補助事業遂行に当たっては、補助金の適正かつ効率的な使用が求められているところであり、また、補助金という性質上その使用手続きの透明性を確保することが重要であります。このことは、「行政及び公務員に対する国民の信頼を回復するための新たな取組について」(平成8年12月19日事務次官等会議)及び「補助金等の再点検等について」(平成9年1月17日補助金等適正化中央連絡会議幹事会)においても要請されているところであり、特に建設工事等契約手続き等について適正性及び透明性が求められているところであります。(別紙参照)
各学校法人におかれましては、補助金等の使用手続きの透明性の確保に努めるとともに、財務規則等に基づく適正な契約等事務手続きにより補助事業を遂行されているところでありますが、上記要請の趣旨を踏まえ、別紙の事項に留意しつつ建設工事等に係る補助事業のなお一層の適正性、効率性、透明性を確保していただくようお願いします。
・「行政及び公務員に対する国民の信頼を回復するための新たな取組について」(抄)及び「補助金等の再点検について」(抄)(参考資料1)
補助事業を遂行するに当たっては、その財源となる補助金等の効率的使用が求められており、そのためには、事業実施のために締結される契約手続きが適正になされることが必要です。このことは、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(昭和30年8月27日法律第179号)においても要請されているところであり、これを受け、文部科学省の交付要綱または交付決定通知書において「補助事業遂行にあたっては、国の契約及び支払いに関する規定の趣旨に従うこと」が明記されているところです。
以下、適正な契約手続き等を行うための参考例を具体的にお示ししますのでこれらの点に留意し補助事業を遂行してください。
補助事業にかかる契約は、適正かつ効率的になされなければなりません。
そのためには、公正かつ客観的な基準による競争により契約の相手方及び契約金額を決定する方法が妥当であり、これにより、適正性、効率性及び透明性が確保されます。
・国の契約関係法令(参考資料2)
国における建設工事等契約の場合、入札結果等の公表がなされています。これは、建設工事等に関する透明性・客観性が求められていることから行われているものです。
補助金についても税金が使用されており、透明性・客観性が求められるのは当然のことです。この事から、補助事業にかかる建設工事等契約の場合も、国における場合と同様に、入札結果を公表することが必要です。
1.公表内容
・競争による契約を行った場合には、全札者名及びその入札金額
・競争によらない契約を行った場合には、契約の相手方及び契約金額
2.公表の時期
・契約の相手方及び契約金額の決定後速やかに公表
3.公表の期間
・公表を行った年度及び翌年度
4.公表の場所等
・補助事業者の施設内において閲覧
・国における入札結果等の公表(参考資料3)
建設業法においては、請負業者が当該工事について一括して他人に請け負わせてはならない旨の規定があります。
いわゆる「丸なげ」はこの規定に違反しており、また、「丸投げ」を前提とした不当な金額で契約がなされる可能性もあります。
このようなことが起こらないようにするため、補助事業者は一括下請け禁止について契約書に明記しておくことが必要です。
1.一括下請けは、建設業法において原則として禁止されている。
2.一括下請けを行う場合には、発注者(補助事業者)の書面による承諾を得る必要がある。
3.上記1.及び2.について契約書に明記すること。
・建設業法の規定及び国における一括下請け禁止条項(参考資料4)
各省庁において、地方公共団体等事業実施主体を通じた事業実施の適正化を図るため、所管する補助金等について、補助基準及び選定手続き等の再点検を行なうとともに、各々の補助金等の実状に応じた透明性を確保するため、例えば、施設についての交付決定の概況一覧を公表する等必要な措置を講ずる。
補助金等の再点検等について
○再点検の内容
補助基準、選定手続き、建設工事契約のあり方等
○透明性の確保
運営主体の運営・財務の公正化、透明化等を図る
第二十九条の三契約担当官及び支出負担行為担当官(以下「契約担当官等」という。)は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、第三項及び第四項に規定する場合を除き、公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。
2 前項の競争に加わろうとする者に必要な資格及び同項の公告の方法その他同項の競争について必要な事項は、政令でこれを定める。
3 契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で第一項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、指名競争に付するものとする。
4 契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。
5 契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第一項及び第三項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。
第九十四条会計法第二十九条の三第五項の規定により指名競争に付することができる場合は、次に掲げる場合とする。
一 予定価格が五百万円を超えない工事又は製造をさせるとき。
二 予定価格が三百万円を超えない財産を買い入れるとき。
三 予定賃借料の年額又は総額が百六十万円を超えない物件を借り入れるとき。
四 予定価格が百万円を超えない財産を売り払うとき。
五 予定賃貸料の年額又は総額が五十万円を超えない物件を貸し付けるとき。
六 工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が二百万円を超えないものをするとき。
2 随意契約によることができる場合においては、指名競争に付することを妨げない。
第九十九条会計法第二十九条の三第五項の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。
一 国の行為を秘密にする必要があるとき。
二 予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき。
三 予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。
四 予定賃借料の年額又は総額が八十万円を超えない物件を借り入れるとき。
五 予定価格が五十万円を超えない財産を売り払うとき。
六 予定賃貸料の年額又は総額が三十万円を超えない物件を貸し付けるとき。
七 工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が百万円を超えないものをするとき。
八 運送又は保管をさせるとき。
九 国際協力銀行、日本政策投資銀行、公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)第一条に規定する公庫その他特別の法律により特別の設立行為をもつて設立された法人のうち財務大臣の指定するものとの間で契約をするとき。
十 農場、工場、学校、試験所、刑務所その他これらに準ずるものの生産に係る物品を売り払うとき。
十一 国の需要する物品の製造、修理、加工又は納入に使用させるため必要な物品を売り払うとき。
十二 法律の規定により財産の譲与又は無償貸付けをすることができる者にその財産を売り払い又は有償で貸し付けるとき。
十三 非常災害による罹災者に国の生産に係る建築材料を売り払うとき。
十四 罹災者又はその救護を行なう者に災害の救助に必要な物件を売り払い又は貸し付けるとき。
十五 外国で契約をするとき。
十六 都道府県及び市町村その他の公法人、公益法人、農業協同組合、農業協同組合連合会又は慈善のため設立した救済施設から直接に物件を買い入れ又は借り入れるとき。
十七 開拓地域内における土木工事をその入植者の共同請負に付するとき。
十八 事業協同組合、事業協同小組合若しくは協同組合連合会又は商工組合若しくは商工組合連合会の保護育成のためこれらの者から直接に物件を買い入れるとき。
十九 学術又は技芸の保護奨励のため必要な物件を売り払い又は貸し付けるとき。
二十 産業又は開拓事業の保護奨励のため、必要な物件を売り払い若しくは貸し付け、又は生産者から直接にその生産に係る物品を買い入れるとき。
二十一 公共用、公用又は公益事業の用に供するため必要な物件を直接に公共団体又は事業者に売り払い、貸し付け又は信託するとき。
二十二 土地、建物又は林野若しくはその産物を特別の縁故がある者に売り払い又は貸し付けるとき。
二十三 事業経営上の特別の必要に基づき、物品を買い入れ若しくは製造させ、造林をさせ又は土地若しくは建物を借り入れるとき。
二十四 法律又は政令の規定により問屋業者に販売を委託し又は販売させるとき。
二十五 国が国以外の者に委託した試験研究の成果に係る特許権及び実用新案権の一部を当該試験研究を受託した者に売り払うとき。
第九十九条の六契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。
建設工事(地盤調査を含み埋蔵文化財調査を除く)、設計監理業務及び測量業務(以下「建設工事等」という。)とする。
ただし、予算決算及び会計令(以下「予決令」という。)第99条第1号、第2号又は第7号の規定により随意契約によることとしたもの及び予決令第99条第1号の規定により随意契約によることができる場合において、予決令第94条第2項の規定により指名競争に付したものについては、公表の対象としないものとする。
建設工事等の契約事務を担当した課において公表するものとする。
記の2の(1)の1.及び2.に掲げる事項については参照の別紙1により、記の2の(1)の3.から5.に掲げる事項については参照の別紙3により閲覧に供するものとする。
記の2の(2)の1.に掲げる事項については参照の別紙2により、記の2の(2)の2.から4.に掲げる事項については参照の別紙3により閲覧に供するものとする。
記の2の(3)の1.から3.に掲げる事項については参照の別紙4により、閲覧に供するものとする。
公告又は指名の通知を行った日に属する年度及び翌年度において閲覧に供するものとする。
契約を締結した日の属する年度及び翌年度において閲覧に供するものとする。
公表の場所に参照の別紙5による閲覧者名簿を備え付け、閲覧者の氏名、住所等必要事項を記入させるものとする。
予定価格等の公表については、当分の間、建設工事のみを対象とするものとする。
昭和二十四年五月二十四日
法律第百号
第二十二条建設業者は、その請け負つた建設工事を、如何なる方法をもつてするを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2 建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負つた建設工事を一括して請け負つてはならない。
3 前二項の規定は、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合には、適用しない。
4 発注者は、前項の規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項の元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする 旨の通知をすることができる。この場合において、当該発注者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。
第○条請負者は、工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならいない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りではない。
高等教育局私学助成課
-- 登録:平成21年以前 --