国立研究開発法人放射線医学総合研究所見直し内容

平成27年10月2日
文部科学省


 国立研究開発法人放射線医学総合研究所(以下「本法人」という。)は、健康・医療戦略(平成26年7月閣議決定)及び医療分野研究開発推進計画(平成26年7月健康・医療戦略推進本部決定)において掲げられている、重粒子線がん治療装置に係る研究開発や分子イメージング技術の基礎・基盤研究など、放射線を利用した医学研究を支える研究開発法人である。また、原子力規制庁との共管法人となっており、放射線安全・防護及び高度被ばく医療に係る防災基本計画等の中核的な指定公共機関として、原子力災害時における必要な技術支援、被ばく事故対応等の役割を担っているとともに、福島復興再生基本方針を踏まえ、福島県の復興・再生に資するため、低線量被ばくによる健康影響に係る調査研究などに取り組んでおり、今後もこれらの役割を果たしていくことが求められている。
 また、本年7月に国立研究開発法人放射線医学総合研究所法が改正され、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の業務の一部を統合するとともに、量子科学技術の水準向上が法人の目的として追加されることとなっている。
 本法人の業務及び組織については、中長期目標期間終了時に見込まれる中長期目標期間の業績についての評価結果、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)をはじめとする既往の閣議決定等に示された政府方針、さらに、上記の本法人を取り巻く環境を踏まえ、量子科学技術等の中核拠点として、「適正、効果的かつ効率的な業務運営」という独立行政法人の業務運営の理念の下、「研究開発成果の最大化」という国立研究開発法人の第一目的が達成できるよう、以下のとおり見直し、次期中長期目標・中長期計画の策定等を行うこととする。

第1 中長期目標期間等

 本法人は、研究開発成果の最大化を第一目的とする国立研究開発法人であり、長期的視点を含む研究開発の特性を踏まえて中長期目標を策定する必要があることから、中長期目標期間を7年とする。

第2 事務及び事業の見直し

1 役割の明確化及び具体的な目標設定

 本法人はこれまで、放射線の人体への影響、放射線による人体の障害の予防、診断及び治療並びに放射線の医学的利用に関する研究開発等の業務を総合的に行うことにより、放射線に係る医学に関する科学技術の水準の向上を図ることを目的としており、その研究は基礎的内容から応用的内容まで及んでいる。さらに平成28年4月には国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の業務の一部を統合し、法人名称を国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構に改めるとともに量子科学技術に係る研究開発にも取り組むこととなっている。
 このような状況を踏まえ、新法人となる本法人が、限られた財政資源を効率的かつ効果的に活用しながら研究開発活動を一層推進し、大学その他の研究機関や医療機関等を含めた我が国全体として研究開発成果の最大化を図る観点から、次期中長期目標においては、国の量子科学技術政策において本法人が果たすべき役割を、具体的かつ明確に記載し、研究開発のみならず産学官連携や設備等の共用、人材養成等を通じて達成すべき目標を設定することとする。
 その際、目標の達成度に係る客観的かつ的確な評価を行う観点から、研究開発の現場への影響等を十分考慮しつつ、達成すべき内容や水準等を具体的に明記する。その上で、可能な限り質的な担保が図られる定量的な指標を設定することとする。
 また、本法人の役割や活動、成果について国民の理解が深まるよう、広報の充実に努めることとする。

2 産学官の連携・協働の強化

 本法人で創出した研究成果を企業等に橋渡しし、実用化につなげるとともに、将来を担う若手人材の育成、研究活動の活性化及び成果の最大化、新たなイノベーションの創出等につなげるため、大学・企業等との間でのクロスアポイントメント制度(本法人と大学・企業等のそれぞれと雇用契約関係を締結すること等により、各機関の責任の下で業務を行うことができる制度)の拡充を検討することとする。

第3 組織の見直し

 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の業務の一部を統合することによる効果を最大限に引き出すためには、統合される組織の人的・技術的リソースについて、活発な相互利用を促すとともに、異分野の研究者の総合力を結集できる柔軟な組織運営が望まれる。
 このような観点を踏まえ、統合による新たな研究課題への取組を効果的かつ効率的に実施できるよう、これを支える本部のマネジメントの強化や内部統制の向上を図ることとする。

第4 運営の効率化

1 電子化の推進

 平成28年度の統合後、本法人の本部は千葉に設置され、六ヶ所、高崎、那珂、木津川に拠点が所在することとなっている。これまでの一拠点から多拠点となることから、それぞれの拠点間におけるWEB会議システムを導入し、業務の効率化を図ることとする。

2 共同調達等の実施

 効果的かつ効率的な業務運営のため、各拠点の近隣に所在する独立行政法人等との共同調達や間接業務の共同実施の可能性について検討を行うこととする。

第5 財務内容の改善

1 保有資産の見直し

 保有資産については、資産の利用度のほか、本来業務に支障のない範囲での有効利用可能性の多寡、効果的な処分、経済合理性といった観点に沿って、その保有の必要性について不断に見直しを行うこととする。

2 自己収入の拡大

 外部資金の獲得、外部からの施設使用料の徴収等受益者負担の適正化を積極的に進め、自己収入の確保に努めることとする。

お問合せ先

国立研究開発法人放射線医学総合研究所の見直し内容について

研究振興局研究振興戦略官付
電話番号:03-5253-4111(内線4112)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成27年10月 --