中期目標 |
中期計画 |
(前文)研究機構の基本的な目標
国立大学法人法第30条の規定により,大学共同利用機関法人自然科学研究機構(以下「本機構」という。)が達成すべき業務運営の目標を定める。
大学共同利用機関法人である自然科学研究機構は,天文学,物質科学,エネルギー科学,生命科学等,自然科学分野の拠点的研究機関として,先端的・学際的領域の学術研究を行い,大学共同利用機関としての責任を果たすとともに,自然科学分野における学術研究成果の世界への発信拠点としての機能を果たす。
大学の要請に基づいて特色ある大学院教育を推進するとともに,若手研究者の育成に努める。
適切な自己点検や外部評価を行い,学術の基礎をなす基盤的研究に加え,先進的装置の開発研究等のプロジェクト的研究,自然科学分野の関連する研究組織間の連携による学際的研究の推進を図る。
これらの基本的な役割を果たすため,本機構の中期目標は以下のとおりとする。 |
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中期目標の期間
平成16年4月1日から平成22年3月31日までの6年間とする。 |
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研究機構の教育研究等の質の向上に関する目標 |
1 |
研究に関する目標 |
(1) |
研究水準及び研究の成果等に関する目標
本機構は,宇宙,物質,エネルギー,生命等に関わる自然科学諸分野の学術研究を積極的に推進する。
複数の基礎学術分野の連携によって新たな学術分野の創成を目指す。
天文学及びその関連分野では,大型観測装置等を用いて,高水準の研究成果を達成するとともに,理論的研究,先端的観測装置等の開発研究並びに必要な事業を行う。
また,天象観測並びに暦書編製,中央標準時の決定及び現示並びに時計の検定に関する事務を行う。
国立天文台は,米国に設置されたハワイ観測所においても業務運営を円滑に実施する。
エネルギー科学分野,とりわけ核融合科学分野では,我が国における核融合科学研究の中枢機関として,大学や研究機関と共に核融合科学及び関連理工学の発展を図る。環境安全性に優れた制御熱核融合の実現に向けて,大型の実験装置や計算機を用いた共同研究から,国際協力による核融合燃焼実験への支援までを含む日本全体の当該研究を推進する。
基礎生物学分野では,生物現象の基本原理に関する総合的研究を行い,卓越した研究拠点として基礎生物学分野の発展に寄与する。
生理学(医科学,基礎医学)分野では,分子,細胞,個体等のレベルの研究とそれらの統合により,脳神経系を中心とするヒト及び動物の生体の機能とメカニズム及びその病態の理解の発展に寄与する。
分子科学分野では,物質・材料の基本となる分子及び分子集合体の構造,機能,反応に関して,原子及び電子のレベルにおいて究明することにより,化学現象の一般的法則を構築し,新たな現象や機能を予測,実現する。 |
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(2) |
研究実施体制等の整備に関する目標
先端的で創造的な学術研究を持続的に可能とする研究体制を構築する。また十分な研究支援体制の確保に努める。
研究水準を向上させるため,外部評価を定期的に行い,その結果に基づき,研究者の適切な再配置と研究環境の改善を行う。
知的財産の創出,取得,管理,活用に関する体制を整備する。 |
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2 |
共同利用等に関する目標
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(1) |
共同利用等の内容・水準に関する目標
本機構は,各専門分野に関して研究活動の充実を図るとともに,国内外の研究者との共同利用・共同研究を一層推進する。
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大学の当該分野の中核的組織として,各種情報の提供,ネットワークの要としての役割を果たす。 |
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研究者コミュニティに開かれた体制の下に資源配分を行い,様々な研究情報を提供して,共同利用・共同研究の活性化を図る。 |
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国際的レベルの研究水準を維持し,先端的研究・開発を達成する。 |
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高速ネットワークを利用した共同研究の実施について積極的に検討を行う。 |
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国立天文台は,米国に設置されたハワイ観測所においても,共同利用を円滑に実施する。 |
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(2) |
共同利用等の実施体制等に関する目標
大学共同利用機関として適切な共同利用施設を設置し,研究資源の提供を行い,所内外,国内外の研究者の共同利用に広く供するとともに,共同利用研究者,学識経験者の参加を得て,施設の人員配置,設備整備等を見直し,適切な運営に当たる。
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共同利用・共同研究に携る研究者・技術者の養成や,研究グループの育成に努める。 |
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共同利用・共同研究の活動や成果を内外に発信するための体制を構築する。 |
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共同利用・共同研究に関して,より良い形態を求めるための評価並びにフィードバックシステムを構築する。 |
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3 |
教育に関する目標
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(1) |
大学院への教育協力に関する目標
大学における大学院教育に携わり,大学院生に対し,本機構内研究者による高度で先端的な研究指導を行い,本機構が整備・維持管理する各種研究装置を活用し,高度な研究者や職業人の育成に努める。
広く大学院生を受入れ,我が国の自然科学及び関連分野の広範な発展に努める。
総合研究大学院大学との緊密な連携・協力により大学院教育を行う。 |
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3 |
教育に関する目標を達成するための措置
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(1) |
大学院への教育協力に関する目標を達成するための措置
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大学共同利用機関としての特長を生かした特色ある教育を実施する。大学院教育を機構の重要項目として位置づけ,総合的に大学院教育を検討する組織を機構に設ける。また,具体的事項(受託,単位認定,研究教育等)について検討する組織として,各研究所に委員会を設置する。 |
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研究所等は,総合研究大学院大学と緊密に連携・協力し,特色ある大学院博士課程教育を以下の専攻において実施する。
ア |
核融合科学研究所に設置された核融合科学専攻 |
イ |
基礎生物学研究所に設置された分子生物機構論専攻 |
ウ |
国立天文台に設置された天文科学専攻 |
エ |
生理学研究所に設置された生理科学専攻 |
オ |
分子科学研究所に設置された構造分子科学専攻及び機能分子科学専攻 |
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東京大学大学院理学系研究科,名古屋大学大学院理学研究科,同工学研究科との協力による大学院教育を実施する。 |
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研究所等は,国立大学法人の要請により連携大学院制度や特別共同利用研究員制度により大学院教育に協力する。 |
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リサーチアシスタント制度の活用などにより,大学院生に対する支援を行う。 |
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学生に多様な教育の機会を与えるとともに,カウンセリングなど心と体のケアにも配慮する。 |
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(2) |
人材養成に関する目標
研究拠点として各種ポストドクトラル・フェローシップを設計し,若手研究者の育成に積極的に努める。 |
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4 |
その他の目標 |
(1) |
社会との連携、国際交流等に関する目標
研究成果を社会に公表し,共同研究や受託研究等,社会との連携を推進する。
社会に対して自然科学に対する理解を深める活動を行う。
我が国の代表的な自然科学分野の学術機関として,学術の発展のため国際交流に積極的に努める。 |
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4 |
その他の目標を達成するための措置 |
(1) |
社会との連携、国際交流等に関する目標を達成するための措置
本機構は以下のように,社会との連携や国際協力等に関して具体的な計画を推進する。
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自然科学研究における基礎的研究の重要性を広く社会・国民に訴え,得られた研究成果を国民と共有できるように広報・情報発信に努める。 |
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高度な技術力を持つ企業と様々な連携を図り,企業や企業内研究者との共同研究を進めるための方策について検討する。 |
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研究成果やノウハウの活用のため,各種審議会,地方公共団体の委員会等への積極的な参加を推奨する。一般講演会,ホームページ,資料等を通じて広く一般社会への情報発信に努める。産業界に向けた研究成果や技術成果の発信にも努める。 |
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生涯学習・学校教育・専門家教育面で地域からの要請に積極的に対応する。 |
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研究成果を海外や国内の大学・研究機関の研究者へ積極的に公開する。国際会議や学会の企画,および様々な情報発信媒体(ホームページ,パンフレット,解説資料(英語版も整備))を通じて公表する。 |
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国際シンポジウム・国内研究会を積極的に実施して,国内研究者の研究活動を支援する。会議の立案,サポート体制等,具体的な実行案を策定する。 |
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科学技術協力事業,二国間,多国間等政府・機構・研究所レベルの国際共同研究事業を一層推進する。 |
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海外研究者,留学生,博士号取得者の受入れを推進するための制度の基礎整備を図る。 |
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(2) |
その他
自然科学における各専門分野の情報発信の拠点を形成する。 |
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(2) |
その他
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図書,雑誌(電子ジャーナルを含む)の充実を図り,各専門分野の情報センターとしての機能を拡充する。 |
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本機構本部,研究所等間のネットワーク等の整備を行い,情報連絡の効率的運用を図る。ネットワークセキュリティにも留意する。 |
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業務運営の改善及び効率化に関する目標 |
1 |
運営体制の改善に関する目標
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機構長及び研究所長がリーダーシップを発揮できる体制を整備する。 |
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外部有識者を含めて機構内部で,組織・運営,研究・事業について評価を実施し,本機構の業務運営の改善及び効率化に反映させる体制を整備する。 |
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戦略的な資源配分や研究環境の整備に努め,研究成果の一層の向上を目指す。 |
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技術職員,事務職員の専門性等の向上を目指す。 |
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業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置 |
1 |
運営体制の改善に関する目標を達成するための措置
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本機構の運営に際して,研究所等の活動状況を適切に反映させるため,機構に研究所長等を含む機構会議を置く。 |
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本機構においては,広く研究情報の収集に努め,機構としての研究の指針を検討する。また,多様な研究需要への対応や新たな分野の開拓等を可能にする体制の整備を図る。 |
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研究計画その他の重要事項について専門分野ごと及び境界領域・学際領域ごとに外部学識者からの指導・助言に基づき業務運営の改善,効率化を行い,機動的かつ柔軟な研究体制の整備を図る。 |
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研究所長等は,副所長,研究総主幹,研究主幹・施設長等とともに研究体制・共同利用体制の充実を図る。 |
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分子科学研究所,基礎生物学研究所,生理学研究所の所長は,運営会議に加えて,機動的・戦略的運営を図るため,定期的に教授会議を開催する。 |
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技術職員,事務職員の専門的能力の向上を目指すため,研修,研究発表会等への積極的な参加を促す。 |
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2 研究組織の見直しに関する目標
外部評価を踏まえ,本機構の多様な研究組織を見直し,機動的かつ柔軟なものとする。 |
2 |
研究組織の見直しに関する目標を達成するための措置
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自己点検や外部評価を踏まえ,機構長及び研究所長等のリーダーシップの下に研究組織の見直しを図る。 |
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研究者の自由な発想に基づく基盤研究を基本的活動とするために,研究体制について見直しを図る。 |
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共同利用を円滑に行うための研究体制やプロジェクト型研究に対する研究体制について客員制度を含めて見直しを図る。 |
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3 人事の適正化に関する目標
柔軟かつ多様な人事システムの構築を促進する。 |
3 |
職員の人事の適正化に関する目標を達成するための措置
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公募制を取り入れ,研究教育職員の人事選考の透明性を確保する。 |
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各専門分野に適した任期制を導入して,研究教育職員の流動化・活性化を図る。また,分子科学研究所においては内部昇格禁止の制度も導入する。 |
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外国人研究者の採用を促進して,国際的な研究機関として広い視点を取り込む。 |
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事務職員について,大学,研究機関等との人事交流を推進する。 |
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技術職員及び事務職員について,国家公務員採用試験に代わる適切な採用方法を採る。 |
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技術職員及び事務職員について,適切な勤務評価制度を導入する。 |
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4 事務等の効率化・合理化に関する目標
情報化や外部委託を含め,業務及び組織体制の見直しを行い,効率的で合理的な事務処理体制を整備する。 |
4 |
事務等の効率化・合理化に関する目標を達成するための措置
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本機構,国立天文台,核融合科学研究所及び岡崎3機関(基礎生物学研究所,生理学研究所及び分子科学研究所をいう。)に事務組織を設け,重複事務を避ける等,効率的に業務を遂行するため各々の権限と義務を明確化する。 |
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事務処理,技術支援の内容を定期的に見直し,事務組織に流動性を持たせ,専門性に応じて外部委託等を検討する。 |
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情報ネットワークを整備し,事務の情報化,会議の合理化等を図り,事務及び運営の効率化に努める。 |
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財務内容の改善に関する目標
1 外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標
外部研究資金その他の自己収入の増加に努めると共に,各事業年度の収支計画を作成し,当該収支計画に沿った効率的な運営に努める。 |
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財務内容の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置 |
1 |
外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標を達成するための措置
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本機構の研究成果等研究活動の広報普及に努めるとともに,寄付及び受託研究等の受入れ手続きの簡素合理化を図るなど,受入れ体制を整備する。 |
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特許等の取得手続きの組織体制を整備するとともに,知的財産に関する講習会の開催などにより,組織全体としての意識向上を図る。 |
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2 経費の抑制に関する目標
適切な財務内容の実現を図るため,合理的な管理及び計画的,かつ,効率的な予算執行を行う。 |
2 |
経費の抑制に関する目標を達成するための措置
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必要に応じ定型業務等の外部委託を行う等,管理業務の合理化を図るとともに,効率的な機構運営を行うこと等により,経費の節減に努める。 |
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事務手続きの簡素化・迅速化,省エネルギー化等を推進することにより,経費の抑制に努める。 |
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3 資産の運用管理の改善に関する目標
資産については,その種類に応じて効果的効率的な運用管理を行う。 |
3 |
資産の運用管理の改善に関する目標を達成するための措置
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本機構の機能に資産の運用管理を所掌する部署を設置し,資産の運用及びリスク管理等を外部の専門家の意見も聞きながら実施できる体制の整備を図る。 |
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資産の適正な運用管理を図るため,その管理状況について定期的に点検し,必要に応じて見直しを行う。 |
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自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標
1 評価の充実に関する目標
自己点検及び外部評価を実施し,それらの結果を適切な形で公表して社会への説明責任の一端を果たすと共に,評価結果を機構運営の改善に反映させる。 |
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自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するための措置
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1 |
評価の充実に関する目標を達成するための措置
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自己点検及び外部評価の結果を,機構運営に反映させるシステムを構築する。 |
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自己点検・外部評価の結果を踏まえ,中期目標期間終了時までに,次期中期目標期間以降を念頭において,機構として理念・目標等の見直しを行い,見直した部分を明らかにして公表する。 |
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2 |
広報及び情報公開等の推進に関する目標
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国民に開かれた研究機構として,研究成果等の広報活動,運営諸規則及び施設の公開等を実施し,積極的に国民や研究者に対して情報の発信を行う。 |
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国民に対して自然科学に関する正しい知識や情報を広く迅速に提供し,我が国の知的基盤の向上を図る。 |
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国民に対しての信頼性を高め,職員の規律を図る。 |
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2 |
広報及び情報公開等の推進に関する目標を達成するための措置
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情報公開請求に適切に対応できる組織整備を図る。 |
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報道機関等への研究成果の迅速な公表を図る等,専門分野の情報を適切に提供し,成果の活用に関して対応できる組織を整備する。 |
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研究所等によっては高度な知識や経験を持つアマチュア科学者向けの窓口を設置する。 |
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本機構の業務活動,諸規程,各研究者の研究成果等を広報誌やホームページ等により広く社会に情報発信する。 |
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職員の倫理,セクシュアルハラスメント,機器調達契約等の守るべきガイドラインを定め,公表する。 |
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研究成果を年次報告等として公表する。 |
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研究所等の一般公開を計画的に行う。 |
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機構が関わる研究分野・関連分野における国際的に優れた国内外の研究者の一般市民向け公開講演会を積極的に行う。また,地域社会と連携した一般市民向け公開講座等も実施する。 |
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各専門分野における社会に対する説明責任と研究評価に資するため,研究所アーカイブスの整備を行う。 |
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その他業務運営に関する重要目標
1 施設設備の整備・活用等に関する目標
施設設備の整備・利用状況等を点検し,研究スペースの利用の適性化を図るとともに,施設整備に関する長期計画を策定し,計画的な施設管理・整備を図る。
共同研究に対する研究環境を整備する。 |
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その他業務運営に関する重要目標を達成するためにとるべき措置 |
1 |
施設設備の整備等に関する目標を達成するための措置
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定期的に施設の実態や利用状況を自己点検・評価し,教育研究活動や共同利用等の施設の有効活用を図る。 |
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施設の老朽化,狭隘化,耐震対策,既存施設の点検・評価及び共同研究等の研究活動の進展に伴い必要となる施設の整備計画を作成し,計画的な施設整備を行い,研究施設等の適正な確保に努める。 |
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環境に配慮した施設整備に努める。 |
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施設の安全で効率的な管理・運営のため,施設・設備の利用計画,維持管理の計画を作成する。 |
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2 安全管理に関する目標
労働安全衛生法等,各種法令等に適合した安全管理・事故防止に努める。 |
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