私立大学等経常費補助金、政府開発援助私立大学等経常費補助金取扱要綱

私 立 大 学 等 経 常 費 補 助 金
政府開発援助私立大学等経常費補助金
 取扱要領

(目的)
1条   この取扱要領は,
私 立 大 学 等 経 常 費 補 助 金
政府開発援助私立大学等経常費補助金
 交付要綱  
(昭和52年11月30日文部大臣裁定)により,日本私立学校振興・共済事業団(以下「事業団」という。)が国から私立大学等経常費補助金及び政府開発援助私立大学等経常費補助金(以下「国庫補助金」という。)の交付を受け,これを財源として私立の大学,短期大学及び高等専門学校(以下「私立大学等」という。)を設置する学校法人に対して交付する補助金(以下「補助金」という。)について補助の対象となる経常的経費の範囲及びその額の算定方法を定めるとともに,補助金に係る申請,配分,交付その他の取扱いに関する細目を定め,もって補助金事務の適正かつ効率的な執行を図ることを目的とするものである。
   
(補助金の交付の対象)
2条  補助金の交付の対象となる者は,私立大学等を設置する学校法人とすること。
   
(補助対象外法人等)
3条  次の各号の一に該当する学校法人は,原則として補助金の交付の対象から除外すること。
(1)   法令の規定,法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反したもの
(2)   事業団からの借入金の償還(利息・延滞金の支払いを含む。)又は公租・公課(私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)による掛金を含む。)の納付を1年以上怠っているもの
(3)   破産宣告を受け,若しくは負債総額が資産総額を上回り,又は銀行取引停止処分を受ける等,財政事情が極度に窮迫しているもの
(4)   経理その他の事務処理が著しく適正を欠いているもの
(5)   役員若しくは教職員の間又はこれらの者の間において,訴訟その他の紛争があるも の
(6)   第7条第5項第3号の補助金の減額(私立学校振興助成法第5条第4号の事由に基づく減額を除く。以下この号において「補助金の減額」という。)事由に該当するもので,補助事業を実施する年度(以下「当該年度」という。)の前年度まで引き続き3か年度にわたり補助金の減額を受けたもの
(7)   その他管理運営が著しく適正を欠いているもの
  学校法人の設置する私立大学等又は私立大学等に所属する学部等(大学の学部,短期大学及び高等専門学校の学科,分校,大学院の研究科並びに附属研究所,所属病院,同分院その他の附属機関をいう。以下同じ。)で,次の各号の一に該当するものについては,原則として当該私立大学等又は学部等に係る補助金を交付しないこととすること。
 
(1)   設置後完成年度を超えていないもの
(2)   教職員の争議行為等により,教育・研究その他の学校運営が著しく阻害され,その期間が長期に及ぶもの
(3)   施設の占拠又は封鎖,授業放棄その他の学生による正常でない行為により,教育及び研究に関する機能の全部又は一部を長期間休止しているもの
(4)
  在籍学生数の収容定員に対する状況又は入学者数の入学定員に対する状況が次のいずれかに該当するもの。なお,在籍学生数のうち,大学設置基準第30条の2または短期大学設置基準第16条の2に定める,修業年限を超えた一定期間にわたる計画的な履修を認められた学生(以下「長期履修学生」という。)については,別記1により算定した人数により取扱うものとする。ただし,(ア)及び(イ)の入学者数については,この取扱いを適用しないものとする。
(ア)   私立大学等に係る補助金を交付しないもの
当該年度の 5月 1日現在の在籍学生数の収容定員に対する割合が1.68倍以上上(学校教育法第68条に定める「学部を置くことなく大学院を置く大学」(以下「大学院大学」という。)は1.59倍以上)のもの又は当該年度の5月1日現在の入学者数が当該私立大学等に所属する学部等ごとの入学定員に1.4 7(医歯学部は1.1)を乗じた人数を合計した数以上のもの
  ただしこの取扱いは,夜間部,通信教育部並びに短期大学設置基準第19条に定める「授業を行う時間について教育上特別の配慮を必要とする学科」を除いて適用するものとする。
(イ)   学部等に係る補助金を交付しないもの
学部等の当該年度の 5月 1日現在の在籍学生数の収容定員に対する割合が 1.68倍以上(大学院大学の研究科は1.59倍以上)のもの又は当該年度の5月1日現在の入学者数の入学定員に対する割合が1.47倍以上(医歯学部は1.1倍以上)のもの
ただし,この取扱いは,通信教育部を除いて適用するものとする。
  当該年度の 5月 1日現在の在籍学生数の収容定員に対する割合が50%以下のもの
  その他教育研究条件が極めて低いもの
(5)   入学に関する寄附金の収受等により入学者選抜の公正が害されたと認められるもの
(6)   学生募集が停止されているもの
(7)   第7条第5項第2号及び第3号の補助金の減額(私立学校振興助成法第5条第4号の事由に基づく減額を除く。以下この号において「補助金の減額」という。)事由に該当するもので,当該年度の前年度まで引き続き3カ年度にわたり補助金の減額を受けたもの
(8)   その他管理運営が著しく適正を欠いているもの
  第1項(第2号及び第3号を除く。)に規定する事由に該当することにより,補助金の交付の対象から除外された学校法人及び前項(第1号,第4号及び第6号を除く。)に規定する事由に該当し補助金を交付しないこととされた私立大学等又は学部等に係る翌年度以降の補助金の取扱いについては,別記1に定めるところによる。
   
(経常的経費の範囲)
4条  私立大学等の経常的経費は,次に掲げる経費で,当該年度の4月1日から 3月31日までに当該学校法人が支出したもの(第5号ア及びウ並びに第6号のア及びウの経費については納入その他の相手方の給付が完了したもの)とすること。
  ただし,国及び地方公共団体等の他の補助金及び委託費等の対象となる事業に要する経費は除く。
 
(1) 専任教員等給与費
  次の各号に該当する者の給与(本俸,期末手当及びその他の手当の合計額をいう。以下同じ。)に要する経費及び財団法人私立大学退職金財団(「退職金財団」 という。以下同じ。)に納入する掛金(私立大学退職金財団退職資金交付業務方法書第9条で定める掛金のうち,次の各号に該当する者に係るものをいう。第5条第1号イにおいて同じ。)として負担する経費
  当該私立大学等の専任の学長,校長,副学長,学部長,教授,助教授,講師及び助手として発令されている者
  当該学校法人から主たる給与の支給を受けている者
  当該私立大学等に所属している者
(2) 専任職員給与費
  次の各号に該当する者の給与に要する経費及び退職金財団に納入する掛金(私立大学退職金財団退職資金交付業務方法書第9条で定める掛金のうち,次の各号に該当するものに係るものをいう。第5条第2号イにおいて同じ。)として負担する経費
  当該私立大学等の専任の職員(学校法人の専任の職員を含む。)として発令されている者
  当該学校法人から主たる給与の支給を受けている者
  当該学校法人の設置する私立大学等に所属している者(当該私立大学等に係る職務に主として従事している者を含む。)のうち,事務,教務,厚生補導及び技術技能に従事している者
(3) 非常勤教員給与費
  当該私立大学等の専任でない教授,助教授及び講師として発令されている者(同一学校法人が設置する他の学校の専任教員等又は専任職員として発令されている者は除く。以下「非常勤教員」という。)の給与に要する経費
(4) 教職員福利厚生費
  当該私立大学等の専任教員等及び専任職員についての労働者災害補償保険の保険給付に係る保険料として負担する経費
  当該私立大学等の専任教員等及び専任職員についての私立学校教職員共済法による長期給付に係る掛金(厚生年金保険の保険給付に係る保険料を含む。)として負担する経費
(5) 教育研究経常費
  学生の教育又は専任教員等が行う研究に直接必要な機械,器具及び備品(1個又は1組の価格が 500万円以上のものを除く。以下この号について同じ。),図書,消耗品,燃料等の購入費並びに賃金,印刷製本費,光熱水料,通信運搬費その他の経常的経費
  専任教員等及び専任職員の研究のための外国旅行(外国の大学,研究所等で調査研究を行うものに限る。)に要する船賃,航空賃,日当及び宿泊料
  上記ア及びイに掲げるもののほか,社会人に対する教育,非常勤教員が行う研究等に直接必要な機械,器具及び備品,図書,消耗品,燃料等の購入費並びに賃金,謝金,印刷製本費,光熱水料,通信運搬費その他の経常的経費
(6) 厚生補導費
  備品(1個又は1組の価格が 500万円以上のものを除く。以下この号において同じ。),図書,消耗品等の購入費及び賃金,謝金,印刷製本費,光熱水料,通信運搬費等私立大学等における学生指導,課外教育又は保健管理に要する経常的経費
  専任教員等及び専任職員の学生指導又は課外教育のための内国旅行並びに学生指導に係る研修会の講師の当該研修会のための内国旅行に要する鉄道賃,船賃,航空賃,日当及び宿泊料
  学校法人が事業団から資金を借り入れて行う私立大学奨学事業(「日本私立学校振興・共済事業団融資取扱規程別表一教育環境整備費中(三)をいう。以下「私立大学奨学事業」という。)に係る利息軽減措置額(学校法人が事業団との間で締結した貸付契約に基づき当該年度に当該学校法人が事業団に対し支払う利息のうち事業団が定める額をいう。以下同じ。)及び事務費(内国旅行に要する鉄道賃,船賃,航空賃,日当,宿泊料並びに備品,図書,消耗品等の購入費及び賃金,謝金,印刷製本費,光熱水料,通信運搬費等当該私立大学奨学事業に要する経常的経費をいう。以下同じ。)
(7) 研究旅費
  専任教員等の研究のための内国旅行に要する鉄道賃,船賃,航空賃,日当及び宿泊料
   
(経常的経費の算定方法)
5条  補助金算定の基礎となる私立大学等ごとの経常的経費は,次に定めるところによ り算定することとする。
 
(1) 専任教員等給与費
  補助対象となる学部等ごとに当該年度の 5月 1日現在の専任教員等の数(別記2で定める専任教員等の数の算定方法により,専任教員等として事業団が認定した数をいう。以下同じ。)に,専任教員等1人当たりの年間標準給与費の額(大学5,731千円,短期大学 4,871千円,高等専門学校 4,871千円とする。以下この号において「標準給与費」という。)を乗じて得た金額とする。
  ただし,事業団は,次に定めるところにより私立大学等ごとに専任教員等1人当たりの年間平均給与費に 100分の 101を乗じた額(この号において「平均給与費」という。)に応じ,標準給与費を補正することとする。
 
(ア) 平均給与費が標準給与費を上回るときは,標準給与費とする。
(イ) 平均給与費が標準給与費と同額のとき又はこれを下回るときは,平均給与費とする。
  補助対象となる私立大学等ごとに当該年度の 5月 1日現在の専任教員等の数に,専任教員等1人当たりの標準経費(大学 349,000円,短期大学 299,000円,高等 専門学校 299,000円とする。)と私立大学等ごとの専任教員等1人当たりの平均 支出額(掛金として学校法人が負担する額についての1人当たりの平均支出額とする。)とのいずれか低い額を乗じて得た金額とする。
(2) 専任職員給与費
  補助対象となる私立大学等ごとに当該年度の 5月 1日現在の専任職員の数(別記3で定める専任職員の範囲内において,専任職員として事業団が認定した数をいう。ただし,当該私立大学等の専任教員等の数を限度とする。)に,専任職員1人当たりの年間標準給与費の額(3,601千円とする。以下この号において「標準給与費」という。)を乗じて得た金額とする。
  ただし,事業団は,次に定めるところにより私立大学等ごとに専任職員の1人当たりの年間平均給与費に100分の101を乗じた額(この号において「平均給与費」という。)に応じ,標準給与費を補正することとする。
 
(ア) 平均給与費が標準給与費を上回るときは,標準給与費とする。
(イ) 平均給与費が標準給与費と同額のとき又はこれを下回るときは,平均給与費とする。
  補助対象となる私立大学等ごとに当該年度の 5月 1日現在の専任職員の数に,専任職員1人当たりの標準経費(218,000円とする。)と私立大学等ごとの専任職員1人当たりの平均支出額(掛金として学校法人が負担する額についての1人当たりの平均支出額とする。)とのいずれか低い額を乗じて得た金額とする。
(3) 非常勤教員給与費
  補助対象となる私立大学等ごとに非常勤教員(別記4で定めるところにより事業団が認定した者をいう。以下この号において同じ。)の授業時間数(別記4で定めるところにより事業団が認定した授業時間数をいう。)に,1授業時間当たりの標準経費(大学・短期大学教員 3,400円,高等専門学校教員 3,000円とする。)と非常勤教員に係る1授業時間当たり平均給与費の額とのいずれか低い額を乗じて得た金額とする。
(4) 教職員福利厚生費
  補助対象となる私立大学等ごとに第1号の専任教員等の数及び第2号の専任職
員の数に,専任教員等及び専任職員1人当たりの標準経費(大学教員17,000円,短期大学教員15,000円,高等専門学校教員15,000円,職員10,000円とする。)と私立大学等ごとの専任教員等及び専任職員1人当たりの平均支出額(労働者災害 補償保険の保険給付に係る保険料として学校法人が負担する額についての1人当 たり平均支出額とする。)とのいずれか低い額を乗じて得た金額とする。
  補助対象となる私立大学等ごとに第1号の専任教員等の数及び第2号の専任職
員の数に,専任教員等及び専任職員1人当たりの標準経費(大学教員 244,000 円,短期大学教員 207,000円,高等専門学校教員 207,000円,職員 152,000円と する。)と私立大学等ごとの専任教員等及び専任職員1人当たりの平均支出額 (私立学校教職員共済法による長期給付に係る掛金として学校法人が負担する額についての1人当たり平均支出額とする。)とのいずれか低い額を乗じて得た金額とする。
  ただし,長期給付について私立学校教職員共済法による私立学校教職員共済制度に加入していない学校法人にあっては,上記の1人当たり平均支出額は厚生年金保険の保険給付に係る保険料として学校法人が負担する額についての1人当たり平均支出額とする。
(5) 教育研究経常費
  補助対象となる学部等ごとに第1号の専任教員等の数及び当該年度の5月1日現在の学則で定めた収容定員(在学している学生の数が当該収容定員に満たない場合には,在学している学生の数とする。ただし,編入学定員を設けている学部にあっ ては,当該収容定員から編入学に係る収容定員を除いた収容定員(在学している学生の数から編入学により在学している学生の数を除いた学生の数が当該収容定員に満たない場合には,在学している学生の数から編入学により在学している学生の数を除いた学生の数とする。)に編入学に係る収容定員(編入学により在学している学生の数が当該収容定員に満たない場合には,編入学により在学している学生の数とする。)を加えた数とする。次号において「学生定員数」という。)にそれぞれ別表1の専任教員等1人当たりの金額及び別表2の学生1人当たりの金額を乗じて得た金額の合計額と学部等ごとの実支出額とのいずれか低い額とする。
(6) 厚生補導費
  前条第6号のア及びイに係る経常的経費については,補助対象となる私立大学等ごとに当該年度の5月1日現在の学生定員数に 3,900円(通信教育を行う学部 ・学科の学生は1,000円)を乗じて得た金額と,私立大学等ごとの実支出額とのいずれか低い額とする。
  前条第6号のウに係る経常的経費については,補助対象となる私立大学ごとに利息軽減措置額に当該年度において学校法人が新たに私立大学奨学事業の対象とした学生数(当該年度の 5月 1日現在の学生定員数から当該年度の前年度以前に私立大学奨学事業の対象とした者のうち当該年度の 5月 1日現在において在学している学生数を差し引いた学生数を限度とする。)に 800円を乗じて得た額と事務費に係る実支出額のいずれか低い額を加算して得た合計額とする。
(7) 研究旅費
  補助対象となる学部等ごとに第1号の専任教員等の数に,別表3の専任教員等1人当たりの金額を乗じて得た金額と学部等ごとの実支出額とのいずれか低い額とする。
   
(補助金の基準額)
6条  私立大学等を設置する学校法人に対する補助金の基準となる額は,次に掲げる金額の合計額とする。
 
(1) 専任教員等給与費
  前条第1号により算定した金額に5/10を乗じて得た金額
(2) 専任職員給与費
  前条第2号により算定した金額に5/10を乗じて得た金額
(3) 非常勤教員給与費
  前条第3号により算定した金額に4/10を乗じて得た金額
(4) 教職員福利厚生費
  前条第4号により算定した金額に4/10を乗じて得た金額
(5) 教育研究経常費
  前条第5号により算定した金額に5/10を乗じて得た金額
(6) 厚生補導費
  前条第6号により算定した金額に5/10を乗じて得た金額
(7) 研究旅費
  前条第7号により算定した金額に5/10を乗じて得た金額
   
(補助金の基準額の調整)
7条  事業団は,前条第1号(第5条第1号のイの金額を除く。),第2号(第5条第2号のイの金額を除く。),第3号,第5号,第6号(第5条第6号のイの金額を除く。)及び第7号の金額を,次に掲げる要素を勘案し,140%から1%までの範囲内 に調整するものとする。
 
(1)   学部等ごとの収容定員に対する在籍学生数の割合
(2)   学部等ごとの専任教員等の数に対する在籍学生数
(3)   学校ごとの学生納付金収入に対する教育研究経費支出及び設備関係支出(車輌支出等を除く。)の割合
  事業団は,前項で調整した前条第1号の金額を別記2に定めるところにより事業団が認定した専任教員等ごとの年間給与費の額の状況に応じ,また前項で調整した前条第2号の金額を別記3に定めるところにより事業団が認定した専任職員ごとの年間給与費の額の状況及び当該学校法人が私立学校法第35条に規定する役員(以下「役員」という。) に対して支払った役員報酬等の額の状況に応じ,それぞれ別記5に定めるところにより調整するものとする。
  事業団は,補助事業を行う学校法人(以下「補助事業者」という。)が当該年度の前 年度の4月1日から3月31日までに支出した寄付金で,第15条に基づき届出のあったもの(国又は地方公共団体に対するものを除く。)の合計額が,3,000万円を超える場合は,当該寄付金の合計額から3,000万円を控除した額を,前2項で調整した前条の補助金の基準額から減額することができるものとする。
  事業団は,私立大学における学術の振興及び私立大学等における特定の分野,課程等に係る教育の振興のため特に必要があると認められるときは,文部科学大臣の承認を得て,前条第6号(第5条第6号のアの金額を除く。)の金額及び前3項で調整した前条第5号の金額を増額できるものとする。
  事業団は,前4項で調整した前条の補助金の基準額を次に定めるところにより調整するものとする。
 
(1)   事業団からの借入金の償還(利息・延滞金の支払を含む。)又は公租・公課(私立学校教職員共済法による掛金を含む。)の納付を,6月以上1年未満の期間怠っている学校法人については,当該滞納の期間から5月を控除して得た残期間1月につき 5%の割合による率を乗じて得た金額を減額するものとする。
(2)   教職員の争議行為等又は学生による施設の占拠若しくは封鎖,授業放棄その他の正常でない行為により,教育,研究その他の学校運営が著しく阻害され,又はその機能の全部若しくは一部を休止している私立大学等又は学部等については,別表4 に定める率を乗じて得た金額を減額するものとする。
(3)   学校法人又はその設置する私立大学等若しくは学部等が私立学校振興助成法(昭和50年法律第61号。)第5条第1号,第4号又は第5号に該当すると認めたとき は,当該学校法人又はその設置する私立大学等若しくは学部等について,文部科学大臣と協議の上,その状況に応じ相当の減額をするものとする。
(4)   前各号で定めるもののほか,学校法人又はその設置する私立大学等若しくは学部等における経営管理状況,財政状況,事務処理状況等を総合的に勘案し,必要があ ると認められるときは当該学校法人又はその設置する私立大学等若しくは学部等に ついて,文部科学大臣と協議の上,所要の調整ができるものとする。
   
(補助金の額)
8条  事業団が私立大学等を設置する学校法人に対し交付する補助金の額は前2条の規定により算出した額とする。
   
(補助金の取扱要領)
9条  事業団は,第5条から第7条までの規定による経常的経費の算定方法,補助金の基準額,及び補助金の基準額の調整に関して,あらかじめ文部科学大臣の承認を得て補助金の取扱要領を定めるものとする。
   
(補助金の交付の申請)
10条  事業団は,補助金の交付を受けようとする学校法人から,次の各号に掲げる事項を記載した補助金交付申請書を提出させるものとすること。
 
(1)  申請者の名称及び住所
(2)  補助事業の内容
(3)  交付を受けようとする補助金の額
(4)  補助事業に要する経費の区分ごとに配分した額及びこれに対応する補助金の額
前項の申請書のほか,次の各号に掲げる資料を、別に定める期日までに事業団に提出するものとする。
 
(1)   私立学校振興助成法第14条第2項の規定により当該年度に所轄庁に提出する貸借対照表,収支計算書その他の財務計算に関する書類(同条第3項の規定によりこれらの書類に添付する監査報告書を含む。)及び収支予算書
(2)   教職員の略歴,勤務形態及び給与に関する資料
(3)   その他事業団が必要と認める資料
  補助事業に要する経費は,補助対象となる私立大学等ごとに,専任教員等給与費,専任職員給与費,非常勤教員給与費,教職員福利厚生費,教育研究経常費,厚生補導費, 研究旅費に区分して配分させるものとし,交付を受けようとする補助金の額は,補助事業に要する経費ごとに区分させること。
   
(補助金の交付の決定及び通知)
11条  事業団は,補助金の交付の申請があったときは,当該申請に係る書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等により,申請者が補助金交付の対象となる者であるかどうか,補助事業の内容が適正であり,かつ,これに要する経費が第4条に規定する経常的経費の範囲に該当するかどうか,金額の算定に誤りがないかどうか等を調査するものとすること。
  事業団は,前項の調査の結果,補助金を交付すべきものと認めたときは,速やかに補助金の交付の決定をするものとすること。
  補助金の交付の決定は,次に掲げる事項を内容とするものとすること。
 
(1)  補助金の額
(2)  補助事業に要する経費の区分ごとに配分した額及びこれに対応する補助金の額
(3)  補助金交付の条件
(4)  補助事業の成果の報告に関すること
(5)  補助金の交付決定の取消しに関すること
(6)  補助金の返還に関すること
(7)  加算金及び延滞金に関すること
(8)  補助金の交付の申請の取下げに関すること
(9)  その他必要な事項
補助金交付の条件は,次の事項及びその他必要な事項について定めるものとすること。
 
(1)   補助事業に要する経費の区分ごとに配分された額又はこれに対応する補助金の額を変更しようとするときは,あらかじめ事業団の承認を受けなければならないこと。
  ただし,経費の区分ごとに配分された額に対応する補助金の額に変更を及ぼさない範囲内における補助事業に要する経費の変更は承認を要しないこと。
(2)   補助事業を中止し,又は廃止する場合においては,あらかじめ事業団の承認を受けなければならないこと。
(3)   補助事業者の設置する学部等が,第3条第2項第2号又は第3号に該当する状態になった場合(その状態が長期間にわたることとならない場合を含む。)においては,速やかにこれを事業団に報告しなればならないこと。
(4)   前条第2項の資料その他補助金の算定の基礎となる資料,補助金の収支に関する帳簿及び証拠書類は,補助事業の完了又は廃止した日の属する年度の翌年度から5年間保存すること。
(5)   補助事業により取得し,又は効用の増加した機械及び器具で事業団が定めるものを,補助金の交付の目的に反して使用し,譲渡し,交換し,貸付け又は担保に供しようとするときは,事業団が定める期間を経過した場合を除き,事業団の承認を得てこれを行うものとすること。
  もし,この期間内に事業団の承認を得て当該機械又は器具を処分したことにより収入があったときは,その収入の全部又は一部に相当する金額を事業団に納付させることがあること。
(6)   文部科学省又は事業団は,補助事業の適正な執行を図るため必要があるときは,補助事業の実施状況等について,補助事業者から報告を徴し,又は実地に調査することがある。
  事業団は,補助金の交付の決定をしたときは,速やかにその決定の内容及びこれに付した条件を,補助事業者に通知するものとすること。
   
(申請の取下げ)
12条  事業団は,補助金の交付の申請をした者が,前条第5項の通知を受領した場合において,当該通知に係る補助金の交付の決定の内容又はこれに付された条件に不服が あるときは,事業団の定める期日までに申請の取下げをすることができることとするこ と。
  前項の申請の取下げがあったときは,当該申請に係る補助金の交付の決定はなかったものとみなすこと。
   
(事情の変更による決定の取消し等)
13条  事業団は,補助金の交付の決定をした場合において,天災地変その他補助金の 交付の決定後生じた事情の変更により,補助事業の全部若しくは一部を継続する必要が なくなったとき,又は補助事業者が補助事業を遂行することができなくなったとき(補助事業者の責に帰すべき事情によるときは除く。)は,補助金の交付の決定の全部若しくは一部を取消し,又はその決定の内容若しくはこれに付した条件を変更することができるものとすること。
  ただし,補助事業のうち既に経過した期間に係る部分についてはこの限りでないこと。
  第11条第5項の規定は,前項の規定により取消し又は変更した場合について準用すること。
   
(状況報告)
14条  事業団は,必要に応じ,補助事業者から補助事業の遂行状況その他補助金の執行に関し必要な事項について報告させるものとすること。
   
(寄付金支出の届出)
15条  事業団は,補助事業者が寄付金(学校教育法(昭和22年法律第26号)に定める学校における教育又は研究に関する事業(外国におけるこれに相当する事業を含む。)に係るもの及び500万円未満のものを除く。)を支出しようとするときは,補助事業者からあらかじめ寄付の内容を記載した寄付金支出届出書に必要な書類を添付の上,提出させるものとすること。
   
(実績報告)
16条  事業団は,補助事業者が補助事業を完了したとき(補助事業の廃止の承認を受けたときを含む。)は,補助事業者から補助事業の成果を記載した補助事業実績報告書に必要な書類を添付の上,提出させるものとすること。
   
(補助金の額の確定等)
17条  事業団は,補助事業実績報告書を受理したときは,書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等により,その報告に係る補助事業の成果が補助金の交付の決定の内容 及びこれに付した条件に適合するものであるかどうかを調査し,適合すると認めたときは,交付すべき補助金の額を確定し,当該補助事業者に通知するものとすること。
   
(補助金の交付)
18条  補助金は,原則として補助金額が確定した後において交付するものとすること。ただし,事業団が必要と認めるときは,補助事業者の請求に基づき,所要額を必要に応じ概算をもって交付することができるものとすること。
   
(決定の取消し)
19条  事業団は,補助事業者が補助金を他の用途へ使用し,その他補助事業に関して補助金の交付の決定の内容若しくは,これに付した条件その他法令若しくはこれに基づく所轄庁の処分に違反したとき,事業団に提出した教職員の略歴,勤務形態及び給与に関する資料,その他補助金の配分の基礎となる資料について故意若しくは重大な過失により,事実と異なる報告をしたと認められるとき,又は,当該学校法人若しくはその設置する私立大学等又は学部等が第3条又は第7条第5項に掲げる事由に該当すると認められるとき補助金の交付の決定の全部又は一部を取消すことができるものとする。
  前項の規定は,補助事業について交付すべき補助金の額の確定があった後においても適用があるものとすること。
  第11条第5項の規定は,第1項の規定による取消しをした場合について準用すること。
   
(補助金の返還)
20条  事業団は,補助金の交付の決定を取消した場合において,補助事業の当該取消しに係る部分に関し,既に補助金が交付されているときは,期限を定めてその返還を命ずるものとすること。
   
(加算金)
21条  事業団は,第19条第1項の規定による取消しに関し,補助金の返還を命じたときは,当該補助事業者から補助金の受領の日から納付の日までの日数に応じ,当該補助金の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については,既納付額を控除した額)につき年10.95%の割合で計算した加算金を事業団に納付させるものとすること。
  前項に規定する年当たりの割合は,閏年の日を含む期間についても365日当たりの割合とすること。
  補助金が2回以上に分けて交付されている場合における第1項の規定の適用については,返還をすべき額に相当する補助金は,最後の受領の日に受領したものとし,当該返還をすべき額がその日に受領した額を超えるときは,当該返還をすべき額に達するまで 順次さかのぼり,それぞれの受領の日において受領したものとすること。
  第1項の規定により加算金を納付させる場合において,補助事業者の納付した金額が返還をすべき補助金の額に達するまでは,その納付金額は,まず当該返還をすべき補助金の額に充てられたものとすること。
   
(延滞金)
22条  事業団は,補助事業者が補助金の返還の命令を受け,これを納期日までに納付しなかったときは,納期日の翌日から納付の日までの日数に応じ,その未納付額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については,既納付額を控除した額)につき年10.95%の割合で計算した延滞金を事業団に納付させるものとすること。
  前条第2項の規定は,前項の延滞金の年当たり割合について準用すること。
   
(加算金又は延滞金の免除)
23条  事業団は,前2条の場合において,やむを得ない事情があると認めるときは,補助事業者の申請により加算金又は延滞金の全部又は一部を免除することができること。
  前項の申請は,申請の内容を記載した書面に,当該補助金の返還を遅延させないためにとった措置及び加算金又は延滞金の納付を困難とする理由その他参考となるべき事項を記載した書類を添えて,これを事業団に提出させるものとすること。
  事業団は,第1項の規定により加算金又は,延滞金の全部又は一部を免除しようとする場合には,文部科学大臣の承認を受けるものとすること。
   
(補助金の一時停止等)
24条  事業団は,補助事業者が補助金の返還の命令を受け,当該補助金,加算金,又は延滞金の全部又は一部を納付しない場合において,その者に対して交付すべき補助金があるときは,相当の限度においてその交付を一時停止し,又は当該補助金と未納付額とを相殺することができること。
   
(徴収)
25条  事業団は,返還の命令をした補助金又はこれに係る加算金若しくは延滞金は,必要があるときは,国税滞納処分の例により徴収するものとすること。

-- 登録:平成21年以前 --