Q9 大学の自主性を尊重するなら、中期目標を文部科学大臣が定めることにする必要はないのではないでしょうか。


A9

 各大学が6年間でどんなことを目指すのかを明らかにするのが中期目標です。自分の大学が何を目指すのかは、やはり各大学が考えるべきものですから、具体的な内容については各大学に考えてもらうことにしています。

 しかし、国立大学は、「法律」つまり「国の意思」で設置されている大学ですから、そこで行われる教育研究や必要な経費については、国が最終的な責任をもたなければいけません。これは、国立大学が国の組織であったこれまでも当てはまることです。仮に、各大学が目標を勝手に作ってよいことにしてしまうと、国としては国立大学に対して税金を投入することを国民に説明できなくなってしまうのです。そうなると各大学としても運営費を自分で調達しなければならなくなり、授業料の値上げに迫られたり、本来行うべき基礎研究などを安心して行うことができなくなったりしてしまいます。

 だからこそ、中期目標については、大学の自治の観点から、大学の意見を聴いて、それに配慮しなければならないことにした上で、文部科学大臣が責任をもって定めることにしているのです。


-- 登録:平成21年以前 --