独立行政法人教員研修センター見直し内容

平成27年10月2日
文部科学省


 社会が大きく変化する中、我が国が将来に向けて更に発展し、繁栄を維持していくためには、様々な分野で活躍できる質の高い人材育成が不可欠である。こうした人材育成の中核を担うのが学校教育であり、中でも教育の直接の担い手である教員の資質能力を向上させることが重要である。
 また、新しい時代に求められる力を子供たちに確実に身に付けさせるためには、「何を教えるか」のみならず、「どのように学ぶか」を重視することが必要であり、その教育を実践できる教員の養成・確保が急務となっている。
 教育再生実行会議第7次提言(平成27年5月14日)において、「国は、(中略)養成・採用・研修の各段階を通じた教師の資質・能力の開発・向上に、これまで以上に積極的な役割を果たすことが必要であり、地方公共団体、大学等における取組を体系的、総合的に支援するための拠点を整備する」ことが提言されている。
 さらに、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会中間まとめ(平成27年7月16日)では、独立行政法人教員研修センター(以下「本法人」という。)について、「各地域における教員研修施設や教職大学院などの大学等とのネットワークを構築しつつ、各段階を通じた教員の資質能力の向上に関する調査、分析、研究開発や情報の整理・収集・提供等を担う全国的な拠点」としての役割を担うべきことが提言されている。
 本法人の業務及び組織については、中期目標期間終了時に見込まれる中期目標期間の業績についての評価結果、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)(以下「平成25年閣議決定」という。)をはじめとする既往の閣議決定等に示された政府方針、さらに、上記の本法人を取り巻く環境を踏まえ、学校教育関係職員の資質向上を図るナショナルセンターとしての政策実施機能を的確に発揮しつつ効果的かつ効率的な業務運営を確保するため、以下のとおり見直し、次期中期目標・中期計画の策定等を行うこととする。

第1 事務及び事業の見直し

1 研修事業の見直し

 チーム学校の推進、初等中等教育段階からのグローバル化、アクティブ・ラーニングの推進等の新たな課題に対応した教育が学校現場で効果的に実践されるよう、研修事業の再構築を図ることとし、そのための具体的な工程を策定し、それに沿って着実に実施するものとする。
 研修事業の実施に当たっては、受講者及びその任命権者のニーズ、社会情勢の変化等を勘案し、研修内容、受講対象、日数、人数、開催地等の検討など不断の見直しを行うとともに、業務実績を適切に評価するアウトカムと関連させた目標を策定するものとする。具体的には、研修定員に対する参加率、受講直後の有意義率、校内研修の活性化等の成果活用率を目標として策定するものとする。
 中央研修及び喫緊の重要課題の指導者養成研修については、引き続き、任命権者等に対し研修終了後に調査を行い、研修成果が教育現場に対し有効に活用されているかを検証するものとする。

2 教員研修に関する指導・助言・援助事業の見直し

 本法人が、各地域における教員研修施設や教職大学院などの大学等とのネットワークを構築し、全国的な教員研修・支援のハブ機能を整備・充実するため、以下の取組を進めることとし、達成すべき目標及び時期を明確にし、着実に実施するものとする。
 (1) 研修教材等提供事業の一層の推進を図るとともに、オンライン事業を拡充する。
 (2) アクティブ・ラーニングに係る研修プログラムモデルを構築し、普及を図るほか、「アクティブ・ラーニングセミナー」を開催する。
 (3) 教員の養成・採用・研修を通じた一体改革を推進するため、「教員研修モデルカリキュラム開発事業」について、教職大学院向けに委嘱枠を拡大するとともに、「研究・交流セミナー」を開催する。

3 その他事業(研修情報の収集・活用・提供等)の見直し

 新教育長制度への対応や、教員の養成・採用・研修を通じた一体改革を推進するため、引き続き、研修対象の拡大(教育長セミナー、教員養成を行う大学の教員等)を図るものとする。
 また、平成27年度に締結した日本教職大学院協会等との連携協力協定の拡大と充実を図るものとする。
 上記の機能強化に資するため、新たな調査研究として、研修事業の実証分析や、諸外国の実践成果等の比較検証を行うため、「教員研修の高度化及び充実強化のための調査研究」を実施するものとする。

第2 組織の見直し

 本法人が、養成・採用・研修の各段階を通じた地方公共団体、大学等における取組を体系的、総合的に支援するための拠点としての役割を果たすため、本法人が、教員の資質能力の向上に関する調査、研究とそれらの普及に関する業務を行えるよう、必要な措置を講ずるものとする。

第3 運営の効率化

1 内部統制の充実・強化

 内部統制の充実・強化を図るとともに、内部統制に関する職員研修を定期的に実施し、役職員等の法令遵守の意識・モラルの向上を図るものとする。

2 電子化の推進

 本法人全体で、ICT環境の整備を進め、本法人が主催する研修の充実、受講者の利便性の向上を図るものとする。

3 情報セキュリティの強化

 昨今の攻撃型メール等による行政機関を標的とした事案が発生していることを踏まえ、全職員を対象とした情報セキュリティ研修の実施や情報システムの改修など、本法人全体で情報セキュリティの更なる強化を図るものとする。

4 間接業務等の共同実施

 平成25年閣議決定を踏まえ、国立特別支援教育総合研究所、国立女性教育会館、国立青少年教育振興機構及び本法人で平成26年7月に取りまとめた「間接業務等の共同実施に関する協議会」報告書に基づき、平成28年度以降に実施に向けて検討するとした、電気供給契約、事務用品(事務用電子計算機)の賃貸借等については、実施に向けて準備を進めるものとする。

第4 財務内容の改善

1 自己収入の拡大

 宿泊研修施設について、その必要性を不断に見直すとともに、更なる利用促進に向けた取組を行い、稼働率の向上を図るとともに、定期的に料金を検証し、自己収入の拡大を図るために必要な措置を講じるものとする。

2 施設の有効活用

 貸出施設や貸出対象の拡充を行い、施設の有効利用に供するとともに、自己収入の拡大を図るものとする。
 特に、運動施設については、地域のスポーツ施設又は多目的施設等として有効に活用されるための具体的な方策を検討し、施設の有効利用を積極的に図るものとする。

3 官民競争入札等の導入

 平成27年7月の閣議決定「公共サービス改革基本方針」に基づき、施設の維持・管理業務の競争入札に関して、市場化テストを実施し、適切に対応するものとする。

4 業務運営の効率化

 必要な事務・事業は確実に実施しつつ、更なる既存事業の徹底した見直し、効率化等により、一般管理費を削減、業務の効率化を図るものとする。

お問合せ先

独立行政法人教員研修センターの見直し内容について

初等中等教育局教職員課
電話番号:03-5253-4111(内線2987)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成27年10月 --