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独立行政法人教職員支援機構の見直し内容

令和2年9月17日
文部科学省

1.政策上の要請及び現状の課題

 独立行政法人教職員支援機構(以下「本法人」という。)は、平成29 年の教育公務員特例法等の改正により、「養成・採用・研修を通じた体系的かつ総合的支援拠点」として、独立行政法人教員研修センターから名称変更・組織改編を行い、機能強化を図った。
 本法人は、教職員に対する総合的支援を行う全国拠点として、教職員の資質向上に寄与することをミッションとし(独立行政法人教職員支援機構法第3 条)、本法人の諸事業を通じて、国の教育政策上必要とする研修(学校組織マネジメント、カリキュラムマネジメント、教師のICT 活用指導力の向上等)の効果的な実施、各地域での研修の企画・実施をリードする各種研修指導者の養成、各都道府県教育委員会等が定めることとなっている教員の指標に関する専門的助言、及び教員の資質に関する調査研究等を通じて、国が進める「教師の養成・採用・研修の一体的改革」の実現に寄与している。
 社会が大きく変化する中、我が国が将来に向けて更に発展し、繁栄を維持していくためには、様々な分野で活躍できる質の高い人材育成が不可欠である。こうした人材育成の中核を担うのが学校教育であり、中でも教育の直接の担い手である教師の資質能力を向上させることが重要である。
 「Society5.0」と呼ばれる社会の到来を見据え、新しい時代に求められる力を子供たちに確実に身につけさせるためには、「何を教えるか」のみならず、「どのように学ぶか」を重視することが必要であり、「予測不可能な未来社会にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」に主眼を置いた教育への転換に向けて、その教育を実践できる教師の養成・確保が急務となっている。
 令和2年度から本格実施された新しい学習指導要領の実施により、いわゆる「アクティブ・ラーニング」を中心に据えた教育への転換が始まったばかりであり、また、「GIGAスクール構想」の推進により、今後、学校教育のICT環境の整備が進む中で、教師自身が自ら課題を見つけ解決策を模索するという学びを豊富に経験する必要がある。
 また、学校における働き方改革が進められつつある中、各教育委員会が行う教職員研修についても夏季休業期間中の研修の精選、教職員研修の効果的・効率的な実施、ICTを活用したオンライン研修の実施等を通じての教員の負担軽減が喫緊の課題となっている。
 更に、今般のコロナ禍の中で教職員研修の在り方そのものが問われており、教職員研修のICT活用や、オンライン研修の一層の充実を進めることを通じ、「集合・宿泊型研修とオンライン研修とのベストミックス」に向けた検討・実践を早急に進める必要がある。
 本法人の業務及び組織については、中期目標期間終了時に見込まれる中期目標期間の業績についての評価結果、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25 年12 月24 日閣議決定)をはじめとする既往の閣議決定等に示された政府方針、さらに、以上の本法人を取り巻く政策課題、社会情勢等の環境変化を踏まえ、学校教育関係職員の資質向上を図るナショナルセンターとしての政策実施機能を的確に発揮しつつ効果的かつ効率的な業務運営を確保するため、以下のとおり見直し、次期中期目標・中期計画の策定等を行うこととする。

2.講ずるべき措置

○ 中期目標期間

 本法人が実施する業務は長期的視点に立って行われる必要があることから、中期目標期間を5 年間とする。

○ 中期目標の方向性

 今期の中期目標期間に行ってきた事務・事業を継続して実施することを基本とし、以下の内容については、次期中期目標において重要事項として位置付ける。

(1)学校教育関係職員に対する研修事業

 本事業は、①各地域で学校教育において中心的な役割を担う校長、副校長・教頭、中堅教員、事務職員等に対する学校経営力の育成を目的とする研修、②各学校や地域における研修のマネジメントを推進する指導者の養成等を目的とする研修等により、研修の成果を全国に波及させる拠点としての役割を有する。
 昨今、いじめ問題をはじめとする生徒指導上の問題への対応、学校安全、地域連携、グローバル化など、学校教育をめぐる課題は多様化・複雑化しており、学校内外のリソースを総動員して対応しなければならないような課題が激増している。このため、校長、副校長・教頭などの管理職はもちろん、学校を構成する一人ひとりの教職員が、職階や年齢に応じて、それぞれの立場で学校経営における課題を認識し対応することが求められており、学校内の教職員の年齢構成の不均衡の課題(年齢構成の偏り・若年齢化、少子化に伴う学校の小規模化)がある中で、教職員と多様な専門スタッフ、外部専門機関とがチームとして運営するマネジメント能力の育成が喫緊の課題になっている。
 また、「Society5.0」と呼ばれる社会への対応、「アクティブ・ラーニング」の推進、「GIGAスクール構想」の下での教育のICT活用と環境整備、「学校における働き方改革」の推進、今般のコロナ禍の中での新しい教職員研修スタイルの構築、などの現下の政策課題を踏まえ、研修事業の再構築を図る必要がある。
 以上を踏まえ、教職員等中央研修で扱うテーマをマネジメント系の内容に重点化し、教職員の職階・年齢別にシームレスに提供するものに再編する。その際、都道府県教育委員会等の教員育成指標見直し等の議論も踏まえつつ、研修内容の高度化・体系化を図るとともに内容を改編する。研修のICT活用を推進し、教職員のICT活用能力の向上を図るとともに、適切な知識・技術の伝達を中心とする座学的研修はオンライン研修への移行を進める一方、集合・宿泊型研修は教師自身が自ら課題を見つけ解決方法を考える内容を中心に据えて実施するものとする。

(2)教員の資質の向上に関する指標を策定する者に対する専門的な助言事業

 平成29 年の教育公務員特例法等の改正により、公立学校教員の任命権者(都道府県・指定都市教育委員会)は、文部科学大臣が定める指針を斟酌しつつ、教員の資質の向上に関する指標を平成29 年度中に策定するものとされ、以降毎年度、教員研修計画を定めることとされた。
 本事業は、平成29 年4月の機能強化以降、本法人が有する知見や全国的なネットワーク等を活用した専門的な助言や好事例の収集、その還元のための指標データベースの作成等により、各任命権者が抱える指標と研修に関する課題の解決をリードする拠点としての役割を有し、すべての任命権者が平成29 年度中に指標を策定することに貢献した。
 「GIGAスクール構想」の推進により、学校教育におけるICT環境の整備が進められる中で、教員及び学校事務職員に必要となる資質能力としてICT活用能力や情報セキュリティ能力の一層の向上が求められていること等を踏まえ、各任命権者による指標の見直し及び学校事務職員を含む研修計画の策定等に対して、引き続き必要な専門的助言を行い、積極的に支援していくものとする。

(3)学校教育関係職員に対する研修に関する指導、助言及び援助事業

 本事業は、今日的な学校の働き方改革等の要請を踏まえ、オンライン講座の制作・提供を充実させるとともに(令和元年度末で115 タイトル)、アクティブ・ラーニングに関する「授業実践事例(200 事例)」、「研修プログラムモデル(31 プラン)」を提供するなど、遠隔地を含む日本全国で活用できるコンテンツの提供拠点としての役割を有し、その他各種の研修情報提供事業、教職大学院との連携事業、国際連携事業等の充実を進めてきた。
 今般のコロナ禍、学校の臨時休業の中、オンライン講座の再生回数は急増しており、令和2 年4 月から6 月末までの3 か月間の再生回数は約33 万回となり(令和元年度は年間で約38 万回)、広く教育関係者の校内研修等に活用され、新学習指導要領の円滑な実施、働き方改革に寄与したほか、教員研修の3密防止にも一役を担った。
 ウィズコロナ、ポストコロナにおける教職員研修の在り方について、研修事業部門、指標助言事業部門及び調査研究事業部門と連携し、教員研修のICT活用やオンライン研修の一層の充実を進めるとともに、「集合・宿泊型研修とオンライン研修とのベストミックス」に向けた検討・実践を早急に進め、教職員研修の将来像を提案・牽引していく役割を果たすものとする。

(4) 教員の資質に関する調査研究及びその成果の普及事業

 本事業は、平成29 年の機能強化以降、中教審答申や法令改正等を受けてどの教育委員会も直面する課題を調査研究テーマとして選定し、その調査研究の成果報告書を成果報告会、ホームページ等で提供する全国的な情報拠点としての役割を有している。
 教員の資質向上に係る緊急度の高い課題を調査研究テーマとし、積極的に提言・情報発信していくとともに、本法人の研修事業、指標助言事業等との有機的連携を強化するものとする。
 また、昨今において、教員志願者が減少傾向にあることを踏まえ、文部科学省と連携しながら調査研究の成果普及が教職への優秀な人材の確保にも資するよう努めるものとする。

(5)免許状更新講習及び免許法認定講習等の認定に関する事務事業

 本事業は、免許状更新講習及び免許法認定講習・公開講座・通信教育の認定事務を通じて、社会のニーズに応じた教員免許やその管理の改善の拠点としての役割を有する。
 免許状更新講習の認定事務については、平成30 年度の文部科学省からの事務移管後、同認定事務を円滑に進めるためのシステムの開発・運用を行うとともに、申請者(国公私立大学及び都道府県・指定都市・中核市教育委員会等)の負担軽減、講習受講者の利便性の向上に大きく寄与してきた。また、今般のコロナ禍では、各申請者の更新講習の内容変更、延期、廃止等に適切に対応し、講習受講者への情報提供に努めた。
 現在、中央教育審議会において「免許更新制の実質化」に向けた議論が進められていることを踏まえ、引き続き、免許法認定講習等の認定事務を含め、文部科学省と連携しながら円滑な認定事務の実施に努めるものとする。

(6)教員資格認定試験の実施に関する事務

 教員資格認定試験制度は、大学等で教職課程を履修しなかった者がその後のキャリアで教育者としてふさわしい資質を身に付け、教職を志すに至った者に対し教職への道を開くことを目的とし、小学校教員、幼稚園教員及び特別支援学校教員の教員免許状取得のための資格認定試験を行うものであり、本事業は、文部科学省及び関係機関と連携しながら、本試験問題の作成及び試験実施事務の中心拠点としての役割を有する。
 令和元年の台風第19 号による小学校教員資格認定試験(第2次試験)の中止、特例措置の実施等を踏まえ、文部科学省において試験見直しの決定(令和2年2月)を行い、同試験は令和2年度試験から試験日程、会場、試験内容ともに大きな見直しが行われる。
 文部科学省と連携し、新型コロナウィルス感染防止対策にも万全を期しつつ、問題作成及び試験運営体制の一層の充実を図るものとする。

(7) 管理運営及び財務内容等に関する事務

   ①  業務運営の効率化
 

 引き続き、必要な事務・事業は確実に実施しつつ、更なる既存事業の徹底した見直し、効率化等により、一般管理費の削減、業務の効率化を図るとともに、平成25 年閣議決定に基づく4法人(国立特別支援教育総合研究所、国立青少年教育振興機構構、国立女性教育会館及び本法人)の間接業務等の共同実施を進めるものとする。

②  財務内容の改善

 引き続き、研修・宿泊・体育施設について、その必要性を不断に見直すとともに、更なる利用促進に向けた取組を行い、自己収入拡大を図るための必要な措置を講じるとともに、固定経費の節減、財務内容等の透明性の確保に努めるものとする。

③  施設・設備等の整備

 引き続き、研修・宿泊・体育施設について、老朽化対策を計画的に行うとともに、受講者の安全確保等のための必要な整備を行う。また、貸出施設や貸出対象の拡充を行い、施設の有効利用に供するとともに、自己収入の増を図るものとする。
 
④  内部統制・ガバナンス等の充実

 理事長のリーダーシップの下で内部統制を推進する体制を整備・運用し、引き続き、業務改善や柔軟な組織体制の見直し と、これに必要とされる職場環境の整備等を推進し、適切な業務運営に努めるものとする。

⑤  業務の電子化の推進及び情報セキュリティの確保

 本法人全体で、ICT環境の整備に努め、本法人が主催する研修の充実、受講者の利便性の向上に努めるとともに、サイバーセキュリティ基本法(平成26 年法律第104号)に基づき策定された「政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群」(平成28 年8 月31 日サイバーセキュリティ戦略本部決定。平成30 年7 月25 日改定)に従って、引き続き、情報セキュリティ対策を推進する。さらに、外部機関が実施する監査の結果等を踏まえ、リスクを評価し、サイバー攻撃等への対応の強化など必要となる情報セキュリティ対策を講じるものとする。


以上

 

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課