平成19年度 「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」選定プログラムの概要及び選定理由(3相の〈ことつくり〉で社会へ架橋する)

大学・短大・高専名 東京工業大学
プログラムの名称 3相の〈ことつくり〉で社会へ架橋する
‐問題解決型支援から成長促進型支援へ‐
プログラム担当者 三木 千壽
(プログラムの概要)  閉じた小宇宙に籠もりがちな理工系分野の学生たちに社会との接点を増やし、地域の科学教育やものつくりに積極的に関わる機会を設けて、行動力と視野の広さを兼ね備えた人材育成を目ざす。具体的には社会との関わり方を〈行動する〉〈伝える〉〈広げる〉の3相に分け、第1相〈行動する〉では学生シンクタンクでプロジェクトの実践経験を積み、第2相〈伝える〉では文章コミュニティで情報の発信力と受信力を錬磨し、第3相〈広げる〉では一千人留学生と交流することで留学生・日本人学生ともに真の異文化理解へ至る。
 この新たな取組は、すでに展開中の4本柱の学生支援体制をベースに推進する。すなわち、年間5,000件に及ぶ充実した個別相談受入を中心に(総合性)、日本人・留学生を区別なく(国際性)、学生の相互援助力を喚起し(自律性)、学生ニーズを集約する学勢調査を定期的に実施する(双方向性)という全学挙げての支援体制である。
(選定理由)  本取組は、理系学生の陥りやすいコミュニケーション不足を解消し、社会との関わり方を「行動する」「伝える」「広げる」の3つの相に分けることを軸とした取組で、学生支援の理念・目標が明確であり、新たな取組の必要性・有効性も明解に示されています。これまでの真摯で地道な実践の積み重ねの上に立つものであり、確実な手応えを感じます。学生の9割以上が大学院修士課程進学という環境で、時間的・精神的・能力的に恵まれた学生がプロジェクトに関与しやすいため、学生自身の手で「ことつくり」の実現が図られる状況、また「援助的コミュニケーションについての講習」など、教員の苦心もうかがわれます。
 その成果の評価や改善の施策として、Webによる全学生アンケートシステム「学勢調査」や、卒業生の就職先企業・活動の対象となった小学校はもとより、海外からの定評ある評価基準を取り入れるなど周到であり、かつ人的支援としてコーディネーターを雇用し、各分野のクリエーターを講師に、また大学院生やポスドクを牽引役にするほか、地域連携を締結するなど、学内外の人材活用面でも効果が期待でき、他の大学等の参考となる優れた取組であると言えます。

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