研究拠点形成費等補助金交付要綱

平成17年4月1日
文部科学大臣決定
平成16年1月23日一部改正
平成17年4月1日一部改正


 (通則)
1条 研究拠点形成費等補助金(海外先進研究実践支援を除く。以下「補助金」という。)の取扱いについては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号。以下「法」という。)及び補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和30年政令第255号。以下「令」という。)に定めるもののほか、この要綱の定めるところによる。

 (交付の目的)
2条 この補助金は、学問分野別に評価を行い、主として研究面においてポテンシャルの高い専攻等が世界的な研究教育拠点を形成するために必要とする経費を専攻等の研究者からなる研究グループに対して補助すること及び大学院研究科専攻(以下「専攻」という。)が教育研究活動を通じて創造性豊かな優れた若手研究者を養成するために必要とする経費を大学の設置者に対して補助することを目的とし、もって世界最高水準の大学づくりを推進し、我が国の科学技術の水準の向上及び高度な人材育成に資するものとする。

 (定義)
3条 この要綱において「専攻等」とは、専攻(博士課程レベルに限る。)、大学附置の研究所の研究組織若しくはこれらに準ずるもの(研究の水準が大学院の博士課程レベルに相当すると認められるものに限る。)又はこれらの組合せ(同一大学内の組合せに限る。)のことをいう。

 (補助金の交付の対象及び補助金の額)
4条 文部科学大臣(以下「大臣」という。)は、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める事業(以下「補助事業」という。)を実施するために必要な経費のうち、補助金交付の対象として大臣が認める経費(以下「補助対象経費」という。)について予算の範囲内で補助金を交付する。
(1) 研究拠点形成費(以下「補助金A」という。)
 専攻等が世界的な研究拠点を形成するために必要な事業
(2) 若手研究者養成費(以下「補助金B」という。)
 専攻が教育研究活動を通じて創造性豊かな優れた若手研究者を養成するために必要な事業
(3) 審査・評価等経費(以下「補助金C」という。)
 補助金A又は補助金Bを適切に配分するために、独立行政法人日本学術振興会(以下「振興会」という。)が行う審査・評価等に関する事業

2  補助対象経費は、別紙1に定めるところによるものとする。
3  第1項の規定にかかわらず、第14条第1項の規定により補助金Aの交付の決定が取り消された補助事業(以下「交付決定取消事業」という。)を行った補助事業者のうち、法第11条第1項の規定に違反する行為を行った研究者が行う事業については、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める期間、補助金Aを交付しない。
 当該研究者が法第11条第1項の規定に違反して、第14条第1項第1号の規定により補助金の交付の決定が取り消された場合 第14条第2項の規定により当該交付決定取消事業に係る補助金の返還が命じられた年度の翌年度以降2年間
 当該研究者が法第11条第1項の規定に違反して、第14条第1項第2号の規定により補助金の交付の決定が取り消された場合 第14条第2項の規定により当該交付決定取消事業に係る補助金の返還が命じられた年度の翌年度以降2年以上5年以内の間で補助事業以外の用途への使用の内容等を勘案して相当と認められる期間
4  第1項の規定にかかわらず、前項第2号に該当する場合において補助金Aの当該補助事業以外の用途への使用を共謀した研究者が行う事業については、前項の規定により同項の研究者が行う事業について補助金Aを交付しないこととされる期間と同一の期間、補助金Aを交付しない。
5  第1項、第3項及び前項の規定にかかわらず、偽りその他不正の手段により補助金Aの交付を受けた研究者又は当該偽りその他不正の手段の使用を共謀した研究者が行う事業については、当該補助金Aの返還が命じられた年度の翌年度以降5年間、補助金Aを交付しない。
6  第1項の規定にかかわらず、国又は独立行政法人が交付する給付金であって文部科学大臣が別に定めるもの(以下「特定給付金」という。)の他の用途への使用をし、又は当該他の用途への使用を共謀し、その他特定給付金の交付の対象となる事業に関して特定給付金の交付の決定の内容又はこれに附した条件その他法令又はこれに基づく国の機関若しくは独立行政法人の長の処分に違反したこと、又は偽りその他不正の手段により特定給付金の交付を受けたこと若しくは当該偽りその他不正の手段の使用を共謀したことにより、その行う事業について一定期間当該特定給付金を交付しないこととされた研究者が行う事業については、文部科学大臣が別に定める期間、補助金Aを交付しない。

 (申請手続)
5条 補助金の交付を受けようとするときは、大臣が別に定める期日までに、補助金交付申請書(様式1、2、3)を大臣に提出しなければならない。

 (交付の決定)
6条 大臣は、前条の規定による補助金交付申請書の提出があったときは、審査の上、交付の決定を行い、その決定の内容及びこれに条件を付した場合にはその条件を補助金の交付を受けようとする者に通知するものとする。
2  交付の決定を行うまでに通常要すべき標準的な期間は、補助金交付申請書が文部科学省に到達してから30日とする。

 (申請の取下げ)
7条 前条第1項の通知を受けた者は、交付決定の内容又はこれに付された条件に対して不服があることにより、補助金交付の申請を取り下げようとするときは、大臣が別に定める期日までにその旨を記載した書面を大臣に提出しなければならない。

 (補助事業の変更)
8条 補助事業者が、補助事業の内容及び経費の配分の変更をしようとするときは、あらかじめ変更承認申請書(様式4、5、6)を大臣に提出し、その承認を得なければならない。ただし、補助事業の目的を変えないで次に掲げる軽微な変更についてはこの限りではない。
 補助金の交付決定額に影響を及ぼすことなく、その変更が補助目的の達成をより効率的にする場合
 補助金Aについて、補助金の交付決定額のうち直接経費の額に影響を及ぼすことなく、別紙1に定める直接経費の各補助対象経費の額を300万円又は補助金の交付決定額のうち直接経費の額の30パーセントのいずれか高い額以内で増減する場合
 補助金Bについて、補助金の交付決定額に影響を及ぼすことなく、別紙1に定める各補助対象経費の額を300万円又は補助金の交付決定額の30パーセントのいずれか高い額以内で増減する場合
 補助金Cについて、補助金の交付決定額に影響を及ぼすことなく、別紙1に定める各補助対象経費の額を補助金の交付決定額の20パーセント以内で増減する場合
2  大臣は、前項の承認をする場合において必要に応じ交付決定の内容を変更し、又は条件を付すことがある。

 (補助事業の中止又は廃止)
9条 補助事業者は、補助事業を中止又は廃止しようとするときは、中止(廃止)承認申請書(様式7、8、9)を大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

 (事業遅延の届出)
10条 補助事業者は、補助事業が予定の期間内に完了することができないと見込まれる場合又は補助事業の遂行が困難となった場合においては、速やかに事業遅延届(様式10、11、12)を大臣に提出し、その指示を受けなければならない。

 (状況報告及び調査)
11条 大臣は、必要があると認めるときは、補助事業者に対し、補助事業等の状況に関する報告を求め、又はその状況を調査することができる。

 (実績報告書)
12条 補助事業者は、補助事業を完了した場合にあっては、その日から1ヶ月を経過した日までに、補助金の交付の決定に係る国の会計年度が終了した場合にあっては、大臣が別に定める日までに実績報告書(様式13、14、15、16、17、18)を大臣に提出しなければならない。

 (実績報告書)
12条 補助事業者は、補助事業を完了した場合にあっては、その日から1ヶ月を経過した日までに、補助金の交付の決定に係る国の会計年度が終了した場合にあっては、大臣が別に定める日までに実績報告書(様式13、14、15、16、17、18)を大臣に提出しなければならない。
2  前項の場合において、実績報告書の提出期限について大臣の別段の承認を受けたときは、その期限によることができる。
3  第1項に規定する補助金の交付の決定に係る国の会計年度が終了した場合における実績報告書には、翌会計年度に行う補助事業に関する計画を記載した書面を添付しなければならない。

 (補助金の額の確定)
13条 大臣は、前条の規定による実績報告書の提出を受けた場合において、その実績報告書の審査及び必要に応じて行う調査により、補助事業の実施結果が補助金の交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認めたときは、補助事業に要した経費の額(補助金Bにあっては、別紙2に定める算式により算定した額)又は補助金の交付決定額のいずれか少ない額を交付すべき補助金の額として確定し、補助事業者に通知するものとする。
2  大臣は、補助事業者に交付すべき補助金の額を確定した場合において、既にその額を超える補助金が交付されているときは、その超える部分の補助金の返還を命ずるものとする。

 (補助事業の変更)
14条 大臣は、第9条の補助事業の中止又は廃止の申請があった場合及び次の各号の一に該当する場合には、第6条の交付決定の全部若しくは一部を取り消し、又は変更することができる。
 補助事業者が、法令、本要綱、補助金の交付の決定の内容又は法令若しくは本要綱に基づく大臣の処分若しくは指示に違反した場合
 補助事業者が、補助金を補助事業以外の用途に使用した場合
 補助事業者が、補助事業に関して不正、怠慢、虚偽、その他不適当な行為をした場合
 交付の決定後生じた事情の変更等により、補助事業の全部又は一部を継続する必要がなくなった場合
2  大臣は、前項の規定により第6条の交付の決定の取消しを行った場合において、既に当該取消しに係る部分に対する補助金が交付されているときは、交付した補助金の全部又は一部の返還を命ずるものとする。

 (知的財産権の報告)
15条 補助金A又は補助金Bによる補助事業で得られた成果に係る特許権等の知的財産権を得た場合には、補助事業者は、速やかに知的財産権報告書(様式19、20)を大臣に提出しなければならない。

 (財産の管理等)
16条 補助事業者は、補助事業により取得し、又は効用の増加した財産(以下「取得財産等」という。)については、補助事業の完了後においても、善良な管理者の注意をもって管理し、補助金交付の目的に従って、その効率的運用を図らなければならない。
2  取得財産等を処分することにより、収入があり、又はあると見込まれるときは、大臣は補助事業者に対し交付した補助金の全部又は一部に相当する金額を国に納付させることがある。

 (財産の処分の制限)
17条 取得財産等のうち令第13条第4号の規定により、大臣が定める機械及び重要な器具は、取得価格又は効用の増加価格が50万円を超える機械及び重要な器具とする。
2  法第22条に定める財産の処分を制限する期間は、大臣が別に定める期間とする。
3  補助事業者は、前項により定められた期間中において、処分を制限された取得財産等を処分しようとするときは、あらかじめ財産処分承認申請書(様式21、22、23)を大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
4  前条第2項の規定は、前項の承認をする場合において準用する。

 (補助金の経理)
18条 補助金A又は補助金Bの補助事業者は、補助事業に要した費用について他の経理と明確に区分し、その収支に関する帳簿を備え、その支出内容を証する書類を整備し、並びにこれらの帳簿及び書類を当該全事業完了の年度の翌年度から5年間保存しておかなければならない。
2  補助金Cの補助事業者は、補助事業に要した費用について他の経理と明確に区分し、その収支に関する帳簿を備え、その支出内容を証する書類を整備し、並びにこれらの帳簿及び書類を補助金の交付を受けた年度終了後5年間保存しておかなければならない。

 (審査・評価結果の報告)
19条 振興会は、補助金Cにより行う補助事業により審査・評価を行ったときは、速やかに、その結果を大臣に報告しなければならない。

 (事業結果報告書)
20条 補助金A又は補助金Bの補助事業者は、当該全事業を完了したときは、別に定める期日までに、事業結果報告書を大臣に提出しなければならない。

 (報告の公表)
21条 大臣は、第11条、第12条及び前条の報告の全部又は一部を公表することができる。

 (審査・評価の実施細目)
22条 振興会は、補助金Cの補助事業における審査・評価の実施細目について定めなければならない。

 (補助金調書)
23条 補助金Bの補助事業者(地方公共団体が補助事業者となる場合に限る。)は、当該補助事業に係る歳入歳出の予算書並びに決算書における計上科目及び科目別計上金額を明らかにする調書(様式24)を作成しておかなければならない。

 (その他)
24条 この要綱に定めるもののほか、補助金の取扱いに関し必要な事項は、その都度別に定めるものとする。





平成17年4月1日
文部科学大臣決定

 (特定給付金)
1条 研究拠点形成費等補助金交付要綱(平成14年4月1日文部科学大臣決定。以下「要綱」という。)第4条第6項の規定による特定給付金は、科学研究費補助金及び科学研究費補助金取扱規程第3条第6項の特定給付金等を定める件(平成16年8月24日文部科学大臣決定)第1条に掲げる事業等(研究拠点形成費等補助金を除く。)とする。

 (補助金Aを交付しないこととする期間)
2条 要綱第4条第6項の規定による補助金Aを交付しないこととする期間は、研究者の行う事業について一定期間前条に規定する特定給付金を交付しないこととされた場合における当該一定期間とする。

(高等教育局大学振興課大学改革推進室)

-- 登録:平成21年以前 --