独立行政法人大学改革支援・学位授与機構見直し内容

 令和5年8月25日
文部科学省

1.政策上の要請及び現状の課題

(1)政策上の要請

 文部科学省では、教育を通じて生涯にわたる一人一人の「可能性」と「チャンス」を最大化することができる「教育立国」の実現を目指しているところである。これまでも高等教育に関しては、「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(平成30年11月 中央教育審議会)を踏まえ、大学の認証評価のための法改正、全学的な教学マネジメントや質保証システムの確立、大学設置基準の改正等などの取組を推進してきた。
 また、令和5年6月に閣議決定された第4期の教育振興基本計画においても、高等教育段階において、大学等に進学する学生が、組織的・体系的な質の高い教育を受けられるようにするための大学改革を徹底するとともに、大学教育に係る情報公開の推進、教育研究の質的向上のための条件整備を進めることや、デジタル、グリーン等の成長分野をけん引する高度専門人材の育成に向けて、意欲ある大学及び高等専門学校が成長分野への学部転換等の改革に予見可能性をもって踏み切れるよう、新たに創設された基金を活用し、機動的かつ継続的な支援を行うことなどが方向性として示されている。
 これらを踏まえ、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(以下「本法人」という。)は、大学等の評価、学位授与、質保証連携及び当機構の業務に関する調査研究並びに国立大学等への施設費等の貸付・交付を通して、我が国の高等教育の質の向上を支援し、もって我が国高等教育の発展に寄与することや、大学及び高等専門学校の学部等の設置など組織変更に関する助成金交付を通して、中長期的な人材の育成の観点から特に支援が必要と認められる分野における教育研究活動の展開を促進し、もって我が国社会の発展に寄与することが求められている。

(2)現状の課題

 本法人は、学位授与事業及び評価事業を長期間実施してきており、これらの事業に関するノウハウの蓄積を有していること、施設費貸付・交付事業等を通じた国立大学法人等への支援に関する経験・知見も有している。更に、本法人のこれまでの取組は、組織変更に関する教育研究環境の整備等への助成業務とも親和性が高く、これまで蓄積してきた経験・知見の活用等も期待できるとして、令和4年12月の独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法の改正により、大学等への助成事業の実施機関として定められた。
 評価事業については、認証評価が質保証システムにおける事後チェック機能として、今後はより大学等における内部質保証の確立を促すようなものとなるよう強化していくことが求められている。また、助成事業についても、公募・受付・審査・選定など、一連の手続きを確実に実施するとともに、交付対象となった取組の実施状況等の把握や事業の効果を適切に測定していくことなどが求められている。

2.講ずるべき措置

(1)中期目標期間

 本法人は、我が国の高等教育の発展に資することを目的として実施しており、成果を得るまでに相当の期間を有するものが多いことから、中期目標期間は5年とする。

(2)中期目標の方向性

 本法人には、これまで本法人が行ってきた事業を通じて、我が国の高等教育の質の向上を支援し高等教育の発展に寄与することや、我が国社会の発展に寄与することを期待する。そのため、本法人の次期中期目標の策定に当たっては、今中期目標期間に行ってきた事務・事業を継続して着実に実施することを基本とし、以下の内容については、次期中期目標において重要事項として位置づける。
 
〇 高等教育を取り巻く状況等の変化や「新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について(審議まとめ)」(令和4年3月 中央教育審議会大学分科会質保証システム部会)などを踏まえ、大学等の内部質保証の確立を促すような質の高い評価に率先して取組み、我が国の認証評価における先導的役割を果たす。
 
〇 助成業務の実施に関する基本的な指針及び助成業務の実施に関する方針に基づき、中長期的な人材の育成の観点から特に支援が必要と認められる分野の学部等の設置その他組織の変更に関する助成金の交付及びフォローアップとしてその取組の実施状況の把握等を行う。
 
○ 本法人が有する大学等に関する情報について、受け手である社会や大学、学生等を明確に意識した情報提供が出来るよう、その発信の在り方について検討の上、実施する。

お問合せ先

独立行政法人大学改革支援・学位授与機構見直し内容について

高等教育局大学教育・入試課