礎的研究( 応用的研究のうち基礎的段階にある研究を含む。)で、研究者(振興会特別研究員を含む。以下同じ。)が一人で行うもの又は研究者二人以上が同一の研究課題について共同して行うもの。
(ロ)学術研究の成果の公開で、個人又は学術団体が行うもの。
(2 )振興会がこの補助金を財源として行う前条第1項第3号に規定する審査・評価・分析経費に係る事業で次に掲げるもの(以下「審査・評価・分析事業」という。)
(イ)補助金(審査・評価・分析経費を除く。)の交付に関する事業
(ロ)萌芽研究等の審査・評価等に関する事業
(ハ)科学研究費補助金に係る申請動向等の分析に関する事業
 前項の規定にかかわらず、同項第1号に規定する補助事業が、法第17条第1項の規定により科学研究費補助金の交付の決定が取消された事業(以下「交付決定取消事業」という。)を行った研究者が行う事業を対象とするものである場合には、文部科学大臣は、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める期間、補助金を交付しないものとする。ただし、第3号に掲げる場合に該当する場合における当該研究者が、既に交付の決定が行われた事業と計画調書上同一の計画に基づいて行う事業については、この限りでない。
(1 )当該研究者が当該交付決定取消事業を行うに当たり法第11条第1項の規定に違反した場合(次号に掲げる場合を除く。) 法第18条第1項の規定により当該交付決定取消事業に係る科学研究費補助金の返還が命じられた年度の翌年度以降2年間
(2 )当該研究者が当該交付決定取消事業を行うに当たり法第11条第1項の規定に違反して科学研究費補助金の他の用途への使用をした場合 法第18条第1項の規定により当該交付決定取消事業に係る科学研究費補助金の返還が命じられた年度の翌年度以降2年以上5年以内の間で当該他の用途への使用の内容等を勘案して相当と認められる期間
(3 )当該研究者が、前2号に掲げる場合に該当してその行う事業に科学研究費補助金を交付しないこととされる研究者と共同して当該交付決定取消事業を行った場合(前2号に掲げる場合を除く。) 法第18条第1項の規定により当該交付決定取消事業に係る科学研究費補助金の返還が命じられた年度の翌1年間
 補助対象となる経費は、補助事業に要する経費のうち補助金交付の対象として文部科学大臣が認める経費とし、補助金の額は予算の範囲内で定額とする。

(申請手続等)
5条 振興会は、補助金の交付を受けようとするときは、別紙様式(1)による交付申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。
 振興会は、前条第1項第1号に規定する事業について、前項の交付申請書を提出するに当たっては、あらかじめ、別紙様式(2)の科学研究費補助事業計画書を文部科学大臣に提出し、承認を得なければならない。
 振興会は、前条第1項第2号ロに規定する事業について、その結果を文部科学大臣に報告しなければならない。
 文部科学大臣は、第2項の承認をしたとき又は前項の報告を受けたときは、当該承認の結果又は報告を科学技術・学術審議会に報告するものとする。
 文部科学大臣は、前条第1項第2号ハに規定する科学研究費補助金に係る申請動向等の分析に関する経費による事業の成果について印刷その他の方法により公表することができる。

(交付の決定等)
6条 文部科学大臣は、交付申請書に基づき交付決定を行い、交付決定通知書を振興会に送付するものとする。
 振興会は、補助金の交付を受けたときは、交付された補助金(審査・評価・分析経費を除く。)の額に相当する金額を速やかに研究者に交付しなければならない。

7条 振興会は、第5条第1項に規定する交付申請書に記載する内容を変更するときは、次に掲げるものを除き、あらかじめ文部科学大臣の承認を得なければならない。
(1 )研究者の所属及び職の変更
(2 )研究代表者の変更のうち、振興会の会長が認めるもの
(3 )前号に掲げるもののほか、文部科学大臣が別に定める軽微な変更
 前項各号に掲げるものについては、その変更内容について文部科学大臣に報告しなければならない。

(実績報告)
8条 振興会は、補助事業が完了した日の属する年度の翌年度の7月31日(廃止の承認を受けたときは、そのときから1ヶ月以内、)までに、別紙様式(3)による事業実績報告書を文部科学大臣に提出しなければならない。
 振興会は、補助金の交付の決定に係る国の会計年度が終了した場合は、当該終了年度の翌年度の4月30日までに別紙様式(4)による事業実績報告書を文部科学大臣に提出しなければならない。

(補助金の額の確定等)
9条 文部科学大臣は、前条第1項の報告を受けた場合に、事業実績報告書の審査及び必要に応じて調査を行い、その報告に係る補助事業の実施結果が補助金の交付決定の内容及びこれに附した条件に適合すると認めたときは、交付すべき補助金の額を確定し、振興会に通知するものとする。

(交付決定の取消等)
10条 文部科学大臣は、補助事業の中止又は廃止の申請があった場合及び次に掲げる場合には、第6条の交付の決定の全部若しくは一部を取消又はその内容若しくはこれに付した条件を変更することができる。
(1 )振興会が補助金を補助事業以外の用途に使用した場合
(2 )振興会が補助事業に関し不正、その他不適当な行為をした場合
(3 )交付の決定後生じた事情により、補助事業の全部又は一部を継続する必要が無くなった場合

(補助金の返還)
11条 文部科学大臣は、補助金の交付決定を取り消した場合、当該補助事業の当該取消に係る部分に関し、既に補助金が交付されているときは、期限を定めてその返還を命ずるものとする。

(帳簿関係書類等の整備)
12条 振興会は、この補助金の収支に関する帳簿及び関係書類並びに補助金の配分及び交付等に関する資料を整備し、交付を受けた年度の終了後5年間保存しておかなければならない。

(調査及び報告等)
13条 振興会は、補助事業(審査・評価・分析経費に係るものを除く。)の適正な執行を図るため必要があると認めるときは、研究者から報告を受け又は実地に調査し、若しくは指導するものとし、その結果を文部科学大臣に報告するものとする。

(事業遅延等の届出)
14条 振興会は、補助事業が予定の期間内に完了することができないと見込まれる場合又は補助事業の遂行が困難となった場合においては、速やかに文部科学大臣に報告し、その指示を受けなければならない。

(状況報告)
15条 振興会は、補助事業の遂行及び収支状況について、各四半期(ただし第4四半期を除く。)終了後10日以内に、別紙様式(5)により状況報告書を作成し、文部科学大臣に提出しなければならない

(取扱要領)
16条 研究者からの振興会への申請その他この補助金の取扱に関する細目は、振興会において定める日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究等)取扱要領(以下「取扱要領」という。)によるものとする。
 振興会は、前項の取扱要領を定めるに当たっては、文部科学大臣に協議するものとする。

(契 約)
17条 振興会は、審査・評価・分析事業を遂行するため契約を締結し、支払いを行う場合は、国の契約及び支払いに関する規定の趣旨に従い、公正かつ最小の費用で最大の効果をあげるよう経費の効率的な使用に努めなければならない。

(財産の管理等)
18条 振興会は、審査・評価・分析経費により取得し、又は効用の増加した財産(以下「取得財産等」という。)については、審査・評価・分析事業の完了後においても、善良な管理者の注意をもって管理し、審査・評価・分析経費の交付の目的に従って使用し、その効率的な運用を図らなければならない。
 取得財産等を処分することにより、相当の利益があった場合には、文部科学大臣は振興会に対し、交付した審査・評価・分析経費の全部又は一部に相当する金額を国に納付させることができる。

(財産の処分の制限)
19条 取得財産等のうち、施行令第13条第4号の規定により、文部科学大臣が定める機械及び重要な器具は、取得価格又は効用の増加価格が1個又は1組50万円以上の機械及び重要な器具とする。
 施行令第14条第1項第2号の規定により文部科学大臣が定める期間は、審査・評価・分析経費の交付の目的及び減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)を勘案して、文部科学大臣が別に定める期間とする。

(成果の取扱い)
20条 文部科学大臣は、振興会が、審査・評価・分析事業の成果により相当の利益を得た場合には、その利益の範囲内において審査・評価・分析経費の返還を命ずることができる。

(その他)
21条 この要綱に定めるもののほか、この補助金の取扱に関し必要な事項は、その都度文部科学大臣が定めるものとする。

附 則
 この交付要綱は、平成14年4月1日から施行し、平成14年度予算から適用する。

附 則
 この交付要綱は、平成15年9月12日から施行する。ただし、第2条の改正規定は、 平成15年10月1日から施行する。
 改正後の交付要綱第4条第2項の規定は、法第18条第1項の規定により科学研究費補助金の返還が命じられた日がこの交付要綱の施行日前である交付決定取消事業を行った研究者が行う事業については、適用しない。

附 則
 この交付要綱は、平成16年4月1日から施行する。
 第4条第2項第3号の規定は、この交付要綱の施行前に交付の決定が行われた科学研究費補助金に係る交付決定取消事業を行った研究者については、適用しない。

-- 登録:平成21年以前 --