(参考)構造遺伝子を欠損しているが増殖力等欠損株には該当しないHIVを宿主とする遺伝子組換え実験について

ポジションペーパー「Human immunodeficiency virus 1型(HIV-1)の増殖力等欠損株等の解釈について(平成17年10月14日)」に規定された要件を満たさないHIV-1は実験分類クラス3として扱われるため、当該HIV-1を宿主として用いる遺伝子組換え実験は二種省令別表第一第一号ハの規定により、使用に先立って拡散防止措置の確認が必要となります。  こうした実験については、宿主の実験分類を踏まえた拡散防止措置(P3レベル等)を執ることが基本となりますが、特に構造遺伝子を全て欠損しているHIV-1及びHIV-2については、供与核酸の性質等も考慮し、P2レベルの拡散防止措置を執ることについて、大臣確認を受けた例があります。

類似の実験を計画される場合には、こうした前例も踏まえて適切な拡散防止措置を御検討の上、大臣確認の申請書を提出ください。
(なお、申請の内容が、過去に拡散防止措置の大臣確認を受けた実験と同等であるものについては、大臣確認を受ける際、遺伝子組換え技術等専門委員会における個別の審議を要さない場合があります。)

○ P2レベルの拡散防止措置を執ることで確認を受けた実験の例

  • 宿主は、構造遺伝子を全て欠損したHIV-1及びHIV-2
    (ウイルス粒子の作成の際、構造遺伝子gag及びpolを別のベクターで発現。また、エンベロープタンパク質の遺伝子はさらに別のベクターで発現。)
  • 供与核酸は、同定済み核酸であり、哺乳動物等に対する病原性及び伝達性に関係しないことが科学的知見に照らし推定されるもの
  • 当該組換えHIVが、野生型のHIVと共存する操作は行わない内容