文部科学省改革実行本部(第4回)議事要旨

日時:令和2年7月13日(月曜日)13時30分~14時00分
場所:文部科学省3階 第2特別会議室

出席者

萩生田大臣(本部長)、亀岡副大臣、上野副大臣、青山大臣政務官
(事務方)藤原事務次官、芦立文部科学審議官、山脇文部科学審議官、柳官房長、串田総括審議官、ほか事務担当官

議題

(1)文部科学省創生実行計画のこれまでの進捗状況と今後の取組について

概要

○省改革についてはそれなりに進んできているが、まだ道半ばである。
組織風土改革の契機となった再就職等規制違反問題と幹部職員の逮捕・起訴事案はいずれも幹部が絡んだ事案だった。それぞれの幹部の問題であるということと併せて、なぜそういう問題を起こしてしまったのかということを考えると、本来はその幹部を育ててきたOBや、人材育成してきた人事にも遡って考える必要がある。
これまでもOBの影響力の排除、ということを言ってきた。良い意味でのOBのアドバイスは必要だが、悪い意味での影響力は排除しながら、例えば人事について、介入のようなことに屈せずに、きちんと大臣の下で対応するということを引き続き行うことによって、今後も組織風土改革に対応していきたい。

○人材育成については、最近若い人たちが入省して間もなく辞めていってしまうという問題がある。要因としては安月給や長時間労働、あるいはやりたい仕事が与えられないなど様々あると思う。これはどの組織でも共通の課題であり、職員がやる気を持てるようにし、長時間労働の対策を行うなど働き方改革も必要であるが、ここにいる幹部一人一人が常にそういう問題意識を持ちながら、「取られたら取り返す」くらいの気持ちで若い人材を外から採用してくることを考えていくことが必要である。

○先週内閣人事局が公表した国家公務員のアンケートによると、20代男性の約15%が数年内に辞職をしたい意向であるということだった。7人に一人は数年内に辞めたいと思っているというような事態である。理由は仕事の無駄が多い、効率が悪い、やる気を感じられない等々あると思う。文部科学省でも若い人が辞めていっているので、ここはしっかりと対処していかないといけない。
職員の意識調査結果を見ると、管理職は改革が大分進んだと思っているけれど若手はそうは思っていない。ギャップがあることをしっかり意識して、業務の配分、仕事のやり方を見直し、例えば残業代を足りるようにすることなどを総動員でやるべきである。
現在、「科学技術ワクワク挑戦チーム」という形で意欲のある若手を30~40人公募して、所掌事務を超えた提案型政策の立案を進めており、組織の再編についても議論している。縦割りを正し、しっかりとしたオーガニックな政策、挑戦する政策ができるように引き続き行っていきたい。

○職員の意識調査結果や超勤の縮減に関するデータなど、再生の兆しが見えてきており、数字として成果が出ていると感じる。
その一方で、教員の働き方改革についても、文部科学省はその見本となり、教員の負担軽減も図っていくという立場なので、是非省内でも働き方改革を進めてほしい。現在も進んでいるが、ここにとどまることなく、今後の課題についても引き続き取組を進めてほしい。

○これからアフター・コロナ、ウィズ・コロナそしてニューノーマルに向けたソリューションを作っていかなければならない。その中心でもある教育、そして文化・芸術・スポーツといった人の感動を支える分野で、文部科学省が先頭に立って人づくりや、文化・スポーツの環境づくりをどう行っていくかがとても大事である。
文部科学省が毅然(きぜん)として、何ができるか、何をすべきかをよく考えながら、さらには文化関係者・スポーツ関係者は文部科学省を頼りにし、必要としていることを忘れずに、頼られることに誇りを持って仕事ができるような職場環境を作ってほしい。
若手とも時々話をするがとても良いアイデアをたくさん持っている。そんなアイデアを是非皆さんで聞いて、相談して、より良い文部科学省の環境整備をしてほしい。

○特に役所では当たり前と思いがちであるが、前任者のやってきたことを受け継いでいくということが大事なのではない。常に時代は変わっている。
自分たちが何ができるのか、そして誰のためにやっているのか、何ができたのか、ということを求める情熱が、後輩たちが付いてくる一番の原動力になっていく。単に与えられた仕事をやるのではなく、文部科学省の中で今、自分たちが何をやっているのか、人が何を思っているのか、といったことを常に考え、情熱を持って仕事に当たっていくことが全ての改革につながっていく。若手も含めてそのような情熱を持ち、皆が「よし、私たちもやろうじゃないか」という気になってくれるとよい。
もう一回原点に返ってほしい。大事な省の改革というのは、自分自身が変わることによって変えられるんだ、変えるんだ、という気持ちで頑張ることが大事だと思うので、是非誇りとプライドを持って、後輩の目標となるような仕事をしっかりとやり、結果を出してほしい。

○新人職員と懇談会を行ったが、皆明るくて前向きでうれしく思っている。彼らに今、大きく2つのことを伝えている。一つは、入省間もない人が辞めていくというトレンドに関して、将来壁にぶつかって、転職を考えることがあったとしても、その壁から逃げるのはやめてほしいということ。理不尽なこともたくさんあるけれども、壁にぶつかったときにはそれを超えていく努力をまずしてほしいなというのが1点。
二つ目は、民の感覚というものを是非身に付けてほしいということ。書き物を読むのではなく肌感覚で覚えて、国民の皆さんと同じ目線で仕事ができるような役人になってほしい。
元々この実行本部の設置はOBや現職を介しての再就職あっせんの問題があったからだが、そのことによって多くの優秀な幹部を失い、各業務に支障を来しているので、もう二度とこういうことがあってはならない。まさしく民の感覚で知恵を絞っていけば、きちんとした仕組みができたはずである。
文部科学省は若いうちにはあまり民と接する機会がなく、ある程度のポジションになって初めて民間と丁々発止(ちょうちょうはっし)にやり合う。民間の皆さんと若いうちから話をしていれば、コスト意識と行政との間でかみ合わないこともあるかもしれないが、行政にメリットのある結果につながることがたくさんある。
こういう事案が起こると、危ないところには近づかない方が良いという風土になり、結果として民間の感覚を捉えることができなくなることは、長い目で見たときに役所にとってマイナス、である。役所が内向きになると、国民は今どんなことを考えているのか、どういうことを望んでいるのかが分からなくなってしまう。コンプライアンスに沿って、大いに積極的に民間と付き合って感覚を磨いてほしい。そして、しっかり民間と伍(ご)してやり合えるような役所になってほしい。
まだまだ改革は道半ばであり、考えなくてはならないことがたくさんある。若い人たちがやる気を失わないように声をくみ上げ、必要であれば政務三役も現場に出ていき、幹部がリーダーシップを発揮し、所掌事務に関わらず文科省が一丸となって新たな課題に取り組むという姿勢を示してほしい。
プロとしての自覚を持ち、最前線にいる若い人たちを守りながら、日本の教育、科学技術・学術、スポーツ、文化をしっかり前に進めていく文部科学省にしてほしい。

以上

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