平成19年度 「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」選定プログラムの概要及び選定理由(「オフ」と「オン」の調和による学生支援)

大学・短大・高専名 富山大学
プログラムの名称 「オフ」と「オン」の調和による学生支援
‐高機能発達障害傾向を持つ学生への支援システムを中核として‐
プログラム担当者 斎藤 清二
(プログラムの概要)  現代の若者の多くは「社会的コミュニケーションの困難さ」を有しており、そのため多彩な問題が大学や社会に生じている。このような傾向は、近年注目されている高機能発達障害の特徴と重なるものがあり、発達障害傾向をもつ学生に対する包括的な支援システムの確立は、現代の大学・社会が抱える問題への強力な支援ツールとなりうる。
 本プロジェクトではこのような学生に対して、オフラインとオンラインの二重支援システムを構築し実践する。オフラインシステムはトータルコミュニケーション支援室を核として、FDの企画、カウンセリング・コーチングによる直接支援、具体的に生じた問題へのサポートチームによる支援等を行う。オンラインシステムは、SNSを活用したネットワークを構築し、問題を抱える学生への継続的な支援、e-learningによる自己学習ツールの提供、卒業後のキャリアコンサルティングなどを含めた継続的かつ総合的な支援を行う。
(選定理由)  本取組は、今まで問題が内在していながら、大学があまり真剣に取り組まなかった発達障害者への対応を大学全体として取り組んだ包括的なコミュニケーション支援プロジェクトとして大変意義深いものです。
 本取組の特徴としては、ITを最大限に利用したオンライン・ネットワークシステムとface-to-faceのサポートというオフライン・ネットワークシステムを組み合わせている点に新規性・独自性が十分認められます。
 また、発達障害の学生にとっても、その学生を指導する教職員にとっても、また社会にとっても、ニートやフリーターの減少や問題行動の防止につながる本取組は、他教育機関の参考になるとともに、その成果に関する著しい効果が期待されます。
 人権的問題には十分配慮しながら、他の教育機関に事例を公表し、成果を共有して欲しいと考えます。さらに、カリキュラムとの関係、教員の指導法との関係など、教職員の理解向上のためのFD計画、より踏み込んだ教育体制へのフィードバックが望まれます。
 本取組が実行され、事例が積み上げられる中で、具体的な評価を得られることにより、社会的ニーズとなっている発達障害の学生への対応を含む学生のコミュニケーション能力の向上に寄与することを期待します。

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-- 登録:平成21年以前 --