文部科学省創生実行本部(第1回)議事要旨

日時:平成30年11月19日(月曜日)16時00分―17時20分
場所:文部科学省15階 15F1会議室

出席者

柴山大臣(本部長)、樫谷構成員、菊地構成員、城山構成員、山田構成員、
永岡副大臣、中村大臣政務官、白須賀大臣政務官
(事務方)藤原事務次官、山脇文部科学審議官、芦立文部科学審議官、生川官房長、瀧本総括審議官、ほか事務担当官

議題

(1)開会挨拶
(2)文部科学省からの報告
・文部科学省幹部職員の事案等に関する調査報告(中間まとめ)について
・文部科学省未来検討タスクフォースの進捗状況について
・今後の文部科学省の在り方を考えるタスクフォースを踏まえた取組状況について
(3)意見交換

概要

〔総論〕

○今回の幹部の不祥事のような出来事は、10年サイクルで様々な省庁で発生している。政府全体に気の緩みがあるのではないか。一般に、社会的期待の大きい省庁が問題を起こしているとも言え、期待に対してどうすればいいのか模索していく過程で、よからぬ方向へ進んでしまった結果である。
○個別の事柄について、「ダメ」というだけでは職員のモチベーションは上がらないことから、前向きで建設的な立て付けにしていくのが、本本部の役割。
○本本部の名称が「再生」ではなく「創生」となっているのは、同じことを繰り返すのではなく、新しく生まれ変わるという意識が見える。
○今回の事案は改革するチャンスだと思っている。追い詰められている状況だからこそ改革に着手できる。
○効率化は大事だが、もっと大事なことは、自分達の政策・ミッションを再度捉え直し、やるべきことに取り組んでいくことである。
○提言は、まとめて終わりではなく、定期的に見直して具体的な行動計画に落とし込んでいくなど、継続して取り組んでいくべき。

〔文部科学行政、文部科学省が目指すべき姿〕

○不祥事が続き、職員の意欲が下がっていないか心配。職員が意欲を持って活き活きと働ける環境を作ることが一番大事。教育や科学技術は、国民の期待がものすごく大きく、長期にわたるものなので、意欲をもってやっていかなければならない。
○文部科学省の仕事は、小さな子供達や、勉強や学習や研究をしたい人達をサポートする仕事であることを絶対に忘れてはいけない。日本の将来を背負って立つ人達のための役所であることを全体で認識して仕事をしていただきたい。

〔目指すべき政策形成の在り方〕

○旧文部省と旧科学技術庁の組織文化の違いはあるが、AI技術の進展により教育政策に大きな変化が生じ得ることを踏まえ、Society 5.0に向けた政策立案で、旧文部省、旧科学技術庁の縦割りを越えて連携すべき。

〔政策立案・実行機能の強化〕

○これまで文部科学省において改革方策について議論されてきているが、EBPM、重大事案に対応する即応人材の事前指名制、勉強会の実施などによる専門性の向上、ネットワークの構築などが取り上げられており、これらは重要なこと。このような若手の能動的な動きをサポートしていくことが大事。

〔組織体制・組織文化の在り方〕

○旧文部省と旧科学技術庁は対照的な文化というイメージがあり、省としての組織文化を作っていくということが十分になされていなかったのではないか。
○文部科学省は、権威に対して従順である。権威に従順で、主張すべきところを主張できないということであれば、道を間違えることもあるのではないか。
○文部科学省の職員はとても真面目。1990年代に各省が問題を起こしていた中、文部科学省は真面目だからこそ、大きな問題がなくここまできたが、ガラパゴス化しており、自分の身を変えてこなかった。
○天下りは、文部科学省の体質は他省庁が驚くほど古い体質だったことの表れだと思う。今まで多くの役所で問題があったのに、文部科学省はなぜ今までそれを認識せずにここまできてしまったのか。本当に襟を正していただきたい。
○今回の収賄の事案について、起こした職員の個人的な問題だと片付けてはいけないが、文部科学省の職員と関わる中で、多くの職員は倫理観を持っていると感じる。
○行政を行うときには、ダブルチェック以上のチェックが利く体制が担保されている必要がある。
○規制を厳しくすることは簡単だが、新たに事案が発生した際にさらに規制が厳しくなる可能性もある。事案が発生した際に当該事案をどのように問題解決するのかという点を大事にしてほしい。

〔人事政策上の対応、行政官としての在り方〕

○利権に群がる人達が集まる可能性はどの省庁・部局にもある。自分達が持っている権限をいかに全体の奉仕者として公正に実行するかということに対する構えが甘いのではないかと感じる。
○外部と一切付き合ってはいけないということはなく、民間の意見は積極的に聞いていただきたいが、自分達が利権を持っているということを自覚する必要がある。「目利き」について学び、危ないと思ったら深い付き合いをしないようにしてほしい。
○公務員全体に通底するが、特に文部科学省職員はいい人は多いが、概して脇が甘い。先端的に取り組む民間企業を見習い、コンプライアンスに関する啓発をしっかり行うべき。
○政治家等外部との付き合い方と公務員の公正・中立な行政執行とを両立し、若手にも納得感のあるルール作りをすべき。
○公共部門の清廉性は世界各国で共通のテーマ。諸外国の取組も勉強しながら、その根本にある本質的なことを参考にしてほしい。
○ゴルフは利害関係者とやっただけで服務規定違反となるが、スポーツの一種であり、これを規制することが現在でも妥当か議論する必要がある。
○文部科学省に入って仕事をしてよかったと思えるように、給与体系であるとか、仕事としての待遇も考えていかないといけないのではないか。規制ばかりしていては、志望者が減ってしまう。
○公務員は、コストや利益相反に関する感覚が欠落していると感じたことがある。特に、文部科学省は様々な再発防止の取組を行ってきた矢先に不祥事があったことからすれば、「国民の期待に応える」ということを職員全体が理解し、徹底していこうというメンタリティが十分ではなかったように感じる。「服務規律とは何か」、「国民の意識・理解とのかい離は何か」をきちんと議論すべき。

(以上)

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