日本語予備教育を行う留学生別科等の基準に関する協力者会議(第4回)議事要旨

1.日時

令和元年11月27日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文化庁2階「第2会議室」
 

3.議事

(1)新たな基準の適用対象の判断基準について
(2)新たな基準に係る論点と方向性について
(3)新たな基準の運用の在り方について
(4)その他

4.議事要旨

(1)新たな基準の適用対象の判断基準について
○ 別科あるいは非正規課程で確認しなければならない点は,別科が進学を目的とする機能を持っているかどうか。進学目的の別科・非正規課程を取りこぼさないようにすることが必要。
○ 日本語教育に取り組んでいることに重きを置くか,進学することに重きを置くかでも異なる。そのようなことからも,進学目的で日本語を学んでいるものであるかどうかを明らかにしてはどうか。
●(事務局)進学は学生個人の判断であるため,進路選択の結果を,どこまで別科や非正規課程の目的を判断する材料とできるか。
○ 日本語科目でなくても,初習者でない場合日本文化等の学習を通じて日本語能力を高めるカリキュラムは一般的。これらの割合が高いところを基準の対象から外す必要はないのでは。
○ その別科の目的について確認する際には,学則だけでなく募集要項も確認した方が良い。
○ 多様な学生を受け入れているので,判断しにくい。対象となるべき大学が審査対象から外れてしまうことにならないよう,幅広くチェックを掛けていくのではないか。

(2)新たな基準に係る論点と方向性について
○ 年間の授業期間は,大学設置基準の22条と23条をそのまま適用すれば,大学の実情に合うのではないか。
○ 年間授業時数は,日本語教育機関の告示基準を参照すれば760単位時間であるが,大学との親和性はない。760単位時間にこだわる必要はないのではないか。
○ 留学生別科は,もともと大学の予備的な教育として,語学力が足りない人を教育する組織であるのだから,日本語教育の時間は日本語教育機関も大学も変わらないのではないか。
○ 大学進学を目指すにしても,日本語能力がほとんどゼロの者を受け入れる場合,N2程度の学生を受け入れるのでは大きな差がある。大学が行う教育プログラムとして,ある程度の柔軟な対応ができる余地を残す必要があるのではないか。
○ 大学の留学生別科や日本語を学ぶ非正規課程は,日本語教育機関とは異なり,年間30週という大学の学年暦と合わせて運営できるようにする必要がある。例えば,週20単位時間を行うとして年間30週であれば,年間600単位時間となる。この600単位時間の日本語教育はするが,それよりも増やしても良いし,ほかの科目も混ぜても良く,また,最低ライン600単位時間を超える部分は自由裁量として残しておくことが良いのではないか。
○ 教員の要件として,日本語教育を担当する場合は,まず日本語教育機関の告示基準に準じる。ただし,大学という特性を踏まえて,専任教員については,特に日本語教育に関する修士又は博士の学位もしくは,それに相当する業績を有する者を対象としてはどうか。
○ 専任教員の要件の考え方と非常勤教員の要件の考え方を分離した方が良いのではないか。
○ これまで日本語教育に携わってこられた教員の背景を考えると,博士を必須要件とすることは現実的ではないのではないか。
○ 大学全体に基準面積があることから,別科等としては,共用部分を含めて一定の面積を求めることとして,学生一人当たり2.3㎡以上にしてはどうか。ただし,別科等の基準面積と学部等の基準面積を合計した面積を,大学全体として上回ることが必要ではないか。

(3)新たな基準の運用の在り方について
○ いつから基準を運用するのかという点は大学関係者も非常に気になるところであり,周知・申請期間,審査期間に時間的余裕を持たせることも考えられる。他方,留学生の在籍管理は社会的要請であり,大学がうまく適応できる範囲で最短の期間を設定できることが望ましい。
○ 審査対象から逃れるようなやり方で運用することを食い止める必要。そのため,適用対象になる別科等をきちんと適用対象として拾えるように取り組むことが必要。
○ 日本語教育の質は,進学実績等を公表してもらうことが良いのではないか。公表することにより,文科省だけでなく第三者もチェックできる。情報公開させること自体に抑止効果が期待できる。
● 日本語教育の質の部分は本基準により確認し,在籍管理の状況は,文科省の定期報告で大学全体として見ていくというような,全体の考え方を整理している。