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医学生及び歯学生の系統解剖実習時の環境向上について(通知)

13高医教第4号
平成13年4月20日

 

医学部又は歯学部を置く
国公私立大学事務局長 殿

 

文部科学省高等教育局医学教育課長
村田 貴司

 

医学生及び歯学生の系統解剖実習時の環境向上について(通知)

 
医学部及び歯学部の室内空気環境汚染の防止等については、平成13年2月23日付け12高医教第17号で高等教育局医学教育課長から医学部又は歯学部を置く国公私立大学事務局長あてにお願いしたところです。
このたび、標記のことに関する専門的事項について、系統解剖学等の関係者から意見聴取することを目的として設けられた「系統解剖実習の環境等に関する懇談会」において、当面の対応策が別紙のとおり取りまとめられましたので、送付します。
ついては、関係の教職員等に対する周知方に御配慮下さるようお願いいたしますとともに、本提言を踏まえ系統解剖実習時の環境向上に努めていただきますようお願いします。

(別紙)


 医学生及び歯学生の系統解剖実習時の環境向上について


  平成13年4月20日
  系統解剖実習の環境等に関する懇談会


 化学物質による健康被害が注目されている今日、解剖学教育を行う医科大学及び歯科大学における医学生及び歯学生の系統解剖実習時(脳実習を含む)の環境向上や防備体制等の充実を図る上での参考に資するため、次のことを提言する。
【1】実習管理・指導者に対して
1 ホルマリン(35~38%ホルムアルデヒド)は、毒物及び劇物取締法で規制の対象とされていることを理解すること。
2 健康被害を生ずるおそれがある一定の化学物質(ホルムアルデヒド等)を譲渡する者は、当該化学物質に係る有害性等の情報を文書(化学物質等安全データシート)等により、譲渡先へ通知することが労働安全衛生法により義務づけられているので、学内の責任者は、化学物質に係る有害性等の情報を入手し周知するとともに、その情報を活用して、保管・管理・処理等を適切に行うこと。
3 ホルマリン使用時(遺体注入時及び系統解剖実習時)には、その濃度に応じて、室内(注入時及び実習室)にホルムアルデヒドが気化し毒性を持つことがあるので、空気環境の改善に努めること。特に、実習室内は、多数の学生が同時に曝露される可能性があるので、換気扇や空気洗浄機等で出来る限りの清浄化に努めること。
4 現在、濃度の高いホルムアルデヒド溶液(3.5%以上:10%以上のホルマリン溶液)を使用している場合、今後ホルムアルデヒド溶液の濃度及び実習時・遺体処理時における毒性を低減させるよう、手段を講ずるように努めること。
5 学生に対しては、濃度の高いホルムアルデヒドの毒性及びその毒性が濃度によって軽減されることを認識させ、皮膚・粘膜への影響に対する防護方法や廃棄方法を文書をもって認識させること。
【2】学生に対しての指導
1 実習用の遺体が、アルコールやホルマリン等で防腐処置を施されてはじめて解剖実習が出来ることを、文書等で学生に理解させること。
2 各解剖学講座(教室)で使用している防腐液及び保存液に応じて、学生にその身体に与える影響、防護方法及び廃棄方法を文書をもって理解させること。
【学生に理解させる内容】
(1)ホルマリンについて
 ホルムアルデヒドを含有する製剤(含有率1%以下のものを除く。)は、毒物及び劇物取締法で規制されており、また、皮膚や粘膜への影響が心配される。よって、皮膚疾患や各種アレルギーをもつ学生は、防護措置(マスク、手袋等)を必要に応じてとらせること。また、1%以下で使用していても、上記の影響が心配される時は、防護装置を必要に応じてとらせること。
(2)廃棄方法について
 遺体由来の液体は、希釈されたものといえども医療廃棄物として認識させ、医療現場での廃棄物処理の考え方を育成すること。

【学生への文書例】
 ホルマリン(35%~38%ホルムアルデヒド)は、毒物及び劇物取締法において劇物として規制されています。
 ホルマリンは、高濃度で使用すると人体への刺激が強い物質ですが、ご遺体の保存には欠かすことのできないものです。
 しかし、長時間の使用や曝露により粘膜刺激で涙が出たり鼻水が出たりしますし、皮膚刺激により指がかさかさになったりすることがあります。特に身体への刺激があると思われる場合、各自指導者に申し出てください。
 皮膚等のアレルギー性疾患を持つ学生は、以下のような防護処置をすると良いでしょう。

1 目への刺激、目の痛みが強い場合は、洗顔をまめにし、ゴーグル等で目を保護する。特にコンタクトレンズ使用者は目への刺激が増すことがあるので注意する。
2 鼻への刺激が強い場合は、活性炭入りのマスクをする。
3 手の荒れは手袋等で保護する。ただし、材質(シリコンゴム等)によって即時型アレルギー反応を引き起こす場合があるので注意する。
4 特に脳実習時、実習開始時や実習1時間ごとに水洗すると、刺激はかなり弱くなるので、まめに水洗する。
5 解剖を行わない部位や休憩する場合、遺体にカバーをするとかなり揮発を防げる。
6 遺体から出た廃液は、遺体保存用薬液や遺体からの滲出液が混ざっているので、医療廃棄物として別に処理しなければならない。
 別途、指示通りに処理をする。


系統解剖実習の環境等に関する懇談会委員名簿
座長 佐藤達夫 東京医科歯科大学副学長
副座長 加藤征 東京慈恵会医科大学教授
平田和明 聖マリアンナ医科大学教授
松村譲皃 杏林大学医学部教授
森千里 千葉大学大学院医学研究部教授
秋田恵一 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科助教授
江川薫 昭和大学歯学部助教授
渡邊利明 東京慈恵会医科大学助手

お問合せ先

高等教育局医学教育課

高等教育局医学教育課医学教育係
電話番号:03-5253-4111(内線3306)

-- 登録:平成25年03月 --