「独立行政法人日本原子力研究開発機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」における指摘事項を踏まえた見直し内容

平成27年1月30日
文部科学省

 「勧告の方向性」を踏まえ、次期中長期目標においては、以下の事項を掲げることにより、事務及び事業の改善を図る。なお、この見直しの考え方に従い、平成27年3月までの間に、独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「本法人」という。)が我が国唯一の原子力の総合的な研究開発機関であることを踏まえ、具体的な検討を行い、次期中長期目標・中長期計画を策定することとする。

第1 組織のガバナンス強化

 本法人では、「もんじゅ」の保守管理上の不備の問題やJ-PARC事故等を受け、「日本原子力研究開発機構の改革の基本的方向」(平成25年8月8日文部科学省日本原子力研究開発機構改革本部。以下「基本的方向」という。)及び「日本原子力研究開発機構改革計画」(平成25年9月26日日本原子力研究開発機構)に基づき、平成25年10月以降、安全を最優先とした組織を目指した組織や業務の改革を行ってきている。
 しかし、本法人の各施設における放射性物質の漏えいや火災、監視設備の点検の不備、研究所内への不審者の立入などの事例が後を絶たず、組織全体として安全意識の醸成は、十分なものとなっていない。今後、本法人が原子力に関する研究開発を行っていく上で、組織全体として、より一層、安全を最優先としつつ、効率的・効果的な業務運営を目指していくことが強く求められるものである。
 このため、以下の措置を講ずることとする。

  1. 本法人は、安全に関し、理事長の考え方の周知・徹底、グループでの討論、役員の施設・設備の巡視等の取組を実施することで、職員の意識向上に取り組んできているが、今後においては、業務に従事する職員一人一人が、徹底した安全意識をもって業務に従事し、業務上の問題点を改善していくことが重要である。このため、直ちに、それぞれの研究開発の現場にそれら現場職員による取組を統括することができる者を置くなど現場レベルでの改善を推進する手法を導入することとする。また、それぞれの業務を管理する責任者である役員が、上記の現場における安全の確保や問題点の改善等の取組を先導することとし、それらの進ちょくが遅れた場合、関係役員の業績評価を踏まえた手当の減算等により責任を明確化することとする。
  2. それぞれの現場における、業務における安全を確保するために日々実施しなければならない事項、事故等の発生時に必要となる対処方法、報告・連絡手順等の業務管理、保守点検方法等の仕組みを直ちに整備し、不断に見直して改善することとする。
  3. 本法人は、平成26年4月1日、従来の8研究開発部門17 事業所等を6部門及び共通管理部門に集約し、各担当理事を部門の長とする一元的な責任体制を整備している。今後においては、これまでの組織体制の見直しによる効果や課題を総括した上で、安全管理に係る組織や体制の不断の見直しを行うこととする。
  4. 本法人が「もんじゅ」の再稼動を目指し、また、原子力に関する研究開発を推進していくことに対する国民の視線は厳しいことが想定される。本法人は、自らの業務に対する国民の理解を得、信頼回復を図るとともに、原子力の安全性に対する国民の信頼回復に資するため、上記(1)から(3)までの取組に加え、原子力そのものの安全性向上に貢献するため、1本法人が果たすべき役割、2研究開発の内容を明確化し、これを着実に実施することとする。
  5. 上記1から4までの取組状況、実績や、事故等発生時の詳細な原因分析・対応状況等については、一層積極的かつ迅速に公表することとする。

第2 事務及び事業の見直し

1 「もんじゅ」における高速炉に関する研究開発

 高速増殖原型炉「もんじゅ」において今後実施を予定する研究開発内容については「もんじゅ研究計画」(平成25年9月30日文部科学省)に掲げられ、また、「もんじゅ」の位置付けについては、「エネルギー基本計画」(平成26年4月11日閣議決定)において、核燃料サイクル、廃棄物の減容・有害度の低減等に関する研究開発を行うものとされている。
 一方、平成7年12月の金属ナトリウム漏えい事故をはじめ、22年8月の原子炉内中継装置の落下事故、24年度以降の保安規定に基づく機器の点検漏れの発覚などにより、これまで約19年の長きにわたり本格的な運転を行っていない上、今後克服しなければならない課題も多く、再稼動のめども立っていない状況である。
 さらに、その間、毎年度多額の施設の維持管理経費等を費やすなどの状況となっている(25年度予算で約174 億円、26年度予算で約199 億円)。
以上のような状況を踏まえ、「もんじゅ」が国民の信頼を回復し、「エネルギー基本計画」に位置付けられた役割を確実に果たすことができるよう、以下の措置を講ずることとする。

(1) 今後の研究開発の工程等の明確化

 「もんじゅ」で実施する研究開発については、それらをいつから開始し、いつ成果を得ることができるのか見通すことができないままでは、それらの研究開発の必要性自体に疑問が生じることにもなりかねない。このため、高速炉の研究開発についての長期的な方向性、当該方向性における「もんじゅ」の研究開発の位置付けや目的等を明確化した「エネルギー基本計画」や「もんじゅ研究計画」に基づき、原子力に関する研究開発政策を担う文部科学省の主導の下、本法人は、可能な限り早期の再稼動に向けた課題別の具体的な工程表を策定し、個々の研究開発の実施方法、成果内容・時期、活用方法等を具体的かつ明確に示すこととする。
 また、安全の確保を最優先とした上で再稼動するまでの間における維持管理経費の削減方策を早急に策定し、それに沿った取組を行うこととする。
 さらに、現行の中期計画において予定された本格運転の開始及びその後の研究開発ができていない状況を踏まえ、「もんじゅ」の再稼動が大幅に遅れた場合について、遅れた原因について計画立案の妥当性も含めて分析した上で、関係役職員の業績評価を踏まえた手当の減算等により責任を明確化することとする。

(2) 保守管理の在り方、事故等防止対策の見直し及び明確化

 本法人は、これまで、「もんじゅ」について、安全に対する意識改革等の取組は行ってきているものの、保守管理上の不備等による原子力規制委員会からの保安措置命令の解除が必要となっているほか、長期間にわたる監視設備の点検不備の放置の事例が発覚するなど、克服すべき課題が残されている。
 「もんじゅ」の再稼動を目指すに当たっては、業務に従事する職員一人一人が、徹底した安全意識をもって業務に従事し、業務上の問題点を改善していくことが必要であるが、現状、これらのことが現場の職員により行われるよう管理、統括等が十分になされていない状況である。
 したがって、現場の職員の安全意識の徹底、業務上の問題点の改善等を行うことができるよう、直ちに、それらの取組を統括することができる者を置くなど現場レベルでの改善を推進する手法を導入することとする。
 また、これまでの事故等の原因等の分析結果等を踏まえ、速やかに、現場における、安全を確保するために日々実施しなければならない事項、事故等の発生時に必要となる対処方法、報告・連絡手順等を示したマニュアルを整備するなど、安全に稼動させ、事故の発生を防止するための業務管理、保守点検方法等の仕組みを整備することとする。

(3) 国民の理解を得るための十分な説明

 福島第一原子力発電所事故以降、原子力施設の安全性に対する国民の関心は非常に高くなっており、「もんじゅ」の再稼動に対する国民の理解を得ることが必要不可欠であることから、

  1. 再稼動までの具体的な工程
  2. 「もんじゅ」において実施する研究開発の意義・目的、成果内容・時期、成果の活用(貢献)方法
  3. 安全性についての合理的な根拠

について早急に取りまとめ、国民に対し分かりやすい形で公表することとする。

(4) 研究開発内容の見直し等

 「もんじゅ」における高速炉に関する研究開発については、一定程度長期間を要するものも多く、今後も引き続き、研究開発の進捗状況、国際的な高速炉に関する研究開発の動向、社会情勢の変化等を踏まえて評価を行い、研究開発の重点化・中止等不断の見直しを行うこととする。

2 HTTR(高温ガス炉)における研究開発

 「エネルギー基本計画」においては、安全性の高度化に関する原子力技術の研究開発の推進の例として高温ガス炉が掲げられており、今後、将来の実用化像やそれに向けた具体的な研究課題等について検討することとしている。
 他方、本法人のHTTR(高温ガス炉)については、東日本大震災以降稼動しておらず、現状、新規制基準への適合確認の後、平成27年度中の再稼働に向けて維持管理を行っている状況であるが、その間も多額の維持管理経費等を費やしている(平成25年度予算で約5.5億円、26年度予算で約5.6億円)。
 本法人は、今後、HTTR(高温ガス炉)に加え、高速増殖原型炉「もんじゅ」における研究開発も実施していくことを想定していることから、限りある本法人の経営資源の中で、HTTR(高温ガス炉)に関する研究開発にどの程度重点を置いていくかということも重要である。
 このため、HTTR(高温ガス炉)に関する研究開発については、以下の措置を講ずることとする。

1 文部科学省は、高温ガス炉の実用化像やそれに向けた具体的な研究課題等の検討について、次期中長期目標期間中の早期に結論を得ることとする。それを踏まえ、HTTR(高温ガス炉)に関する研究開発について、本法人の研究開発業務の中でどの程度重点を置いて研究開発を実施していくかということを明確化することとする。
また、安全の確保を最優先としつつ、再稼動するまでの間における維持管理経費の削減方策を策定し、それに沿った取組を行うこととする。

2 本法人は、実用化に向けた研究課題に即して、実際に実施する具体的な研究開発内容を明確化し、それらの個々の研究開発ごとに、いつまでにどのような成果を得て、それをどのような方法で活用するか等を具体化し、着実に研究開発を進めることとする。

3 放射性廃棄物の最終処分等に関する研究開発
 使用済燃料問題については、「エネルギー基本計画」においても、将来世代に先送りしないようその対策を着実に進めることが不可欠であることから、地層処分に関する調査・研究や、減容化・有害度低減のための技術開発を推進すること等とされている。
 本法人は、これまで、放射性廃棄物の最終処分等に関する研究開発として、坑道掘削による深地層の研究開発等を実施してきたが、一方、基本的方向においては、1今後早急に、瑞浪及び幌延の坑道における調査研究の成果を取りまとめ、施設の廃止を含め今後の方針を策定、2早急に、廃止措置すべき施設の優先順位付けをすることが重要等とされており、限りある本法人の経営資源の中で、放射性廃棄物の最終処分等に関する研究開発等についても合理化、重点化が求められている。

 このため、放射性廃棄物の最終処分等に関する研究開発等について、以下の措置を講ずることとする。

(1) 放射性廃棄物の最終処分等に関する研究開発

 本法人の放射性廃棄物の最終処分等に関する研究開発拠点の中には、1幌延拠点(北海道幌延町)や東濃拠点(岐阜県瑞浪市)については、地元地方自治体との協定に基づき放射性廃棄物を持ち込まずに地層処分の研究を行っている、2人形峠拠点(岡山県鏡野町)については、平成13年のウラン濃縮プラントの運転終了以降10年以上にわたり、鉱山跡地の跡措置、運転を終了した施設・設備の解体・撤去、遠心機等の除染等を行うのみとなっているなど、本法人が今後長期的・継続的に施設を保有し研究開発を行う客観的・合理的根拠が明確となっていないものもある。
 以上の状況を踏まえ、本法人において施設を保有し実施している放射性廃棄物の最終処分に関する研究開発については、本法人の研究開発業務の効率的・効果的な実施の観点から、他の研究機関への委託などにより重点化することとする。
 また、業務の効率化等の観点から、保有する施設・設備の処分に向け、現時点では役割を終えて使用していない施設・設備については速やかに廃止措置を行うとともに、業務の重点化により不要となる施設・設備等についても計画的に廃止措置を行うこととする。

(2)低レベル放射性廃棄物の埋設事業

 低レベル放射性廃棄物の埋設事業については、独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律(平成20年法律第51号)により、原子力に関する研究開発等に伴い発生する低レベル放射性廃棄物の処分について、発生主体である本法人が、自ら及び他機関からの委託を受けて実施することとして、本法人の業務に位置付けられたところである。
 各研究機関、医療機関等において長年発生、累積している低レベル放射性廃棄物については早急な処分を行う必要があるが、上記改正法の施行後6年を経過した現時点においても、埋設地が未選定である等進ちょくが見えていない。
 以上の状況を踏まえ、本法人が行うこととされている埋設事業については、次期中長期目標期間中の可能な限り早期に、事業の開始までの具体的な工程・スケジュールを策定し、それに沿って着実に実施することとする。

4 福島第一原子力発電所事故への対応に関する研究開発

 福島第一原子力発電所事故への対応について、本法人は、原子力に関する唯一の総合的研究開発機関として、これまで、関連する研究開発を実施してきており、今後は、研究拠点施設を整備して、事故により発生した放射性物質の性状把握、分析・研究や遠隔操作機器・装置の開発実証等を行うこととしている。
これらの研究開発の成果は、必要なものを遅滞なく廃炉事業等に対して提供することが求められると同時に、基本的方向においては、具体的に本法人が担うべき事項を明確にし、合理的かつ効率的に実施することとされている。
 このため、今後、福島第一原子力発電所事故への対応に関する研究開発については、以下の措置を講ずることとする。

  1. 研究開発の成果を遅滞なく廃炉事業等に対して提供することができるよう、実施する具体的な研究開発内容について、「東京電力(株)福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議)の内容を更に具体化し、本法人でなければ実施することができないものに特化して明確化し、研究開発を進めることとする。その上で、速やかに研究拠点施設を整備することとし、本法人においては、個々の研究開発ごとに、いつまでにどのような成果を得て、それをどのような方法で廃炉事業に提供・活用するか等を具体化し、着実に研究開発を進めることとする。
  2. また、研究開発を合理的かつ効率的に実施する観点から、諸外国における廃炉措置等に関する研究開発成果、廃炉措置等の進ちょく状況、政府、原子力損害賠償・廃炉等支援機構及び東京電力等の関係機関との役割分担等を踏まえ、研究開発の重点化・中止等の見直しを行いつつ推進することとする。

5 核融合研究開発

 核融合に関する技術については、「エネルギー基本計画」において、「国際協力で進められているITER(国際熱核融合実験炉)計画や幅広いアプローチ活動を始めとする核融合を、長期的視野にたって着実に推進する」とされており、本法人では、これまで、国際約束であるITER計画における我が国の国内機関としての超伝導コイル等の調達などの貢献や、核融合反応を発生・持続させるための技術の研究開発など、核融合研究開発を実施している。
 一方、本法人は、原子力に関する唯一の総合的研究開発機関として着実に成果を得て原子力政策に貢献していくため、実施すべき業務の重点化を図ることが重要課題となっており、基本的方向においても、核融合研究開発については、長期的な視点からの最先端の研究開発であることにより、「国内の他の研究機関へ人材及び施設・設備等を業務移管することとする。」とされている。
 現状、平成28年4月に、核融合研究開発を含む量子科学関連研究の業務について、研究上の親和性・発展性の観点から独立行政法人放射線医学総合研究所へ移管する方向で準備を進めている。
 このため、核融合研究開発については、次期中長期目標期間中の早期に、移管までの具体的な工程(成果時期と移管時期との関係も含む)等を明確化し、着実に移管を進めることとする。

6 ISプロセス(連続水素製造試験装置)による研究開発

 「エネルギー基本計画」において、水素エネルギーについては将来の二次エネルギーの中心的役割を担うことが期待されるとして、多様な技術開発や低コスト化を推進することとされている。
 本法人では、平成26年3月、ISプロセス(連続水素製造試験装置)を完成させ、連続水素製造性能の検証等を実施しているが、一方で、原子力に関する唯一の総合的研究開発機関として着実に成果を得て原子力政策に貢献していくため、実施すべき業務の重点化を図ることが重要課題となっている。
 そのような状況において、ISプロセス(連続水素製造試験装置)による研究開発は、すでに要素技術が完成し、工学規模の実証段階に達しているものであるが、原子力に関する研究開発との関係性について指摘があることも踏まえ、次期中長期目標においていつまでにどのような研究成果を得るのかを明確化した上で、早期に研究成果を取りまとめ、民間等へ移転することとする。

7 量子ビーム研究

 本法人は、原子力に関する唯一の総合的研究開発機関として着実に成果を得て原子力政策に貢献していくため、実施すべき業務の重点化を図ることが重要課題となっており、量子ビーム研究については、基本的方向においても「個々の施設ごとの状況を検証し、国内の他の研究機関への移管も含め業務の見直しを図る。」とされている。
 現状、平成28年4月に、量子ビーム研究の一部を含む量子科学関連研究の業務について、研究上の親和性・発展性の観点から独立行政法人放射線医学総合研究所へ移管する方向で準備を進めている。
 このため、量子ビーム研究の一部については、次期中長期目標期間中の早期に、移管までの具体的な工程(成果時期との移管時期との関係も含む)等を明確化し、着実に移管を進めることとする。

8 使用済燃料再処理施設

 本法人では、平成26年9月、東海拠点に所在する使用済燃料再処理施設の一部について、廃止することとしており、これについては、廃止までの工程・時期、廃止後の本法人としての使用済燃料再処理技術の研究開発体系の再整理、施設の当面の利活用及びその後の処分計画等について明確化し、これに即して着実に措置することとする。

第3 保有資産の見直し

1 自己収入の確保

 本法人では、保有する研究施設・設備を大学、公的研究機関、民間企業といった外部の利用に供している。これらの施設のうち、例えばJ-PARCについては、外部利用の需要が非常に高く、有償利用及び無償利用を合わせた平成25年度の課題実施件数は147件に上っているにもかかわらず、有償利用の割合が当初の見込みよりも低かったため、同年度の利用料収入は約1,700万円にとどまっている(1日当たり利用料は約200万円)。これについて、これまでは利用者ニーズを引き出すことを目的として利用料金を軽減してきたところであるが、今後においては、利用料収入の増加のための取組の一環として、速やかに、利用料金の軽減措置について見直しを行うこととする。

2 保有資産の処分等

 本法人では、これまで、業務の効率化等の観点から、保有する必要性がなくなった研究施設・設備、分室、宿舎等の資産の処分、運営の合理化等の取組を行ってきている。
 今後、本法人が、原子力に関する唯一の総合研究開発機関として、求められる成果を適時適切に得て我が国の原子力利用に貢献していくためには、保有資産を絞り込み、組織運営の一層の合理化・効率化を図っていく必要がある。
 このため、本法人が保有する資産について、以下の措置を講ずることとする。

(1) 展示施設の処分等

 本法人では、地域住民による正しい原子力の理解増進に資すること等を目的として運営してきた9展示施設のうち6施設について、平成24年8月までにその機能の廃止を行った。しかし、廃止後も処分が進まず、その間、毎年度多額の維持費を要していることから、早急にその必要性を検証し、これらの施設の処分を行うこととする。
 また、現在展示施設として機能している3施設のうち2施設(きっづ光科学館ふぉとん及び大洗わくわく科学館)については他法人等へ移管する方向で検討しているところであり、残り1施設(むつ科学技術館)についても、できる限り早期に、利用者数の推移等も踏まえ展示施設としての必要性を検証した上で、可能な限り施設の処分を行うこととする。

(2) その他保有資産の処分等

 一層の効率的な組織運営の観点から、上記以外の保有資産についても、引き続き、本法人が保有することの必要性について厳格に検証し、具体的な計画のもとに、処分等を着実に推進することとする。

第4 業務全般に関する見直し

 上記第1、第2及び第3に加え、業務全般について以下の取組を行うこととする。

1 調達業務における透明性・効率性の確保

 本法人では、「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」(平成21年11月17日閣議決定)に基づき、これまで、契約における競争性の確保の観点から随意契約の見直しを行い、本法人における契約案件数に占める随意契約件数の割合は減少してきている。
 一方、一般競争入札により行われている契約案件においては高落札率案件が比較的多く見られ、中には、複数者が応札している契約案件で落札率が100 パーセントとなっているものもみられるなど、実質的な競争性や透明性が確保されていないとの指摘がある。
 このため、今後、調達業務については、以下の措置を講ずることとする。

(1) 一般競争入札における透明性・効率性の確保

 競争性が高い契約方式である一般競争入札により行われている案件については、契約方式のみならず、実質的な競争性や透明性が確保されることが求められる。このため、複数者が応札している案件で落札率が100 パーセントなど高落札率となっている一般競争契約案件などについて、契約監視委員会等における個々の案件ごとの原因の分析・検討等を踏まえた改善方策を講ずることとする。また、特殊な仕様内容の案件、原子力施設・設備で求められる相当程度の品質を確保する必要がある案件等については、必要に応じ、総合評価落札方式や随意契約も含め、最適な契約方式への見直しを行うこととする。

(2) その他契約事務の効率化のための取組

 本法人の業務の効率化を図るための方策として、契約事務の見直しは重要である。このため、本法人全体での案件を精査し、同様の内容の案件を別個に複数行っている場合は、それら複数の案件を一括調達するなど、契約事務の効率化のための本法人全体の取組について継続することとする。
 なお、これまで取り組んできている随意契約の見直しについては、随意契約とする案件の範囲の合理性等について、引き続き見直しを行いつつ取組を継続することとする。

2 的確な評価を実施するため、主務大臣は、「独立行政法人の目標の策定に関する指針」(平成26年9月2日総務大臣決定)に基づき、目標を策定することとする。

 

3 特に、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)をはじめとする既往の閣議決定等に示された政府方針に基づく取組について、着実に実施することとする。

お問合せ先

独立行政法人日本原子力研究開発機構の見直し内容について

研究開発局・原子力課
電話番号:03-5253-4111(内線4549)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成27年04月 --