【資料5-1】 審査の観点例

 

審査の観点例

(0)総論
 ○ 法令を遵守し、基本方針や応募要領で定めるところに誠実に対応するものとなっているか。
   ※ 設置者としての視点だけでなく、学生、患者、地域住民等、様々な主体の視点に立っているか。
 ○ 「どうすれば基準を満たせるか」という方法論からでなく、「どうすれば将来の東北地方へより大きな貢献ができるか」という理念からの構想となっているか。
    ※ 構想全体が、大学・医学部の基本理念と一貫性のあるものとなっているか。
    ※ 例えば構想の課題や問題点を認識した上でそれを隠すのではなく、解決に向けて取り組むものとなっているか。意思決定の理由、根拠を示し、社会に対して誠実に説明を尽くそうとしているか。
   ※ 医学部が設置され、卒業生が臨床研修を終えるまで10年かかることを踏まえ、東北地方の20年後30年後の姿を見据えた計画となっているか。


(1)大学・医学部の基本理念等
 ○ 「基本方針」の趣旨を踏まえ、震災からの復興、原子力事故からの再生、超高齢社会における東北地方の医療提供体制の確保といった課題に関する認識と、それを踏まえた医学部のミッションとなっているか。
  ※ 客観的な根拠等のバックデータを示しているか。
  ※ 医学部が設置される県・地域の医療に限るのではなく、東北全体を視野に入れた計画となっているか。(新設医学部だけの力で東北全体の医療を支える必要はないが、既存の医学部と連携、役割分担を行うことにより、東北全体の医療へ貢献するものとなっているか)
  ※ 教育や診療以外の地域貢献(例えば大学設置による地域活性化、地元産業と連携した研究開発や地域の課題解決、小中高等学校との連携や大学間連携による東北地方の教育の活性化など)を含め、東北地方の復興や未来への貢献のために取り組んでいくことが示されているか。

 
(2)基本計画
 1.設置者、設置場所、設立準備組織の体制等
  ○ 医学部(医科大学)の設置に必要な、設置者、設置場所、設立準備組織の体制等について、適切に構築されているか。

 2.基本的な教育方針と教育課程の概要
  ○ 基本理念に基づく基本的な教育方針(例えば、アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシー等)及びそれを実現するための教育課程(おおむね何年次に何を学び、どういう選択コース等があるか等)の概要が適切に示されているか。
      ※ カリキュラム全体の1/3程度を各大学の特色ある選択カリキュラムとするという医学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方や、医学教育分野別評価基準日本版(日本医学教育学会)を踏まえたものとなっているか。

 3.必要な施設設備、協力者等の確保の見通し 
   ○ 構想を実現するために必要な、校地、校舎、病院、設備のそれぞれについて、確保の見通しが示されているか。
    ※1整備時期、2整備内容、3整備に要する所要額が示されているか。 
   ○ 献体、模擬患者等の確保方法を初めとし、教育上必要な協力者が確保できる目(め)処(ど)が示されているか。

 4.附属病院に関する計画   
    ○ 医学教育上必要な患者数・症例数が確保でき、かつ、安定的に病院運営が可能な計画となっているか。 
   ※ 備える診療科や部門、病床数、職員数、患者数の確保の方法と見通し等が適切に立てられているか。
   ※ 認可申請時、開学時等の各段階における年次計画が適切に立てられているか。
    ○ 附属病院における臨床実習について、関連教育病院における実習により補う場合には、関連教育病院による協力が得られる見通しが示されているか。
      ※ 当該病院を関連教育病院に選ぶ理由、関連教育病院となる予定の病院との交渉状況、関連協力病院となることにより教育の負担が増えることに伴う対応が含まれているか。
   
 5.財源確保の見通し、組織全体の財務状況(計画)
  ○ 医学部設置に要する経費の財源確保の状況が示されているか(今後、寄附により新たに財源を確保する見込みがある場合は相手方及び見込額も含む。)
  ○ 組織全体の財務状況について、既設の学部等における教育・研究への影響や中長期的な財務への影響を来さない計画となっているか。

 6.その他
  ○ 上記のほか、教育・研究等における他大学、医療機関・団体等との連携がなされているか。
   ※ 協定等の裏付けがあるか。
  ○ 設置後、新設構想の履行、改善、充実を担保する仕組み(外部関係者による意見を求める運営協議会の設置等)が講じられているか。


(3)基本方針に示された留意点への対応
 1.東北地方の将来の医療ニーズを踏まえた特色ある教育や研究、診療、地域貢献
  ○ 東北地方において今後どのような医療ニーズがあると考え、そのためにどのような教育等を行うか説明がなされているか。
  ○ その実現のためにどのような教育課程、教育体制、他機関との連携等を行うかについて具体的に示されているか。
  ○ 関連するテーマに既に取り組んでいる大学との連携や役割分担が講じられているか。

 2.地域医療に支障を来さずに教員や医師、看護師等を確保する方策の案
  ○ 教員や附属病院の医師、看護師等医療関係職の採用方法に関する工夫と確保の見通しが示されているか。
   ※ グループ内の病院からの配置換えにより医師を確保する場合であっても、その後どの地域からどのように補充するのか等について具体的な方法を示されているか。
   ※ 例えば、教員や医師、看護師等医療関係職の確保に関して、大学、学会、病院、団体等との連携や協定等が結ばれているか。
   ※ その他円滑な教員や医師、看護師等医療関係職の確保に関する取組について示 されているか。

 3.地方公共団体と連携した卒後の定着策の案
  ○ 学生募集・入試選抜において、東北地方出身者の入学を促進する方策や、東北地方の地域医療に従事する意欲や素質を有する学生を確保する方策などの案が示されているか。     
      ※ 特に、新たな医学部を設置することにより、東北地方の他の医学部と地元出身
        の学生を取り合うのではなく、総体として東北地方で活躍する医師の絶対数が増
        えるものとなっているか。
  ○ 卒業後、東北地方の地域医療に従事する意欲や能力を有する人材を育成するための、教育課程における工夫がなされているか。
  ○ 東北地方の各県、市町村等と連携した地域枠奨学金の設定を行う場合は、効果的かつ持続可能なものとなっているか。
   ※奨学金の貸与人数、金額、期間、財源は誰が負担するのか、返還免除の条件等について示されているか。基金等を設ける場合にはその運営の仕組みについて概説されているか。
  ○ 卒業生のキャリアパス(特に地域枠卒業生の義務年限期間中及びそれ以降)について具体的に考えられているか。
   ※ どのような病院でどのような研修・教育を行いながら地域の医師不足・偏在解消に貢献していくか、専門医の取得や大学院進学との関係、具体的な配置先を決める仕組みの案が示されているか。
   ※ 同じ東北地方の中での地域偏在についても解決するものとなっているか。
    ○ 上記のほか、卒業生に限らず、大学病院に所属する医師等を、東北地方の地方公共団体の求め等に応じて派遣する仕組みや、医師が東北地方の医師不足地域に定着することを促進するために大学として行う方策等が講じられているか。

 4.医師需給を踏まえた適切な定員の設定、臨時定員設定の案
    ○ 定員設定の根拠(例えば、入学者のうち東北地方出身者・東北地方以外の出身者の試算、卒後の勤務地等についての試算等)が示されているか。
    ○ 東北地方における既存の各医学部が設定する臨時定員数等も踏まえた上で臨時定員が設定されているか。


 

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-- 登録:平成26年06月 --