第2回日中韓サミットにおいて、三国の大学間交流の促進、さらにはアジアの大学間交流の促進が合意されたこと等を踏まえ、同地域の協力強化と安定的で健全な発展に寄与するため、日中韓等の協力強化と成長の担い手となる高度かつ実践的な人材育成を図ることが重要であるとされています。
このため、大学が、日中韓をはじめとするアジア地域の協力強化が求められる共通的な成長分野について、アジア地域のうち中国や韓国を中心に外国人学生を受け入れ、日本人学生と協調しながら切磋琢磨する環境の下、産業界と連携して、実践的教育を提供する取組を重点的に支援します。
国公私立大学(学校教育法第2条第2項に規定する国立学校、公立学校及び私立学校(学校法人が設置する大学に限る)である大学)が、大学院研究科(博士課程、修士課程、専門職学位課程)において、本事業の目的に則した高度専門職業人育成の拠点を形成するための事業計画を対象とします。
(1)「新成長戦略(基本方針)」(平成21年12月30日閣議決定)を踏まえ、平成22年度は、「環境・エネルギー」、「健康」の分野に係る申請のうち、特に優れた構想であると認められたものを重点的に選定します。
(2)なお、その他の分野に係る申請であっても、「新成長戦略(基本方針)」との関係が明確であり、当該分野における高度専門職業人養成の必要性や緊急性が高く、特に優れた構想であると認められた場合は、選定分野のバランスを考慮した上で、予算の範囲内で選定します。
5件程度とします。(申請状況や事業内容等を勘案の上決定。)
5年間を原則としますが、支援開始3年目に中間評価を行い、その結果を踏まえて、必要に応じて、第4年目以降の計画の変更や中止を含めた見直しを行うこともあります。
事業内容等を勘案の上、1件当たりの年間補助金額の上限は1億円とします。また、各年度の補助額は本事業の予算の状況等に応じて調整されます。
原則として、支援開始から3年目の平成24年度に、それまでの取組状況や実績に関する中間評価を、支援終了後(支援開始から6年目の平成27年度)に支援期間全体の実績に関する事後評価を、「日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業委員会」(以下「委員会」という。)でそれぞれ実施します。
中間評価の結果によっては、当初計画どおり補助金が交付されなくなることがあります(補助が打ち切られることもあります)。
なお、評価は、委員会で別途定める方法、基準等に基づいて行われます。
本事業は、大学が、産業界と密接に連携し、より幅広い専門知識、職業人として必要な実践力、課題発見・対応能力、グローバル感覚などを身に付けるための質の高い中核的な担い手となる人材を育成するものです。各大学は、この主旨を踏まえて構想を策定してください。
本事業が対象とする構想は、以下の(1)~(4)の要件をいずれも満たすものとします。なお、本事業において期待する人材育成像を参考としてください。
1.これまでの海外の大学との連携・交流実績をベースとして、当該大学との間でコンソーシアムを形成し、当該連携大学から優秀な外国人学生を推薦させる仕組みを構築すること。
2.外国人学生は、アジア地域のうち中国や韓国を中心に受入れるよう配慮すること。
中間評価及び事後評価の各時点における達成目標を国民にわかりやすい形で明確に設定すること。(特に以下の点について目標を設定すること。)
ア.基幹研究科における留学生比率
イ.本事業により連携する企業数及びインターシップ受入企業数
ウ.本事業による修了者の、国内外(日中韓等)の関係の企業等への就職率
【参考:人材育成像の例】
○ A国が抱える環境問題に関し、当該国における政策、人々の考え方や生活の違いなどを踏まえて、文系・理系の伝統的区分を越えた専門的知識を統合的に駆使し、問題解決の道筋を戦略的に構築する能力を身に付け、グローバル化する環境問題と企業活動の課題を解決できる人材を育成する。
○ アジアのエネルギー需給の現状や課題を俯瞰的に捉えた上で、エネルギーソリューションのあり方を探るとともに、省エネ技術やリサイクルに関する知識・技術を身に付け、アジア地域に進出した現地企業等で、当該ビジネスのモデルを積極的に展開し、アジアでの需要を喚起できる人材を育成する。
○ 今後、高齢社会を迎えるアジア諸国等において、健診や介護等のQOL向上の新たなニーズを把握し、健康サービス分野における新たなビジネスモデルを開発・展開し、急速に市場拡大しつつあるアジア地域での健康サービスの需要増大に貢献できる人材を育成する。
1.の構想の要件の他、以下の取組についても審査の参考とします。
(1)優秀な外国人学生を幅広く受け入れるなどの観点から、受け入れ当初において英語による授業を実施する環境を整備。
(2)学生(特に外国人学生)に対する生活・就職支援や経済支援等の必要な支援策、及び当該職業を担うために必要な日本語教育や日本の企業・文化等の理解に資する教育の取組。
(3)企業等に対する、修了者の積極的な採用促進に向けた取組。
教育情報(教育研究上の基本的な組織、教員、教育課程、卒業要件等、学生、学生納付金、学習環境に関する情報等)の公表を積極的に進めている大学を対象とする。
以下の取組は対象外とします。
本事業の申請は、1大学につき1件とします。
本補助金交付先の選定のための審査は、大学の国際化や産学連携に知見・経験のある有識者・専門家等で構成する委員会において行われます。
具体的な審査方法等については、「日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業審査要項」を参照してください。
なお、審査の過程で、調書等をもとに委員会によるヒアリングを行うことがあります。その場合は、対象となった大学等に対して、別途、委員会よりその旨を案内します。
選定に当たっては、委員会等の意見を踏まえ、事業計画についての改善のための意見を付すことがあります。
(1)採択された取組に対しては、「国際化拠点整備事業費補助金」により、経費措置を行います。
(2)採択された取組の計画が、国際化拠点整備事業費補助金により文部科学省が行っている他の事業又は大学改革推進等補助金、研究拠点形成費等補助金等により経費措置を受けているものと内容が重複する場合、本事業として経費措置をうけることはできなくなりますので、申請に際して、他の経費措置を受けて行っている事業との区分・相違などを十分整理した上で、本事業に申請する実施計画及び資金計画を作成してください。
(3)申請できる経費は、本事業計画の遂行に必要な以下の経費です。申請に当たっては、事業計画の実施期間(5年間)における所要経費を提出していただきます。
経費の使途の有効性を十分に検討し、拠点形成計画に見合った適切な規模の経費を申請してください。各年度の補助金額は、本補助金の当該年度の全体予算額を踏まえ、事業計画の内容等を総合的に勘案して毎年度決定されることとなります。
(4)経費の取扱いについては、別に通知する交付要綱、取扱要領等に従って適切に管理執行していただくこととなりますので、留意してください。
【設備備品費】
本補助金は、物品購入を目的とするものではありませんが、本事業計画の遂行上、必要不可欠な設備備品費については使用できます。また、設備備品を設置する際の軽微な据付のための経費についても使用できます。なお、設備備品、消耗品の区別については、大学の規定等に基づき行って下さい。
【旅費】
本補助事業を遂行するに当たり必要な旅費(国内旅費、外国旅費、外国人招聘等旅費)について使用できます。
【人件費】
本補助事業に必要な謝金及び人件費です。
1.謝金
本補助事業を遂行するための専門的知識の提供、情報収集、資料整理等について協力を得た人に対する謝礼に必要な経費です。謝金の単価の算定は、補助事業者の規程等に基づき行ってください。
2.雇用等経費
本補助事業を遂行するために必要となる者を雇用等する場合の給与等に使用することができます。
【事業推進費等】
本事業を遂行するために必要な消耗品費、借料・損料、印刷製本費、通信運搬費、光熱水料、雑役務費、会議費、委託費、交通費などについて使用することができます。
1.消耗品費
事務用の消耗品、教育活動用の消耗品、その他の消耗品の代価及び備品に付随する部品等の購入に必要な経費です。
2.借料・損料
会議やシンポジウムの開催に必要な会場の借料、物品等使用料及び損料、車輌等の借上げ等に必要な経費です。
3.印刷製本費
会議資料、報告書、テキスト、パンフレット等の印刷製本に必要な経費です。
4.通信運搬費
郵便、電話、データ通信、物品運搬等の通信、運搬に必要な経費です。
5.光熱水料
本補助事業に係る使用量が特定できる場合の電気料、水道料、ガス料等です。
6.雑役務費
設備備品の改造・修繕、各種保守、人材派遣、送金手数料、講習会等への参加、翻訳(謝金による翻訳を除く)等に必要な経費です。
7.会議費
会議に係る飲食代、本補助事業として行われる国際会議・国際シンポジウムに不可欠なものとして開催されるレセプション等に必要な経費です。
8.委託費
本補助事業を遂行する上で必要となる補完的な定型業務である場合、当該業務を外部に委託することができます。なお、委託費は、原則として補助対象経費の総額の50パーセントを超えないでください。
9.交通費
旅費に該当しない近距離の交通費又は乗車の回数券等の購入に必要な経費です。
(5)上記の経費の範囲内において、本補助金の使途として、主な例を列挙したので参考にしてください。
○大学と海外の複数の関係大学で構成するコンソーシアムの設置・運営に必要な経費
例:コンソーシアム形成準備経費(中国や韓国への外国旅費等)
コンソーシアム運営経費(学外者の謝金、旅費、会議費等)
○国内外の連携大学による広報や現地説明会のための経費
例:教職員が国内大学や中国・韓国等の大学へ出張するための旅費
現地説明会の会場借料などの会議費
○当該分野について、企業等から特に優れた知識・経験・技術を有する者を招聘し教員として配置するための人件費
○当該分野に係る教育研究業績や高度の教育上の指導能力を有する他大学の教員に授業を担当させるための人件費
○教育プログラムや教材の開発に要する経費
例:プログラム策定委員会での学外者の謝金・旅費
プログラム策定の調査費や教材開発費等
○企業における長期インターンシップの実施に要する経費
例:企業との長期インターシップのシラバス作成、企業関係者の謝金等
○円滑な事業推進のため、専任のコーディネーター等を配置するための経費
例:コーディネーターや事務員等の雇用のための人件費
○事業の検証・評価等を行うための第三者評価組織の運営のための経費
例:第三者評価委員会の運営経費(学外者の謝金・旅費、会議費等)
○企業が本事業によるカリキュラム修了者を積極的に採用するための取組の経費
例:企業等へ情報を発信するためのHPやパンフレット等の作成経費
「平成22年度「日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業」計画調書作成・記入要領」に基づき、所定の様式で申請書を作成し、学長等から文部科学大臣宛に申請してください。
持参による提出の場合は、申請書類を、平成22年6月3日(木曜日)、6月4日(金曜日)(10時から正午まで、及び、13時から17時まで)の期間内に、文部科学省に提出してください。
郵送等の場合は、封筒に「日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業申請書類在中」と朱書きの上、配達が証明できる方法(配達記録、小包、簡易書留等)で余裕をもって発送し、上記提出期間内に必ず着くようにしてください。いずれの方法においても期間を過ぎた場合は、事故等を除き原則として受け付けません。
【提出先】〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
文部科学省高等教育局専門教育課科学・技術教育係
電話:03-5253-4111(内線2485)
選定された大学には、学長等宛に選定結果を通知します。
選定がなされ補助金の交付を受けた場合には、学長、取組責任者及び経理等事務を行う大学の事務局は以下のことに留意してください。
1.補助事業の遂行及び管理
本補助金の財源は国の予算であるため、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令」等に基づいた適切な経理等を行わなければなりません。
2.補助金の執行事務等
本補助金の執行事務を適切に遂行するため、大学の事務局が計画的に経費の管理を行うようにしてください。その際、本事業の経理については、他の経理と明確に区分し、その収入及び支出の内容を記載した帳簿を備え、その収入及び支出に関する証拠書類を整理し、並びにこれらの帳簿及び書類を当該取組が完了した年度の翌年度から5年間保存することにも注意してください。
なお、設備備品等を購入した場合は、それらが国から交付された補助金により購入されたものであることを踏まえ、補助事業の期間内のみならず、補助事業の終了後においても、善良な管理者の注意をもって管理し、補助金交付の目的に従って、その効率的運用を図るようにしてください。
3.その他法令、国の定めるところにより、必要な責任を負うことになります。
募集締切後、申請大学名(研究科専攻名含む)、取組の名称を公表する予定です。また、選定された取組については、内容、実施担当者(代表者)名等の概要についても公表する予定です。
パンフレットの作成、フォーラムの開催等を行うことを予定しておりますので、選定された大学は、ご協力ください。その際、作成したパンフレット等に関する著作権は、文部科学省に帰属するものとします。また、申請書等に基づき、事業が展開されているかについて状況調査を行う場合があります。
《問い合わせ先》
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
文部科学省高等教育局専門教育課科学・技術教育係
電話:03-5253-4111
内線2485
FAX:03-6734-3389
《スケジュール》
○申請書類の提出期間:平成22年6月3日(木曜日)、6月4日(金曜日)
(10時から正午まで、及び、13時から17時まで。)
○選定結果の通知(予定):平成22年7月中旬
高等教育局専門教育課科学・技術教育係
-- 登録:平成22年06月 --