第1章 地方独立行政法人(公営企業型を除く)に適用される会計基準及び注解 第5節


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5節 貸借対照表

46表示区分
 貸借対照表は、資産の部、負債の部及び資本の部の三区分に分かち、更に資産の部を固定資産及び流動資産に、負債の部を固定負債及び流動負債に区分しなければならない。

47 資産、負債及び資本の記載の基準
 資産、負債及び資本は、適切な区分、配列、分類及び評価の基準に従って記載しなければならない。

48 総額主義の原則
 資産、負債及び資本は、総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。

49 資産と負債・資本の均衡
 貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に一致しなければならない。

50 配列
 資産及び負債の項目の配列は、この基準に定めるもののほか、固定性配列法によるものとする。

51 貸借対照表科目の分類
1  資産、負債及び資本の各科目は、一定の基準に従って明瞭に分類しなければならない。
2  資産は、固定資産に属する資産及び流動資産に属する資産に分類しなければならない。
3  負債は、固定負債に属する負債及び流動負債に属する負債に分類しなければならない。
4  資本は、資本金に属するもの、資本剰余金に属するもの及び利益剰余金に属するものに分類しなければならない。

52 資産の表示項目
1  有形固定資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。
(1) 土地
(2) 建物(その附属設備を含む。以下同じ。)
(3) 構築物
(4) 機械及び装置(その附属設備を含む。以下同じ。)
(5) 船舶(水上運搬具を含む。以下同じ。)
(6) 車両その他の陸上運搬具
(7) 工具、器具及び備品
(8) 図書
(9) 美術品・収蔵品
(10) 建設仮勘定
(11) その他
2  無形固定資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。
(1) 特許権
(2) 借地権(地上権を含む。)
(3) 商標権
(4) 実用新案権
(5) 意匠権
(6) 鉱業権
(7) 漁業権
(8) ソフトウェア
(9) その他
3  投資その他の資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。
(1) 投資有価証券(関係会社株式及びその他の関係会社有価証券を除く。)
(2) 関係会社株式
(3) その他の関係会社有価証券
(4) 長期貸付金(役員、職員及び関係法人に対する長期貸付金を除く。)
(5) 役員、職員及び関係法人に対する長期貸付金
(6) 破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権
(7) 長期前払費用
(8) 未収財源措置予定額
(9) その他
4  流動資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。
(1) 現金及び預金
(2) 有価証券
(3) 受取手形
(4) 未収入金
(5) たな卸資産(「第13流動資産」(5)から(10)までに掲げる資産をいう。以下同じ。)
(6) 医薬品及び診療材料(公立大学法人に限る。)
(7) 前渡金
(8) 前払費用
(9) 未収収益
(10) その他

53 減価償却累計額の表示方法
1  有形固定資産に対する減価償却累計額は、その資産が属する科目ごとに取得原価から控除する形式で記載する。(注37)
2  無形固定資産については、減価償却累計額を控除した未償却残高を記載する。

注37>減価償却累計額について
 減価償却累計額には、各年度の損益計算書に計上された減価償却費の累計額だけでなく、損益外減価償却相当額の累計額が含まれる。

54 負債の表示項目
1  固定負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。
(1) 資産見返負債
(2) 長期預り補助金等
(3) 長期寄附金債務
(4) 長期前受受託研究費等(公立大学法人に限る。)
(5) 長期前受受託事業費等(公立大学法人に限る。)
(6) 長期借入金
(7) 引当金
(8) 長期未払金
(9) その他
2  流動負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって表示しなければならない。
(1) 運営費交付金債務
(2) 授業料債務(公立大学法人に限る。)
(3) 預り施設費
(4) 預り補助金等
(5) 寄附金債務
(6) 前受受託研究費等(公立大学法人に限る。)
(7) 前受受託事業費等(公立大学法人に限る。)
(8) 短期借入金
(9) 未払金
(10) 未払費用
(11) 未払消費税等
(12) 前受金
(13) 預り金
(14) 前受収益
(15) 引当金
(16) その他

55 資本の表示項目
1  資本金は、出資地方公共団体ごとに区分して表示しなければならない。
2  資本剰余金は、資本剰余金の総額を表示するとともに、「第84特定の償却資産の減価に係る会計処理」を行うこととされた償却資産の損益外減価償却相当額の累計額を損益外減価償却累計額として控除して表示しなければならない。
3  利益剰余金は、法第40条第1項に基づく積立金(以下「積立金」という。)、法第40条第4項において定められている場合における前中期目標期間繰越積立金、法第 40条第3項により中期計画で定める使途に充てるために、使途ごとに適切な名称を付した積立金(以下「目的積立金」という。)及び当期未処分利益に区分して表示する。なお、当期未処分利益の内訳として、当期総利益を表示するものとする。
4  その他有価証券の評価差額は、利益剰余金の次に別に区分を設け、その他有価証券評価差額金の科目により表示しなければならない。

56 貸借対照表の様式
1  貸借対照表の標準的な様式は、次のとおりとする。(PDF:14KB)
2  公立大学法人の貸借対照表の標準的な様式は、1にかかわらず、次のとおりとする。(PDF:18KB)


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