学校法人堀越学園(群馬県)に対する解散命令の手続に至った経緯

 学校法人堀越学園においては、平成16年の創造学園大学の開設、平成18年の高崎医療技術福祉専門学校の開設以来、定員未充足などにより法人の経営状況が悪化し、平成19年12月以降、文部科学省として経営や管理運営の改善の指導を継続してきました。

 この間、過去の財務計算書類や創造学園大学の設置認可申請時の書類における虚偽記載、経営悪化に伴う賃金の未払、税金や公共料金等の滞納、学校債の償還未履行や教職員の雇用をめぐる訴訟など、様々な問題が発生しました。

 これに対し、文部科学省としては法人の管理運営を改善するよう指導を重ねるとともに、私立大学等経常費補助金の不交付措置(平成21年3月)や大学等の設置認可に関する寄附行為変更不認可期間の設定(平成22年10月)といった措置を講じてきました。

 しかしながら、状況の改善は見られず、特に平成24年5月以降、法人の理事の地位をめぐる関係者の対立により、法人としての統一した意思決定が困難になるとともに経営状況も急速に悪化しました。具体的には、賃金未払となる教職員の拡大や、料金滞納による電力供給の一部停止、さらには、学校法人の本来業務である大学の授業の一時休講、幼稚園の送迎バスや給食の一時停止といった事態も発生し、今後に向けた教育研究活動の維持そのものが困難となりつつあると判断せざるを得ません。

 文部科学省としては、この間、事態の推移を深刻に受けとめ、学校法人堀越学園に対し現状や今後の経営方針について示すよう求めてきました。しかし、法人からは外部からの資金援助を得て法人を再建したいとの意向は示されるものの、具体的な管理運営の改善策、今後の資金計画や債務の返済計画などは提出されておりません。また、現在の財務状況や当座の資金繰りについても、資料の提出も具体的な説明もない状況にあります。

 本来、学校法人は高い公共性を有する学校の運営を継続的、安定的に行う責務を負っています。また、その運営に当たっては、それぞれの学校法人が建学の精神に基づき多様な教育を展開できるよう自主性、自律性が尊重されています。

 しかしながら、学校法人堀越学園においては、理事会としてのチェック機能も有効に働かず、理事の対立により法人としての意思決定すら困難な状況であり、さらには、学校法人として最も重要な在学生の修学機会を適切に確保するということについても、責任ある真摯な対応が見られません。

 こうした状況では、法人の運営をこれ以上学校法人堀越学園の自主性に委ねた場合、1在学生の修学機会が突然失われる事態になりかねず、2学校の運営の継続性に疑問がある中で新たな学生等の受入れが行われ、将来不利益を被る可能性のある学生等が増えてしまう、といった事態となることを強く危惧せざるを得ません。

 このため、文部科学省としては、必要な財産が保有されていないなどの私立学校法の違反が解消される見込みがなく、また、学生等に予期せぬ不利益が生じかねない状況にあり、時間的猶予もないことから、大変遺憾ながら、学校法人堀越学園に対する解散命令の手続を開始するに至ったものです。

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高等教育局私学部参事官付

-- 登録:平成24年10月 --