大学改革GPナビ-Good Practice-(第13号)

平成17年12月8日



 文部科学省高等教育局大学改革推進室からGPに関する情報等を随時お届けしています。
 「GP」とは「優れた取組」を表す「Good Practice」の頭文字をとった通称です。

 現在システムの関係上ご登録いただいている各大学・短期大学・高等専門学校の窓口(最大2アドレス)から学内の関係部署や希望者に転送をお願いしています。
 お手数ですが、窓口担当の方は、学内へ転送メールであることを示した上で転送してください。

 今後専用システムの整備を予定しています。システム整備後は自動受付による配信を予定しています。



INDEX
[現代GPフォーラム・プレイベント「現代GPの昨日・今日・明日」]
[レポート]
(1)GP選定取組の実施状況レポート(京都精華大学)
[GP関連番組のお知らせ]
(1)政府広報「明日への架け橋」(12月17日(土曜日))
[GPに関するQ&A]
[編集後記―編集部(予算等全体調整担当) 大学改革推進室改革支援第1係長 荒木 秀治]



[現代GPフォーラム・プレイベント「現代GPの昨日・今日・明日」]

3月に予定している現代GPフォーラムのプレイベントとして今回から現代GP選定委員会委員の先生方に抱負や17年度の審査についての感想などをいただき、連載企画としてお届けします。

[1]
「平成17年度審査を振り返って」
現代GP選定委員会副委員長 永田眞三郎(関西大学法学部教授)

 平成17年度の現代GPは、509件の取組の申請をいただき、そのうち特に優れたものとして、84件を選定いたしました。そこに至るまで、総勢100名を超える委員及びペーパーレフェリーの参画を得て、厳格な審査・評価を行いました。

 選定にあたっては、「審査要項」等の公表を行うなど、「公正性」「透明性」の確保に努めましたが、とくに今年度の特徴として挙げられるのが、全テーマでの面接審査の実施ではないかと考えます。これにより、これまで書面のみでは十分把握できなかった点についても直接に確認が得られ、より精度の高い審査を行うことができたものと考えています。

 今年度も厳しいスケジュールの中、多数の申請をいただきました大学・短期大学・高等専門学校の皆様、また、精力的な審査・評価を行っていただきました委員・ペーパーレフェリーの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。来年度以降についても、本プログラムの趣旨に即した、高等教育の質の充実と優れた人材の育成に有効でかつダイナミックな取組が多数提示されることを期待しつつ、その審査においては、「公正性」「透明性」の確保と手続き・方法等の効率化にさらに努めてまいりたいと存じます。


[2]
「第1部会の審査を振り返って」
地域活性化への貢献(地元密着型)部会長 黒木登志夫(岐阜大学長)

 法人化は、大学のあり方について原点に返って考える機会となりました。
 法人化前には、教員にも文科省にも、研究を中心に考える風潮があったのではないでしょうか。それが法人化によって、教育こそ大学の第一の任務であることを、われわれは改めて意識しました。さらに、社会の期待に応え社会に貢献することも大学の役割であることを再認識したのです。現代GPの「地域活性化への貢献(地域密着型)」はまさにそのような大学の原点に立ち戻った政策であるように思います。

 160に上る申請書を読み、42の面接審査を行うことは正直に言って楽ではありませんでした。しかし、申請者の熱意に後押しされてこのような重要な任務を終えることができたのだと思います。特に、印象に残ったのは、高専、短大などからの申請に優れた内容のものが多かったことです。
法人化のインパクトは国立大学だけにとどまらず、すべての高等教育機関に波及していることを実感することができました。
現代GPを一つのバネにして、それぞれの大学の教育がさらに発展することを期待しています。


[3]
「第2部会の審査を振り返って」
地域活性化への貢献(広域展開型)部会長 八田 英二(同志社大学長)

 今回の申請についてはいくつかの特徴を挙げることができます。「広域展開型」という概念からして、相互に隣接した広がりをもつ地域(住民)を対象とする取組が一般的です。 もっとも対象地域を明示した取組と、境界を定めず広く地域全般を対象とした取組に分類できます。ところが、離散的な複数の地域(住民)を対象とした取組もありました。また、「防災」「減災」をキーワードに地域活性化を目指した意欲的な取組も目立ちました。

 選定された取組に共通する点は、学生あるいは学生教育の成果が地域活性化とどのように関係するのか、大学等がそれにどのように関与するのかについて具体的な提案があることです。さらに地域社会との連携体制が既に確立されているか、もしくは見込まれることも共通する点です。これは実現可能性とも密接に関わっており、大学等と地域との協働関係が有効に機能することは地域活性化には欠かすことができません。 最近の学生は実社会との関わりを視野に入れた教育カリキュラムに強い関心を示します。

 基礎的な学術知識や教養を身に付けさせることはもちろん必要です。地域活性化への貢献を目指した魅力的なカリキュラムを提示し、学生のオフキャンパス活動を全学挙げて支援すれば、’Think Globally, Act Locally’の具体化となるでしょう。

  ◇現代GPフォーラムは、平成18年3月4日(土曜日)に東京ビッグサイトにて開催予定です。今回は新たにテーマ毎のグループディスカッションを開催します。パネルディスカッション・グループディスカッションの参加受付は平成18年1月開始予定です。




[レポート]

高等教育に関する最新の話題などについてお届けします。


 

(1)GP選定取組の実施状況レポート(京都精華大学)

 GP選定取組実施状況レポートを数回に分けてお届けしています。
 3回目の今回は、平成16年度特色GPに選定された京都精華大学の取組の感想等を編集部入垣からお届けします。

(編集部(特色GP・補助金執行担当)(大学改革推進室改革支援第2係)入垣 治徳)
(京都精華大学)

「自立した学習者による社会貢献の実践教育」

 平成16年度特色GPの選定を受けた、京都精華大学の環境マネジメントシステムを活用した「自立した学習者による社会貢献の実践教育」についてお話をうかがいました。
 平成14年に開始してから現在までの取組についてカリキュラムも年々バージョンアップされており、当初、13名の受講者が平成17年現在では延べ数で75名まで伸びている現状から、この取組がしっかりと定着している様子が感じ取れました。また、学生のインターンシップ受入先についても年々増加しており、その内訳は中学校、高等学校、民間企業、市役所と多岐に渡り、地域連携、高大連携の観点でも効果が現れていると思いました。学内の取組に対する意欲の高まりと外部からのニーズによって、学生がより受講しやすい環境が着実につくられてきている様子がうかがえました。

(取組紹介はこちら)
http://www.kyoto-seika.ac.jp/jinbun/kankyo/news/gp.html




[GP関連番組のお知らせ]

GPに関する最新の番組放送情報についてお届けします。

(1)政府広報「明日への架け橋」(12月17日(土曜日))

 第11号で放送日程をお知らせした「政策対談 明日への架け橋」の収録が先日行われました(撮影現場の様子はバックナンバーに掲載予定)。
 普段なかなか接することのない世界を垣間見たようで新鮮な体験でした。
 内容は是非ご覧いただければと思いますが、特色GPフォーラム参加者のインタビュー等も盛り込み審査委員、文部科学省そして大学関係者のそれぞれの視点での「GP」への意見・提言をお届けします。
 ご覧になられてのご感想などを是非編集部(daikaika@mext.go.jp)までお寄せください。

写真1 写真2

  (放送予定日)
12月17日(土曜日)21時30分~ 朝日ニュースター(CS)
(「政策対談 明日への架け橋」についてはこちら)
http://www.gov-online.go.jp/publicity/tv/asu.html



[GPに関するQ&A]

 「大学改革GPナビ-Good Practice-」メールボックス(daikaika@mext.go.jp)に対して、よくいただく質問にお答えします。

(Q)
 「国公私を通じた大学教育改革の支援」と「魅力ある大学院教育」イニシアティブの英文表記について教えてください。

(A)
 「国公私を通じた大学教育改革の支援」は「Support for University Education Reform throughout National,Public,and Private Universities」と表記しています。

 「魅力ある大学院教育」イニシアティブは「Initiatives for Attractive Education in Graduate Schools」と表記しています。

「GPに関するQ&A」でとりあげてほしい質問を随時募集しています。
  daikaika@mext.go.jpまでメールにて送信してください。お送りいただくメールの件名は必ず[大学改革GPナビ(Q&A)」の形式でお願いします。



[編集後記―編集部(予算等全体調整担当) 大学改革推進室改革支援第1係長 荒木 秀治]

 東京は随分寒くなってきましたが、読者の皆さんのお住まいの方はいかがでしょうか。丸の内(仮庁舎)3度目の冬を迎えていますが、毎年この時期は「東京ミレナリオ」の準備作業を横目に出勤しています(「東京ミレナリオ」は12月24日から1月1日の開催予定です)。
 このような催しものを見ても「地域活性化」の効果について考えてしまうのは職業柄致し方ないのでしょうか?

一方でミレナリオを見る度に地元の「神戸ルミナリエ」を思い出しています。「神戸ルミナリエ」は、阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂の意を込めるとともに、復興・再生への夢と希望を託し、阪神・淡路大震災の起こった平成7年12月に初めて開催され、今では都市と市民の希望を象徴する神戸の冬の風物詩として定着しています。今年の「神戸ルミナリエ」は明日から22日までの開催とのことです。皆さんのまちではどのような冬の風物詩があるのでしょうか。

 それはさておき、早くも13号を迎えた「GPナビ」、読者の方のお役に立っていますでしょうか?特色GPフォーラムで直に意見交換をしていた関係かと思いますが、最近教職員の方からのご意見・ご要望などが少し停滞気味で寂しい思いをしています(一方で学生の方からの質問等は増加中です)。
 「大学としての意見でないとダメなんでしょうか?」あるいは「意見が審査に影響するんじゃないかと思って気が引けるんです」という声をたまに伺いますが、そこはお気遣い無用です。いただいたご意見は誌面の充実及び事業の改善にのみ使用しますので安心してください。
 「GPナビ」ではあなたのご意見・ご要望をお待ちしています。

 GPをはじめとする「国公私を通じた大学教育改革の支援」事業についての質問や提言などありましたら、daikaika@mext.go.jpまでメールを送信してください。
 お送りいただくメールの件名は必ず「大学改革GPナビ(件名)(学校名)」の形式でお願いします。
 なお、ご質問等に関しては、個別にお答えしてまいりますが、皆さま方にご紹介することが適当と思われるものなどについては、ご質問をいただいた方に確認の上、大学改革GPナビなどで回答する場合もあります。


大学改革GPナビ-Good Practice
編集長: 文部科学省高等教育局主任大学改革官 山崎 秀保
発行: 文部科学省高等教育局大学改革推進室
〒100-8959 東京都千代田区丸の内2-5-1
03-5253-4111(内線:3319、3321)



大学改革GPナビ-Good Practice
国公私立大学を通じた大学教育改革の支援
特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)
現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)
(3月4日フォーラム開催予定)


 

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