専門職大学設置基準及び専門職短期大学設置基準について

○ これまでの中央教育審議会等での審議及び国会での法案審議を踏まえ、次のような基本的な考え方の下に「専門職大学設置基準」及び「専門職短期大学設置基準」(省令)を制定する。

≪基本的な考え方≫

  • 国際通用性を求められる「大学」の枠組みの中に位置付けられる機関として相応しい教育研究水準を担保するとともに、産業界等と緊密に連携した実践的な職業教育に重点を置く、社会人の受入れも主要な機能とする等の特性を踏まえた設置基準とすることが求められる。 (国会での法案審議における松野文部科学大臣答弁)
  • 現行の最低基準である大学設置基準及び短期大学設置基準の水準を考慮し、その趣旨を採り入れると同時に、高度かつ実践的な職業教育を行う機関として、その特性を踏まえた適切な水準の設定を図る。(平成28年5月中央教育審議会答申

1.教育課程等

(1) 教育課程の編成方針

  • 産業界等と連携しつつ、教育課程を自ら開発・開設、不断に見直し。
  • 「専門性が求められる職業を担うための実践的な能力及び当該職業の分野において創造的な役割を担うための応用的な能力」の育成・展開及び「職業倫理の涵養」を規定。

(2) 教育課程連携協議会

  • 産業界及び地域社会との連携による教育課程の編成・実施のため「教育課程連携協議会」の設置を義務付け。

(3) 開設授業科目

  • 開設すべき授業科目の種類として、次の1~4を規定。
    1. 基礎科目〔4年制で20単位以上/2年制で10単位、3年制で15単位以上〕
    2. 職業専門科目 〔4年制で60単位以上/2年制で30単位、3年制で45単位以上〕
    3. 展開科目〔4年制で20単位以上/2年制で10単位、3年制で15単位以上〕
    4. 総合科目〔4年制で4単位以上/2年制・3年制で2単位以上〕
  • (注)卒業・修了に必要な単位は4年制で124単位以上/2年制で62単位以上、3年制で93単位以上

(4) 実習等の重視

  • 実習等による授業科目について一定単位数の修得を卒業・修了要件として規定。
    〔4年制で40単位以上/2年制で20単位以上、3年制で30単位以上〕
  • 上記の実習等による授業科目には、企業等での「臨地実務実習」を一定単位数含む。
    〔4年制で20単位以上/2年制で10単位以上、3年制で15単位以上〕
  • ※ やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分にあげられる場合は、企業等と連携した「連携実務演習等」による一部代替も可能とする。〔4年制で5単位まで/2年制で2単位、3年制で3単位まで〕

(5) 入学前の既修得単位の認定

  • 入学前に専門性が求められる職業に係る実務の経験を通じ、当該職業を担うための実践的な能力を修得している場合に、当該実践的な能力の修得を授業科目の履修とみなし単位認定できる仕組みを規定。
    〔4年制で30単位まで/2年制で15単位、3年制で23単位まで〕

2.教員

(1) 専任教員数

  • 大学・短大設置基準の水準を踏まえつつ、小規模の学部・学科を想定した基準を新設。
    • ※ 専門職大学では、例えば経済学関係の学部の場合、収容定員「400人~800人」の場合に加え「200人~399人」の場合の基準を新設。
    • ※ 専門職短期大学では、入学定員が設置基準に定める数に満たない場合の専任教員数は、その二割の範囲内で兼任の教員をもって代えることができるものとする。

(2) 実務家教員

  • 必要専任教員数のおおむね4割以上は「専攻分野におけるおおむね5年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者」(実務家教員)とする。
  • 必要専任実務家教員数の二分の一以上は、研究能力を併せ有する実務家教員とする。
    • ※ 大学等での教員歴、修士以上の学位、又は企業等での研究上の業績のいずれかを求める。
  • 必要専任実務家教員数の二分の一以内は、「みなし専任教員」(専任教員以外の者であっても、1年につき6単位以上の授業科目を担当し、かつ、教育課程の編成その他の学部・学科の運営について責任を有する者)で足りるものとする。

3.学生

(1) 入学者選抜

  • 実務の経験を有する者その他の入学者の多様性の確保に配慮した入学者選抜を行うことを努力義務として規定。

(2) 同時に授業を行う学生数

  • 原則として40人以下とすることを規定。

4.施設設備

(1) 校地面積

  • 大学・短大設置基準の水準(学生1人当たり10m2)を踏まえつつ、一定の要件の下で弾力的な取扱いを可能とする。
    • ※ その場所に立地することが特に必要であり、かつ、やむを得ない事由により所要の面積確保が困難と認められる場合に、教育研究上支障がない限度において、当該面積を減ずることができることとする。

(2) 運動場、体育館その他のスポーツ施設

  • 原則として体育館その他のスポーツ施設を備えるとともに、なるべく運動場を設けることを求める。ただし、やむを得ない特別の事情があるときは、大学外の運動施設の利用による代替措置を可能とする。

(3) 校舎面積

  • 大学・短大設置基準の水準を踏まえつつ、小規模の学部・学科を想定した基準を新設。
    • ※ 専門職大学では、収容定員「200人まで」の場合に加え「100人まで」の場合の基準を新設。
    • ※ 専門職短期大学では、収容定員「100人まで」の場合に加え「50人まで」の場合の基準を新設。
  • 臨地実務実習が必修である等の特性を考慮し、卒業に必要な臨地実務実習を実施するに当たり、実習に必要な施設の一部を企業等の事業者の施設の使用により確保する場合等、一定の要件の下に、必要校舎面積を減ずることを可能とする。
    • ※ 企業等の事業者から継続的・安定的な施設の供用について文書による確約が得られており、全授業科目を実施する上で必要な施設設備が整っていることなど、必要な要件及び手続については、大学の設置等の認可の申請及び届出に係る手続等に関する規則(省令)において規定。

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