選定取組の概要及び選定理由(東京外国語大学)

大学等名 東京外国語大学 整理番号 13113
テーマ番号 1 テーマ名 地域活性化への貢献
取組名称 在日外国人児童生徒への学習支援活動
取組担当者名 武田 千香
(取組の概要)
 本学は、在日外国人児童生徒の教育を支援するために「外国人コミュニティ教育支援室」を設置し、地域の教育現場(小中学校)における学生ボランティア活動を推進する。学生は授業で培った外国語能力を活かし、学習支援や教材の翻訳などを行う。
 支援室は、以下の活動を通じ学生ボランティア活動を支援する。
  1. 学生ボランティア活動のフォローアップ
  2. ボランティア活動の質の向上と人材養成のための教育研修プログラムの実施
  3. 国際理解を深めるための、学校・地域における各種講座の実施
  4. 新たなニーズ調査と、よりよいボランティア活動のあり方の研究
 本取組により、在日外国人児童生徒が不登校や非行に走ることなく地域社会に溶け込めるよう支援する。また本学の学生が、(1)大学での学習成果を社会に還元すると同時に、(2)学習へのモチベーションを新たにし、(3)大学で学んだことを実社会で生きた知識として鍛え直すことをめざす。
(選定理由)
 この取組は、かねてから留学生日本語教育センターや留学生課を通じて外国人児童・生徒の教育活動に対して積極的に関与してきた既往の活動を前提としながらも、それらとは異なる新たな契機と質とを備えています。
 すなわち、本取組の第一の特徴は、貴学学生20数名が平成15年に自主的に結成したボランテイア組織「東京外大在日外国人交流ネットワークAmigos(アミーゴス)」が首都圏の自治体に対して行った調査とそれに基づく提案から出発していることにあります。学生自身の主体性と創意を真摯に受け止めようとする貴学の姿勢は高く評価されます。第二の特徴は、貴学が本取組を実現するため、全学的な支援体制を構築していることです。すなわち、学長の下にある大学開放支援室の分室として副学長1名をヘッドとする「外国人コミュニティー教育支援室」を設置し、10数名の教員スタッフだけでなく、NPO組織と提携して専任スタッフを配置するなど、内容豊富なバックアップ体制の構築を企画していることは注目に値します。
 外国人コミュニティーの直面している教育上の課題の根底には、労働をめぐる経済的条件や社会的差別が横たわっていますが、日常的にはコミュニケーションとその媒体としての言語・文化の問題が最も深刻です。貴学が世界各地域の言語・文化と日本語教育に関する層の厚い教員集団の教育を受けて成長しつつある学生の力を引出し、本年度から一年一年と着実に成果を蓄積されることを期待します。

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高等教育局大学振興課大学改革推進室

(高等教育局大学振興課大学改革推進室)

-- 登録:平成21年以前 --