独立行政法人国立科学博物館見直し内容

平成27年10月2日
文部科学省


 「独立行政法人国立科学博物館法」(平成11年12月法律第172号))の第3条において、国立科学博物館は、博物館を設置して、自然史に関する科学その他の自然科学及びその応用に関する調査及び研究並びにこれらに関する資料の収集、保管(育成を含む。)及び公衆への供覧等を行うことにより、自然科学及び社会教育の振興を図ることを目的としている。
 独立行政法人国立科学博物館(以下「本法人」という。)の業務及び組織については、中期目標期間終了時に見込まれる中期目標期間の業績についての評価結果、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)をはじめとする既往の閣議決定等に示された政府方針、さらに、本法人を取り巻く環境を踏まえ、自然史科学等の中核的研究機関かつ主導的な博物館としての政策実施機能を的確に発揮しつつ効果的かつ効率的な業務運営を確保するため、以下のとおり見直し、次期中期目標・中期計画の策定等を行うこととする。

第1 事務及び事業の見直し

1 調査研究事業

 調査研究事業については、体系的に収集・保管している標本資料に基づく実証的・継続的な研究と分野横断的なプロジェクト研究を行っているが、次期中期目標においては、国の政策における本法人の果たすべき自然史及び科学技術史の中核的研究機関かつ我が国の主導的な博物館としての役割を明確に記載するとともに、達成すべき目標を明確にし、着実に実施することとする。

2 ナショナルコレクションの充実に向けた体制の整備

 標本資料の収集・保管を体系的に進めるため、標本資料の整理・登録を積極的に推進し、標本・資料統合データベースをより充実させることにより、戦略的なコレクション構築を推進することとする。その際、自然史標本に関しては、生物多様性条約及び名古屋議定書にて定められたアクセスと利益配分(ABS)に対応した収集・管理を行うこととする。また、貴重な標本資料を将来にわたり良好な状態で保存し続けるため、収蔵スペースの確保に向けた検討を行うこととする。YS-11量産初号機については、羽田空港の再整備の状況も踏まえつつ、より充実した環境での保存・活用に向けた検討を進めることとする。

3 展示・学習支援事業の戦略的展開

 本法人が、生涯を通じた国民の科学リテラシーの向上を図るため、博物館ならではの展示・学習支援活動により、調査研究及び標本資料の収集で得られた知的・物的資源を社会に還元することとする。
 国内外の幅広い人々に展覧の機会を提供し、我が国の自然史及び科学技術史に対する理解を深める役割を果たすことができるよう、魅力ある展示を実施することとする。その際、ICT等を活用した展示情報システムの構築、常設展示の充実、展示環境の改善、開館日や開館時間の弾力化、積極的なアウトリーチ活動等の取組を行うこととする。また、これら個別の取組を踏まえた入場者数の具体的目標を設定することとする。
 学習支援活動については、他の科学系博物館では実施困難な事業について取り組みを促進することとする。展示を活用した学習モデルの開発、学校と博物館をつなぐ人材育成の全国展開、大学等と連携した科学と人々をつなぐ人材等の育成を推進することとする。
 本法人の事業を広く国民に周知し博物館活動への理解を深めるとともに更なる利用を促すため、人々のニーズの多様性に対応した広報戦略や情報発信を展開することとする。特に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「2020年東京大会」という。)の開催は、我が国の自然史及び科学技術史に関する理解の促進を図る大きなチャンスである。本法人が所蔵するナショナルコレクション等を活用し、全国の博物館・科学館等とも連携しながら、展示や学習支援事業を通じて我が国の自然及び科学技術に関する多言語による情報発信を推進することとする。

4 全国の科学系博物館との連携強化

 自然史及び科学技術史の中核的研究機関かつ我が国の主導的な博物館としての本法人の役割を明確にするため、全国の科学系博物館や大学等との連携・役割分担を通じて、全国の科学系博物館活動全体の活性化にどのように貢献していくかを次期中期目標で明確に位置付け、当該博物館等との連携促進に関する具体的な目標を策定することとする。

第2 組織の見直し

 2020年東京大会を契機として、我が国の自然の豊かな多様性と美しさ、科学技術の発展や成果を発信するために、全国の関係機関と連携しながら、戦略的に推進する体制を整備するなど、より充実した博物館活動を行うための体制を整備することとする。

第3 運営の効率化

1 共同調達の取組の推進

 本施設の業務内容や地域性を考慮しつつ、周辺の他機関等との共同調達の取組を推進することとする。

2 社会との連携強化による事業の充実

 本法人の事業を一層充実させる観点から、会員制度や寄附制度の充実など本法人に対する支援活動を強化することとする。

第4 財務内容の改善

 事業の拡充に努めるとともに、科学研究費助成事業その他の外部資金の獲得に努め、自己収入の拡大を図ることとする。

お問合せ先

独立行政法人国立科学博物館の見直し内容について

生涯学習政策局社会教育課
電話番号:03-5253-4111(内線2977)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成27年10月 --